普段の保育でも遊べ、子どもたちと制作をする前の導入としても使えるスケッチブック遊び「スケッチブックシアター」を詳しくし解説します。
簡単な作り方や演じ方をマスターすれば、ちょっとした時間がうんと楽しくなりますよ!
目次
「スケッチブックシアター」とは?
「スケッチブックシアター」とはスケッチブックをめくってお話が展開するシアターです。
スケッチブックという身近な素材に絵を描いて、めくるだけなので、簡単に作ったり演じられます。
また、切り込みをいれて仕掛け(しかけ)を作ったり、歌を絵にしたりと自由度が高く、オリジナリティを出せるのも魅力の一つ。
一人担任でもでき、その手軽さから新人保育士さんや実習をする保育学生さんにもおすすめのシアターです♪
◆参考◆
複数人でスケッチブックに絵を描き、お話や音楽にあわせてスケッチブックを表裏にするマスゲームのようなものを「スケッチブックシアター」と呼ぶ場合もあるそうです。
練習が必要だったり大き目の舞台でやるのに適しているため、運動会やクリスマス会など豪華なイベントの出し物等が適しています。
「スケッチブックシアター」はいつやるべき?
持ち運びも簡単にできるスケッチブックシアター。
保育士さん達はこんな時に行うようです。
- 【スケッチブックシアターのタイミング】
・導入(制作の前、給食の前など)
・読み聞かせの代わりとして
・自己紹介
・活動の間のちょっとした空き時間に
「子ども達は普段の読み聞かせでは少し退屈してきたみたい……」という時に試してみるのはいかがですか?
保育のねらいは?
導入で使われることが多い「スケッチブックシアター」。
導入でのねらいはズバリ「子ども達がなんだろう?やってみたい!おもしろそう!」を引き出せること。
次への活動の見通しになるように、「導入」の考え方は以下の記事も参考にしてみてくださいね。
◆関連記事◆
・ここだけは押さえたい!保育の活動のねらいと導入のポイント
【基本】超カンタン♪な作り方
初代ほいくらいふ編集部が「スケッチブックシアター」の作り方・演じ方を教えちゃいます。
しかけの無い、一番シンプルなシアターのつくり方です。
表面だけに描くのがポイント
スケッチブックはどのページも表だけ使います。裏には何も描かずに作っていきます。
例えば、1ページ目は猫のイラストを描きます。
2ページ目には魚の絵を描きます。
色塗りのコツ!
とっても簡単なこのシアターですが、「色塗り」だけはちょっぴり大変。
スケッチブックに色を塗る工程をもっと楽にする方法を調べました!
広範囲もラクラク塗れること。
そして、少し離れた子ども達にも見えるように淡い色より、ハッキリとした色になることが大切ですね。
以前、ほいくらいふでも取材した元幼稚園教諭のイラストレーター・イシグロフミカさんが「スケッチブックシアター」にもぴったりの画材を紹介されていました!
