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「保育はアメイジングな仕事!子どもの個性にあわせて向き合おう」元保育士の人気絵本作家 ビル・コッターさんインタビュー

元保育士の絵本作家ビルコッターさんインタビューTOP

ほいくらいふではこの春、読み聞かせにお悩みの保育者や保護者のみなさんにむけて、「読んだ2~4歳児の子どもの91%が大興奮」と話題の絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』シリーズをご紹介しました。

今回はその作者であるビル・コッターさんに、ご自身の保育経験や子どもが惹きつけられる絵本の共通点などを教えていただきました。

「保育士だけど……将来は絵本作家になりたい!」
「アメリカの保育はどんな感じなんだろう?」
と思っている方も必見のインタビューです。

絵本作家ビル・コッターさんってどんな人?

ビルコッターさんと彼の手がけた絵本

引用:https://sanctuarybooks.jp/webmag/20190125-2476.html

ビル・コッターさんはアメリカ・オハイオ州生まれの絵本作家です。
美術大学を卒業後、ベビーシッターを経て、ニューヨークの子ども向けアートスクールChurch Street School for Music and Artにて、芸術の先生として活躍しました。そこでは未就学児~学童児まで様々な出会いがあったそうです。

日々子どもと接する中で「子ども達が読み聞かせに興味をもってくれない……より絵本を楽しんでもらうにはどうすればいいだろう?」と悩むことも。そんな保育・教育の経験を活かし、双方向のコミュニケーションがとれる絵本『Don’t Push the Button!』は生まれました。

絵本はたちまち全米でベストセラーに。人気は世界中に広がり、日本でもサンクチュアリ出版より『ぜったいに おしちゃダメ?』が翻訳・出版されました。
2020年1月には日本オリジナル版の『ぜったいに おしちゃダメ? ラリーとどうぶつ』も販売されています。


今日はコッターさん自身の保育の経験や、そこで感じたことをインタビューしていきます。

Q.NYでは保育者としてどのように働いていましたか?

 

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子ども中心で展開される「Open Art」という授業などを担当していました。

「Open Art」は「ドロップ・イン」方式で行われていて、子ども達は週の好きな時間に参加することができます。しかも自分で作りたいものを決めて作ることができます。

一斉授業と異なり、保育者にとっては非常に難しい授業でした。
彫刻を作る子どもや、お絵描きをしている子もいれば、段ボールを使ってロボットの着ぐるみを作っている子どももいる、てんやわんやな状態ですから。

でも私はこの一種の芸術的な、なんでもありの状態を楽しくうまくやれていたんです。

子ども達の「コントロールしたい!」という気持ちに気づいた

子ども達は「自分の思い通りにやりたい!」という欲求をもっています。
自分たちの状況を自分たちで「コントロール」したいんです。
この「コントロール」のしかけは絵本の『ぜったいに おしちゃダメ?』にも表現されています。押したらどうなるかわからないボタンを押すか押さないか、読者が「コントロール」する感覚を味わえるように構成しているんです。

Q.子どもと関わる仕事に就いたきっかけは?

 

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「昔から子ども達と向きあう仕事をしたかったんだ!」と言いたいところですが、実際のところ偶然と言えるかもしれません。
2008年に美大を卒業し、NYに引っ越してすぐにリーマンショックがあり、経済危機に陥りました。その影響でクリエイティブな職に就くことが難しくなったのですが、私は保育業界(child care)であれば不況でも人々から必要とされると気づいたんです。
どんなに景気がひどく、働きに出たりするには、子ども達と離れて保育所に預けたりしなきゃならないでしょ!? …なんてね! HAHAHA!

ベビーシッター、ポンコツ事務員からアートの先生に!

私が知り合いの家族の元でベビーシッターを始めた頃、当時の私のルームメイトが美術学校の事務として働き出したんです。彼はすぐに出世し、その仕事を紹介してくれました。
働き始めてすぐに自分が世界で最もポンコツな事務だと気づかされたのですが(笑)学校側は私を見捨てずに、私のベビーシッターの経験と学生時代からのポートフォリオ(作品集)を見て、美術の先生をやらせてくれました。
事務職として働いていなければ、たくさんの子ども達と関わり合ったり、絵本を描くことはなかったでしょうから、今は自分に起こった全てのことにとても感謝しています。

Q.子どもと関わった中で印象的な出来事があれば教えてください

 

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アフタースクール(学童)で、私のアートの授業に参加していながら、授業に全く興味を示さない男の子がいました。
しかも、彼の両親は遅くまで働いており、お迎えはいつも最後。いつも1時間ほど私と彼の二人きりで過ごしました。
彼はアートには興味がなかったのですが、ひたすら興味を持つものがあった――スポーツです。
スポーツが全ての彼にとっては、長時間芸術の授業を受けなければならないことは拷問に近かったのでしょうね。

