リトミックにリズム遊び…子どもの感性を磨ける“音育”のススメ

木の葉が風にそよぐ音、小鳥の鳴き声、雨粒が屋根をたたく音、ピアノの音色…子どもたちの毎日には音があふれています。その”音”を子どもの豊かな心の育成に役立てようという”音育”をご存じでしょうか。今日は子どもたち世界をもっと豊かにしてくれる”音育”の魅力と日々の保育への活かし方をご紹介します。
目次
“音育”ってどんなもの?
音育は「音の教育」を略した造語。さまざまな音を聴く中で、面白さを感じたり、音の違いを発見をしたりしながら、子どもたちの感性を引き出す取り組みのことです。
お母さんのおなかにいる時からすでに発達し、20週目にはすでに聞こえるようになるという人間の耳。その耳を鍛えることができるのは乳幼児の時だけであるとも言われています。幼いうちに多くの音に触れ、さまざまなことを感じ、表現することが豊かな感性を育むきっかけになります。
耳をすませることからはじめよう!
“音育”といっても難しく考えすぎる必要はありません。まずは日常にあふれる音に耳をすませることから始めてみてはいかがでしょうか?
室内で、あるいは外に出て…子どもたちと一緒に全身を「耳」にして周りの音を聴いてみましょう!ほら…隠れているいろいろな音が聞こえてきませんか?
ちょっぴり応用!音育の例
- ♪ 音を数えてみよう
- 周りの音に耳をすませたら、違う音がいくつ見つけられるか数えてみて下さい。保育士さんはタイムキーパーもしてあげましょう!どんな音がしたか、みんなで出し合っても良いですね。
- ♪ 音の違いを見つけよう
- いろいろな場所で手をたたいてみましょう!野外、広い室内、狭い場所…それぞれに響きが微妙に違うのを感じられるでしょう。
- ♪ この音なぁに?音当てゲーム
- 環境音や動物の鳴き声が入ったCDを使って、「これは何の音だろう?」と問いかけ、当てる簡単なゲームです。動物の顔を描いたカードなどを作っておき、かるたのようにしても面白いですね!
【音×コトバ】音を言葉で表現してみよう
「オノマトペ」をご存じでしょうか?オノマトペとは擬音語・擬声語・擬態語の総称のこと。
詩人で絵本作家でもある谷川俊太郎さんはこの”オノマトペ”によって幼いころから、物の質感や働き、鳥獣の鳴き声、人間の心理などに対する繊細な感覚を育てることは、大切なことであると語っています。
人間の心理などに対する繊細な感覚を育むためにも、鮮明に、簡潔に感じたことを表現する力を養うためにも、聴いた音をコトバにして表現してみましょう!
【音×色】聴いた音を絵にしてみよう
音と色…一見関係がなさそうに感じるかもしれませんが、実は深い関わりがあるそう。鋭い音感を持った人は、音を聴くとその音階などに色を感じる「色聴」という現象がおこるそうです。
この感覚は大人になると失ってしまうことも多いようですが、子どものころには多くの人が持っていると言われています。
感性の鋭い子どもたからこそ、音を聴いて感じたことを色を使って表現することを、ひとつの音育の形として取り入れてみてはいかがでしょう。
【音×カラダ】音に合わせて体を動かそう
音楽に合わせて体を動かすことで、音を感じて楽しめだけでなく協調性やリズム感も身につけることができるリズム遊びやリトミック。
多くの子どもたちが集団で生活する保育園だからこそ、積極的に取り入れたいプログラムですね!
▲ 0歳児からできるリズム遊び。体の動きと音楽が合わさってとても楽しげ♪
▲ 秋になったら取り入れたい「トンボのめがね」のリトミックです。音楽に合わせて回ったり止まったり…動画は3歳のクラスで実施しているそうです。
▲ 3~4歳のクラスで楽しめるミッキーマウスマーチのリトミック。カンタンな動きとみんなが知っているメロディで、盛り上がりそう!
編集者より
大人になり、無意識のうちに聞かなくなった”当たり前”の音も、子どもたちにとっては新鮮で学びの機会となります。子どもたちには幼いうちに多くの音に触れてもらい、心豊かに育っていってほしいものですね。
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