学習領域と絵本選び~効果のある読み聞かせ~


こんにちは、クーミンこと眞田 久美(さなだ くみ)です。
保育士、園長を経て、保育サービス企業にてスーパーバイザーや教務関連業務や研修を行っておりました。現在は、フリーランスで保育士向けの研修やカウンセリングなどを行っています。
絵本の読み聞かせをできるだけ多く取り入れたいけれど、 どんな絵本を選んで良いかわからないという声をよく聞きます。
基本的には、先生自身が好きな本、 子どもたちに聞かせたいお話を選ぶことが一番大切ですが、せっかく絵本を選ぶならば、学習領域を意識してみませんか?
今回は、学習領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)を ふまえた絵本選びと、子どもたちの考えや思いを引き出す言葉がけをご紹介しながら、効果のある読み聞かせを考えます。
保育園って遊ぶだけ?
「保育園って、遊ぶだけでしょ?」
先日、友人とお茶をしていたカフェで、女子大学生らしい二人組が話をしていました。
この学生に限らず、
幼稚園は、就学前の学習をするところ
というイメージが多いようです。
しかし、保育園の指導書である保育所保育指針も、幼稚園の指導書である幼稚園教育要領も、目標やねらい、内容に殆ど違いはありません。
学習領域とは?
保育園の方は、対象年齢が0歳児からなので0~2歳児までは、保育園の目標がありますが、3歳児以上のねらいには、発達過程ごとの生活習慣の確立の他に、幼稚園教育要領と同じ学習領域(5領域)についても示されているのです。
5領域と絵本選び
この5領域を意識して、絵本を選ぶ際に、それぞれのねらいとなるキーワードを考え、
絵本の内容と照らし合わせてみることで学習領域を意識した絵本選び、読み聞かせをすることができます。
また、先生が好きな絵本を選び、その絵本からどのような学習領域を意識させて読み聞かせることができるかを引き出すこともできます。
その方法として、私は、次のような方法で学習領域を引き出してみました。
#ハッシュタグという言葉を知っていますか?
ハッシュタグとは、TwitterなどSNSで、投稿内のタグとして使われるハッシュマーク「#」がついた検索のカギとなるキーワードのこと。
学習領域や言葉がけを考える時に、選んだ絵本を読んで、ハッシュタグを考えてみましょう!
そして、付箋に書いて、貼りだします。
このハッシュダグに書き出した付箋を、5領域に当てはめてみます。
すると、付箋の多い領域ほど、先生が伝えたい領域となります。
その付箋の多い2領域ほどをねらいとし、読み聞かせのあとにレビューをすることをおすすめします。
聞かせ後のレビューとは?
絵本の読み聞かせには、様々な考え方があります。
私が勧めている読み聞かせは、お話を聞かせて、子どもたちに場面を想像させることも目的の一つですが、その想像したこと、感じたこと、考えたことを自らの言葉でアウトプットする機会を持たせることも大切な目的と考えます。
どのような話だったか、誰が登場したかなど、理解力を確認するための言葉がけだけではなく、子どもたち個々の、感じたこと、考えたことを*オープンエンドクエスチョンを
用いて、言葉に出す時間を設けてみましょう。
*オープンエンドクエスチョンとは?
「はい、いいえ」や2択、3択ではなく、5W1H(いつ/どこ/だれ/なに/なぜ/どのように)などで質問すること
カナダの子どもたちのStory Timeで発見したこと
カナダ在住時代、プリスクールでボランティアなどをしていました。
カナダのプリスクールやキンダーなどでも「Story Time」と呼ばれる読み聞かせの時間があります。
日本の子どもたちと同じように、先生がお話をしている時は、静かに聞いているのですが話している途中で、どうしても質問したい場合、静かに挙手をします。
先生も、止められる場面であれば、「Yes, 〇〇(生徒の名前)Do you have a question? (何か、質問があるの?)」と聞いていました。
そして、読み終わった後、次々と手をあげ、“ぼくは、こう思う”、“わたしだったら、嫌だ”など、自分の考えや思いを言葉に出して発言していました。
私は、日本の子どもたちにも、このような自分の考え、思いを表現する時間が必要ではないかと思い、このような読み聞かせを試みてきました。
皆さんも、試してみてはいかがでしょうか。
クーミンは保育者向けのセミナーやカウンセリングなども行っています。
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