保育園の大掃除!子どもたちと楽しく取り組むコツ4選


年末が近くなると、子どもたちと一緒に大掃除を行う幼稚園や保育園も多いでしょう。大人にとっては、”大変”なイメージがある大掃除ですが、子どもたちには楽しみながら取り組んでもらいたいですよね。
そのためには保育者が楽しそうに行うことはもちろん、いくつかのポイントがあります。今回は、年末の大掃除がもっと楽しくなるコツをご紹介します!
導入からワクワク!楽しい大掃除の伝え方
“キレイにする”という目的だけでなくその由来を伝えることで、大掃除を行う大切さや必要性をより一層伝えることができます。
大掃除の由来を知ってやる気もアップ!
年末に行う大掃除は”煤払い(すすはらい)”に由来します。煤払いとは、新年に歳神様を迎えるため、家中の煤を払い清めていた年中行事です。江戸時代から始まり、当時は12月13日に行われていました。12月13日は、正月の準備を始める”事始め(ことはじめ)の日”でもあり、煤払いをしてから門松やしめ縄などを飾って正月の準備をしていたのです。
次第に家族の都合が合いやすい正月休み中に行うことが多くなり、大掃除と呼ばれるようになりました。煤払いは、現在でも神社などで代表的な神事として行われています。
子どもたちと大掃除を楽しく取り組むコツ4選!
大掃除の由来を知ったら実際に大掃除に取り掛かりましょう。ここでは大掃除がもっと楽しくなるコツをお伝えします!
雑巾を使ってやる気をアップ「ぞうきんたろう」
ロッカーや床拭きを行う前の導入で行います。
- ●準備するもの●
・悲しい顔を描いたキレイな雑巾
・嬉しい顔を描いた汚れた雑巾
・汚れた椅子やおもちゃなど
真っ白のキレイな雑巾と黒く汚れた雑巾を見せ、視覚的に掃除をすることがどのようなことかわかるようにします。雑巾が真っ黒に汚れるまで拭くことを伝えましょう。
子どもたちの中には、雑巾を汚すのが嫌で掃除をしたくないと言う子もますよね。汚れた雑巾に嬉しい顔を描くことで、「拭いた部分もキレイになり、雑巾も汚れた方が嬉しいんだよ」と子どもたちに伝えることができます。
雑巾が真っ黒になると「先生見てー!こんなになったよ!」とうれしそうに報告してくれますよ!
- ●導入例●
・雑巾の名前は「ぞうきんたろう」
・ぞ:ぞうきんたろうくん
・保:保育者
【悲しい顔を描いたキレイな雑巾を見せる】
ぞ:ええーん えーん。
保:あれ?ぞうきんたろうくんが泣いているよ。どうしたのかな?
ぞ:ぼくね、悲しいの。
保:どうして?
ぞ:ぼくの顔キレイなの。真っ白なの。
保:キレイなの素敵だよ!キレイなのになんで泣いているの?
ぞ:ぼくは、みんなの教室をキレイにするために生まれてきたんだ!キレイになるために、いろんな所を拭きたいんだ!ゴシゴシ拭くとね、ぼくは真っ黒になるの。でも、ぼく一人じゃゴシゴシできないんだ…
保:それで泣いていたんだね。よし!先生がゴシゴシ掃除するよ!先生も教室がキレイだとうれしいな!(ゴシゴシ椅子の掃除をして見せる)
【嬉しい顔を描いた汚れた雑巾を見せる】
ぞ:うわ~!椅子がキレイになったよ!ぼくの顔はどう?真っ黒かな?
保:うん!すごい真っ黒!椅子もキレイになったね。
【お正月の話につなげる】
雑巾お散歩で正しい姿勢を伝えよう
“雑巾がけ”子どもの頃にした方も多いのではないでしょうか?簡単そうですが、さまざまな筋肉を使うので体を動かす経験が少なかったり、筋力が弱かったりすると、なかなかできない子もいます。まずはみんなで姿勢を確認してみましょう。
- ●雑巾がけの方法●
1.雑巾は半分または1/4に折り、床に置く
2.両手を雑巾につける(正座をすると行いやすい)
3.膝をつけないようにおしりを上げる
4.前に進む
正しい姿勢で行うと、筋力もつき服が汚れないという利点があります。みんなができたことを確認したら、1列になって床を拭いてお散歩をしましょう。人数によっては大行列になるので、アリの行列のようで楽しくなりますよ。
雑巾競争「よーいどん」
正しい姿勢が身についたら、競争をしてみるのも楽しいですね。ただしケガには注意して行いましょう。
横1列に並び、まっすぐ進んでいきます。並ぶ時に横の感覚を空け、友だちとぶつからないよう配慮しましょう。
子どもたちとは、「わざとぶつからないこと、手はしっかり雑巾につけたまま進むこと、しっかり前を見ること」を約束します。雑巾がけの途中によそ見をすると集中力が途切れ、つまづいて頭を床に打ち付けてしまうことも考えられるので、注意しましょう。
雑巾絞り「できるかな?」
保育者は、子どもたちに「できるかな?」と雑巾を絞るポーズを見せ、子どもたちは保育者の真似をします。ゲームのような感覚で行うとより楽しめますよ。
- ●正しい雑巾の絞り方~縦絞り~●
1.雑巾を絞りやすい大きさにたたむ
2.雑巾を縦に持つ
3.雑巾の上(体から遠い方)の手は逆手(鉄棒などで手のひらが見えるようにして握る握り方)に握る
4.雑巾の下(体に近い方)の手は順手(鉄棒などで手の甲が見えるようにして握る握り方)に握る
5.手首を内側にひねる
正しい方法で絞ると、手首への負担も少なく力を入れることができます。動画でも絞り方が紹介されています。
▼雑巾の正しい絞り方
雑巾が絞りたくなる楽しい歌もあります。
▼『せいかつの図鑑』テーマソング「ぞうきんゾンビ」
大掃除 大勢で行う際に注意したいこと
楽しく行うためには保育者が注意しなければならないことも多くあります。
●ケガに注意●
子どもたちが掃除する時は、”掃除すること”に夢中になっているので、周りの友だちに意識がいかないことがあり、足を踏んでしまったり、ぶつかってしまったりする恐れがあります。保育室内の人数は適切か確認し、こまめに声を掛けながら子どもたち同士でも注意ができるようにしていきましょう。
●アレルギーに注意●
ハウスダストなどのアレルギー有無を事前に確認し、その子に合わせた配慮を考行いましょう。アレルギーのある子がいなくても、はたきなどは子どもたちがいる時は行わない、換気は十分にするなど、気をつけて掃除すると良いですね。
●道具の扱いに注意●
箒や雑巾でふざけないようお約束をしてから始めます。ぞうきんを口に入れたり、投げたりする子もいるので注意して見守りましょう。
大掃除の後が大切!
大掃除を終えたらみんなで保育室を見渡し、どこがキレイになったか、どんなことを頑張ったかなど話し合ってみましょう。達成感も味わうことで普段の片付けなどにもつながっていくでしょう。
大掃除は、保育室をキレイにする心地よさはもちろん、協力して取り組むことの大切さや作業の効率的な分担方法など、さまざまなことを学べる絶好の機会です。大掃除中や大掃除後には、一人ひとりに声をかけ頑張ったことを認め、たくさん褒めてあげたいですね。
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