それからしばらくして、私はアイデアを思いつきました。
巨大な紙を教室の床全体に広げて、何色かのペンキを紙の中心に撒き散らしました。
サッカーボールより少し小さめのボールを持ってきて、互いのゴールを決め、彼とその日の出来事について話しながらサッカーをしたのです。

結果、Jackson Pollockの絵画のようにシンメトリックで巨大な絵画ができあがりました。彼はボールで絵画ができるそのアイディアをとても気に入ってくれ、私達はそれから二人でたくさんの作品を生み出していったのです。

注※Jackson Pollock (1912-1956)
1930年代にアメリカで活躍した抽象画・モダンアート画家。絵の具をキャンバスに撒き散らすなど偶然からアートを作り出した。

参考: 展覧会情報生誕100年 ジャクソン・ポロック展

一斉保育・授業は全ての子ども達にとってベストな手段ではないかもしれない

彼との特別授業は、保育士として大きな気づきになったと思っています。
保育者として、そして教育者として気づくべき最も重要なことは「一斉授業は全ての子ども達にとってベストな手段ではない」ということかもしれません。
子どもたちはそれぞれ個性があり、一人ひとりにあった教育( individualized / specialized)がそれぞれにあるべきなのです。

Q.「子ども達が読み聞かせに集中できない」状況で、コッターさんはどう対応しましたか?

 

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幼い子どもを集中させられない時は、他のアプローチを試すしかないと思います。
読んでいる本に子ども達が興味を示さなかったら、もっと興味を持ちそうな本を選んでみるとかですかね。

3つの子どもが惹きつけられる絵本の共通点

長年あちこちの本屋を巡って、私は子ども達を惹きつける本の共通点をみつけることができました。

まず対話的であること

次に飾らない言葉で、読者へダイレクトに語りかけるような登場キャラクター

そして、子ども達が普段耳にするような分かりやすい言葉です。

Q.2019年に初来日されましたが日本はいかがでしたか?

 

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私は日本が心底大好きで、すぐにでもまた来日したいです!
フレンドリーな人々、素晴らしい料理、美しいデザイン……好きなものがたくさんあります。

国や立場などが違っていようとコアな部分は同じ

日本の子ども達も本当に愛らしいですね。ただ、日本の子ども達が特別なわけではありません。
私が世界中を絵本と旅して分かったことは、国や立場などが違っていようと、コアな部分はみな同じだということです。

私の絵本に対する日本の子ども達の、アメリカの子ども達と同じようなリアクションを見ると、やはり私達は本質的には同じ人類なんだと思い出させてくれます。
この絵本は「私たちはみんな同じく子どものような遊び心をもっているんだ」と教えてくれますね。

Q.アメリカの保育で課題に感じていることはありますか?

アメリカにおける保育の課題は大きく2つあると思っています。

まず、保育従事者・教育者への給与が低すぎること

そして、幼児教育が世帯収入関係なく、一般の人に提供されていないことです。
ここ最近、政治家達による全国的なPre-K(保育園/幼稚園の準備段階にあたる未就園児教育)設置の議論が盛り上がっています。

就園前に子ども達の脳は急激に発達し、就園前教育は長期的にみて有益であることが多くの研究で明らかになっています。

それに、これまで子ども達とふれ合った中で、5歳以下の子ども達が保育・教育を受けることがいかに有益かを実際に目の当たりにしてきたので、私はこのPre-Kの広まりは強く支持しています。

最後に日本の保育士さんや子どもと関わる人に向けてメッセージがあればお願いいたします!

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この素晴らしい仕事 (the amazing work) をぜひ続けてください!

私自身、保育従事者として働いていたので、「なかなか社会から認めてもらえない職業だな」と感じることもありました。

しかし、皆さんがしている仕事は、子ども達の心を育むことによって、私達が歩む未来をつくっていく大切な営みであるということを知ってほしいです。

この絵本に関心を寄せていただきありがとうございます。
皆様の日々の努力に心から感謝しています。

――コッターさん、素晴らしい絵本と温かいメッセージをありがとうございました!

イラスト大賞実施中! ビル・コッターさんに絵を見てもらえるチャンス!

ぜったいにおしちゃダメ イラスト大賞バナー

引用: https://www.koubo.co.jp/contest/art/picture_book/081029.html

現在、『ぜったいに おしちゃダメ?』シリーズをモチーフにしたイラストコンテストを実施中とのこと(締め切り:2020年5月10日)。

審査員はなんとビル・コッターさんご本人!

園のクラスやアートスクール、#おうち時間 に子ども達と挑戦しても楽しそうですね。
登場キャラクターのラリーの絵描きうたもありますよ♪

6歳以下のお子さんならチャレンジOK!
応募の詳細はこちらから。

コッターさんの情報
・HP http://cotterillustration.squarespace.com/
・Twitter https://twitter.com/cotterbooks
・Instagram https://www.instagram.com/cotterbooks/
【Speial Thanks!】サンクチュアリ出版
https://www.sanctuarybooks.jp

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