コピック
プロの漫画家が使う道具ですが、鮮やかな発色と塗りやすさがバツグンです。
くるりら
クレヨンの描き味の良さは活かしつつ、細かいところも塗りやすい・手が汚れないのが嬉しいポイントですね。

広い範囲は塗るのではなく色画用紙や包装紙をカットして使ってみても! 時短の裏ワザです♪
演じ方~クイズ形式で楽しもう~
それでは先ほどの「スケッチブックシアター」を使って、演じ方を見てみましょう。
最初はスケッチブックの何もない所を見せながら鳴き声を出して、ニャーニャーニャー
「あれ? 誰の声?」と子どもたちに聞きながら、クイズを楽しみます。
「あ、猫さんだ!」と声をかけながら、ページをめくり猫を見せます。
「あれー?猫さんお腹がすいているみたい。みんな猫さんは何が好きなのか知ってる?」と連続してクイズを楽しめます。
「正解は、おさかなさーん! 魚がはねてぴょーん」と子どもの知っている手遊びの歌を少し歌ってあげるとイメージがわきやすいですよね。
この遊びのまとめは「ねこさんておさかなさんが好きなんだねー」と他の動物に興味を持ったり子どもたちの周りの世界を伝えていく方向にもっていくといいと思います。
いろんな動物の大好物を描いて子どもたちが覚えてくれたらうれしいですよね。
◆関連記事◆
・『さかながはねて』の手遊びを楽しもう~動画とアレンジ付き~
【応用】これだけでOK!しかけの作り方
スケッチブックシアターは仕掛け(しかけ)を作るのも簡単です。
ちょっとの工夫で子ども達がもっと楽しめるようにしましょう♪
簡単にできるしかけは「穴をあけるだけ」というやり方。
たとえば、窓を形どって四角に穴をあけたり、丸く穴をあけて虫眼鏡や保育者の顔を出せるようにしたり……。
穴が開いているところから次のページの一部分が見えるのがおもしろいですね。
題材を選ぼう~歌や絵本からヒントを~
題材選びで気を付けること。
まずは子ども達の発達にあったものを選びましょう。

乳児さんであれば、なじみのある動物が次々と出てくる単純なもの。
幼児さんであればクイズ形式やストーリー性のある物語も良いですね。
そして、パネルシアターの特製を活かした人気の題材は「問いかけ→子ども達が考える・答える」展開が多い傾向にあるようです。
では、保育士さん達に人気の題材を実演動画や作品例と共に見てみましょう。
「どんな色がすき」
坂田修さん作詞作曲で、おなじみの人気曲。
こちらの動画では、最初に「色のお名前知っている?」と問いかけをしていますね。導入~おしまいまで参考になります。
色付きの付せんをつけておくことで、めくりやすくなっているのもナイスアイデアです!
こちらでご紹介したのは、元保育士であり幼稚園教諭や地域子育て支援士のたっちーさんのハッピーシアター。
同じく着せ替えスケッチブックシアターの『したくはできたかな?』やブログもステキなのでシアターのネタや演じ方に困った時はぜひ、覗いてみてください!
「きれいなお窓」
「きれいな お窓の 小さなおうち ハテナ どなたの おうちかな?」
そんな問いかけと共に窓を開いてみてください。
チラリとヒントを見せるとまた盛り上がります!
「扉」や「開く」をモチーフにした題材として「くいしんぼうのおばけ」も同じく人気ですね。
◆詳細はこちら◆
・スケッチブックシアター~きれいなお窓~
絵本『ぼうし とったら』
アーティスティックで参加型の絵本が人気のtupera tuperaさんによるしかけ絵本『ぼうし とったら』を応用する保育士さんも多いようです。
スケッチブックの上部を残して切ることで、「着せ替え遊び」のようになります。
◆詳細はこちら◆
・スケッチブックシアター~変身ぼうし~
みなさんが作った保育教材のアイデアもお待ちしてます。
作った制作を投稿してアイデアの共有をしましょう♪自分の制作記録として残すこともできます!
↓投稿はこちら↓
市販のスケッチブックシアターで気軽にチャレンジ
「どうしても絵を描くのが苦手…」
「忙しいけど簡単にできるシアターが欲しい」
そんな方は、スケッチブックシアターの既製品を買うのも手段ですね。
手作りでなくてもみなさんの愛情は十分伝わります♥
こちらの動画は演じ方のポイントもついており、勉強になります。
最後に
子ども達が大好きなシアターの中でも、手軽さが人気のスケッチブックシアター。
スケッチブックは100円ショップなどでも売っているので簡単に手に入るのも嬉しいですね。
シアター初挑戦の方もぜひ作って、実践してみてくださいね。
参考文献
- 花輪 充(2010)「学保育科・児童学科における幼児の表現活動に関する授業プログラムの研究 : “統合的表現活動”としての取り組みより」『東京家政大学研究紀要』50(1): 19-29.
“簡単!手作り!スケッチブックシアター:保育にピッタリ題材6種としかけの作り方” への1件のコメント
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