保育士必見!保育園で予防接種の前後に注意すべきこと11選


インフルエンザが流行する時期、子どもたちも保育士さんも予防接種を受ける機会が多いのではないでしょうか?
基本的に各医療機関での実施となる予防接種は、一見園の活動とは関係がないように感じるかもしれません。しかし予防接種の前後には、園での生活においても注意すべき点がいくつかあります。特に、乳幼児期は予防接種の後に様態が急変することがあるので注意が必要ですよ。
今回は、予防接種を受ける前、また受けた後の保育園や幼稚園での過ごし方について、その注意点をご紹介します。
年々変わる?!子どもたちが受ける予防接種の種類
子どもたちが受ける予防接種には、大きく分けて定期予防接種と任意予防接種があります。その種類は感染症の状況により変更されることがあるので、毎年チェックをしておくと良いでしょう。
定期予防接種
定期予防接種は、一定の年齢になったら受けることが望ましいと法律で定められており、感染力が強く予防の必要性が高いものです。定められた接種期間内であれば、公費負担で受けることができます。
乳幼児期に受けられるものでは、三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)、結核(BCG)、麻疹・風疹、日本脳炎、ヘモフィリスインフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌などがあります。
平成26年10月1日からは、水痘(みずぼうそう)が任意予防接種から定期予防接種へと変更になりました。
任意予防接種
任意予防接種は、摂取するかどうかを個人の判断に任せているものです。費用は基本的に自己負担となりますが、自治体によっては接種費用の助成が受けられるところもあります。
乳幼児期に受けられるものでは、B型肝炎、A型肝炎、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、インフルエンザなどがあります。
●予防接種の種類表●
定期予防接種 | ・三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風) ・結核(BCG) ・麻疹/風疹 ・日本脳炎 ・ヘモフィリスインフルエンザ菌b型(Hib) ・肺炎球菌 ・水痘 など |
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任意予防接種 | B型肝炎 ・A型肝炎 ・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) ・インフルエンザ など |
※2015年5月18日現在
【参考:NIID 国立感染症研究所】
予防接種やワクチンについての詳細はこちらの記事に載っています。
>>関連記事:『予防接種~これだけは知っておきたい基礎知識~』
園で予防接種の前後に注意すべきこと11選
予防接種前後には園を休む子どももいますが、基本的に病気ではないので、登園する子どももたくさんいます。しかし予防接種は、ワクチンを体内に入れ病気に対する免疫をつくるので、弱いながらも病原体が体の中に入ることになります。普段と同じように過ごしていては、熱が出たり体調が悪くなったりする恐れがあるので普段以上に子どもたちの様子を観察し、配慮が必要になるでしょう。
予防接種前に注意したいこと
- ①体調、機嫌、遊び方など子どもの様子をよく観察する
体調や機嫌、遊び方や過ごし方が普段と変わりないかよく観察し、保護者に様子を伝えられるようにしましょう。
- ②激しい運動は避ける
体温が上がったりケガをしたりする恐れがあるので、激しい活動にならないような遊びを提案したり、環境を整えたりする必要があります。
- ③便や尿、食欲が普段と変わりないか確認する
排泄物を確認し、便や尿からも体調を把握します。
- ④おやつや食事は、予防接種30分前までには済ませておく
予防接種前に体温が上昇したり、泣いて嘔吐したりしないためにも、直前には飲食をしないよう注意しましょう。
- ⑤お迎え前に検温をする
体温が37.5℃以上あると受けられないことがあるので、保護者のお迎え前には体温を測り、帰り支度をし安静に過ごしながら保護者を待ちます。
予防接種後に注意したいこと
- ①体調、機嫌、遊び方など子どもの様子をよく観察する
体調や機嫌、遊び方や過ごし方がいつもと変わりないかよく観察します。少しでもいつもと違うと感じたら検温をし、必要に応じて保護者に連絡をしましょう。
- ②激しい運動は避ける
熱が出たり、体調が悪くなったりすることがあるので、激しい活動を含む遊びは避けましょう。
- ③便や尿、食欲が普段と変わりないか確認する
排泄時物を確認し、便や尿からも体調を把握します。
- ④絆創膏を剥がさないようにする
絆創膏が剥がれた時は、雑菌などが入らないよう新しいものに変え、すぐ取らないように見守ります。嫌がる場合は、かわいい絆創膏を貼ってあげたり、菌が入るとどうなるか伝えてあげたりすると良いですね。その子の特性で嫌がる場合は、保護者の方とどのようにするか確認しておきましょう。
- ⑤接種した部分を過剰に触ったり、掻いたりしていないか見る
接種した部分を気になって触ったり掻いたりしていると、そこから雑菌などが入る恐れがあるので、触っていないか注意して観察しましょう。触っていたら声掛けをしたり、気が紛れる遊びを提案したりします。
- ⑥定期的に検温をする
接種後は、体調が急変することもあるのでこまめに検温を行い、体調の変化に気付けるようすると良いでしょう。保護者や医者への連絡が必要な際も様態を詳しく伝えられます。
保護者との連絡が大切!
予防接種前後の子どもたちを安全にお預かりするためにも、保護者との連携を密にし、子どもの体調を把握しましょう。保護者と共有しておきたい情報を事前にリストアップしておくと、抜けもれなく確認ができますよ。
- □ 前日の家での様子や体調を聞く。
□ 接種後30分は、医療機関や落ち着いた場所での観察をお願いする。
□ 今までにワクチンによるアレルギー反応は出たことがあるか確認する。ある場合はその症状を詳しく聞く。(汗がたくさん出る、嘔吐、じんましん、腫れなどの症状)
□ 高熱やひきつけなどが起こることもあるので、保護者といつでも連絡が取れるようお願いする。
□ 接種した医療機関名を聞き、いざという時に連絡が取れるようにしておく。
□ その後の園での過ごし方や様子、体温を詳細に伝える。
予防接種について”おたより”で伝えたいこと
乳幼児の集団では、一人が感染症にかかるとあっという間に広がりかねません。一人ひとりが予防接種を受けることによって、個人だけでなく園全体の感染予防につながります。予防接種は定期と任意のものがありますが、嘱託医やかかりつけ医師の指導のもと、適切な時期にワクチン接種ができるよう保護者に促すことも大切です。
毎月のおたよりなどで、その時期に流行りやすい感染症を紹介したり、予防接種の時期をお知らせしたり、普段から意識できるような工夫もあると良いですね。
また、受ける際の注意事項、園・家庭での過ごし方や配慮点、園に伝えてほしいことなどを記載すると、保護者とのやり取りもスムーズになり、保育士も保護者も安心できます。
感染症についてや園での対策も合わせて記載しても良いですね。
>>関連記事:『感染症って何?園でできる対策方法』
>>関連記事:『夏の感染症~普段から保育士ができること~』
>>関連記事:『冬の感染症~インフルエンザの症状と対策~』
予防接種を受けないと決めている家庭もあります。園や保育士から強制はできませんが、園で流行する感染症、子どもたちの健康についてはしっかり伝え、感染予防に努めたいですね。
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