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保育園の「自由遊び」、なぜ大切?‐ 子どもが遊びから学ぶこと ‐

こんにちは、元保育士・保育園園長のクーミンこと眞田 久美(さなだ くみ)です。現在は、保育士向けの研修やカウンセリングなどを行っています。今回から「子どもは遊びから何を学ぶの?」をテーマに、3回シリーズでコラムを書かせていただきます。1回目の今回は、「自由遊びで見えること」です。

自由遊びを通して、子どもの成長を見るには

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以前も書かせていただきましたが、集団保育では、自由遊びという時間が必ずあります。
自由遊びは、何をする時間でしょうか?
保育士(幼稚園教諭含む)ならばご存知だと思いますが、ほとんどの保育士は、
「子どもが好きな遊びを選択する」、「子どもの興味や関心を知る」や「その日の子どもの心身の状態を知る」などのお答えになるのではないかと思います。

もちろん、その通りなのですが、その自由遊びの時間に、遊びを通して子どもの成長を見ることも、重要な保育の一つなのです。
具体的には、どのようなことなのでしょうか。

自由遊びの意味・目的は、「自由に遊ばせること」じゃない!

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文字通り、自由遊びの時間は、子どもたちが自分の好きな遊びを選んで、好きなように遊ぶ時間です。
室内であれば、ごっこ遊び、お絵かき、工作、絵本、ブロックや積み木など。
園庭であれば、固定遊具(ブランコ、滑り台、鉄棒など)、砂場、ボールや縄跳びなどの運動器具などを自由に選び、遊ぶ時間です。

もちろん、好きな遊びを選んで遊ぶということは、楽しむが前提ですが、それぞれの遊びからの学びを認識し、子どもの心身の成長の手助けをすることが保育の仕事です。
勘違いされやすいのですが、決して、自由に遊ばせることが自由遊びの意味や目的ではありません。
自由遊びは、子どもの自己表現や自制心、社会性を学ぶ手段の一つです。
それでは、自由遊びから学べることを考えてみましょう。

好きな遊びを選び、遊べることは「学び」であり「自己表現」

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そもそも、自由遊びで好きな遊びを見つけ、遊べることが、既に学びです。
家庭以外の場所で、遊びたい(関心のある)物を見つけ、選択することは、自己表現の一部です。

保育士の皆さんも経験があると思いますが、気になる遊具があるけれど、取りに行けない、(使いたい)と言えない、行動できないなど、好きな遊びを選ぶという気持ちを出したり、行動したりすることが難しい子どももいるものです。
もし、そのような子どもがいたら、言葉がけをしたり、関心のありそうな遊具を子どもの処に持ってきて「〇〇ちゃん、これで遊びたいの?」と、気持ちを代弁したりして、遊びを促したりしますよね?

そして、そのような言葉がけを繰り返し、その子が自ら、好きな遊具を手にして、遊べたら、それだけで自己表現の第一歩となるのです。

自由遊びの時間に、保育者が注意したいこと

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【ケンカを始めたら】

自由遊びでは、子どもが一番素を出しやすい時間です。
したがって、見たもの、聞いたこと、感じたことに対して、感情を出しやすい環境にあります。
反面、年齢によっては複数の子どもたちが同じ場所にいると、気持ちにずれが生じ、ケンカになりやすくなるものです。

そのようなケンカが起こること自体は悪いことではなく、むしろ大きな学びの時です。

ケンカをすることで、
人との関わり:相手のこと(気持ちなど)を考える、思いやることなど、認め合うこと(配慮など)
社会性:ルールを作ること、守ること(協調性)など
自己表現、自制心:(年齢にもよるが)自分の思いを表現する、考えを言葉にする、自分の気持ちをコントロールする
など相手を意識することが学びになります。
そして、5,6歳児になると、どうすれば、その問題を解決できるかを考える機会になり、問題解決力や判断力の育ちにもつながっていきます。

そのためには、ケンカをしないようにさせることよりも、ケンカをしてしまった時に、何を学んでほしいのかを保育士が認識していることが重要です。

【いじめの芽を摘む】

ただし、気をつけたいことは、嫌がらせをすること。いわゆるいじめにつながる言動です。
ケンカは、双方の意見が異なることが火種になって始まるものですが、いじめは一方の意思で意図的に相手を不快にすることから始まります。 

3,4歳では、相手を意識することで精一杯なので、自己表現の一つとして、遊具を取り合ったり、思うようにならないことを言葉ではなく、叩いたりして自己主張してしまったりすることがありますが、5歳位になってくると、自分の意思をぶつけるだけでなく、友だちを多面的に評価するようになります。 そして、自分の意思をぶつけやすい友だちに一方的にぶつけていくことで、自分が安心し、相手が不快になっていきます。それがいじめです。
自由遊びの時間は、素を出しやすいので、そのようなことが起こりやすい環境でもあるのです。
保育・教育にたずさわる人は、そのような時間にこそ、子どもたちの言動にアンテナをはって見ていることが重要です。

また、一方的ではなく、互いにふざけ合っている中で、相手を不快にさせるようなことを言ったり、していたりする時は注意してみていなければなりません。
その不快の度合いを超えた方は、最早、ふざけではなく、いじめられていると感じてくるのです。
どのタイミングで、大人が仲裁に入るべきかは、見ていないとわかりません。
遊びに関わりながら、子どもたちの言動を常に気にしていただきたいと思います。

自由遊びは、子どもの「安全教育」に最適

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一番素を出しやすい状態ということは、ハメを外しやすくもなります。
遊びの中で危険がないように、遊具の使い方や入ってはいけない場所、危険な物などを事前に話しておくことも、安全教育という学びです。

安全は、管理する側の責任でもありますが、安全のために何もかもを禁止にするのではなく、
子どもたちに安全に対する教育をすることで、自ら危険を察知し、回避する力を育てることにつながります。

そして、子どもたちが遊びの中で、危険(何か違う)と感じたこと、気づいたことを言葉にできるようにすることも、安全教育なのです。

保護者も喜ぶ!自由遊びを成長の記録に活かそう

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自由遊びは、学びの宝庫です。
年齢によって、学ぶことは異なりますが、ただ、〇〇で楽しく遊べましたではなく、その遊びを通じて、何を知った、学んだのかを記録しておくことが大切です。

特に、乳児クラスの場合は、園によって名称は異なりますが、「連絡ノート」などに日々の園での様子を記録することがあると思います。
その際に、遊んだこと(行ったこと)だけを書くよりも、その遊びを通して知ったこと、できたこと、学んだことを書き留めておく方が、成長をみることができると思います。

例えば、園庭で固定遊具での遊びで、
「お友だちと順番にブランコに乗りました」や
「ブランコを待っている時に10まで数えていました」
などと添えるだけで、保護者は、(順番に遊べるようになったのね)、(10まで数えられるのね)など、精神的な成長を知ることもできるのです。

子どもたちは自由遊びを通して、心身ともに成長します。
保育士が、学びを意識した自由遊びの意義を認識することで、保育の観点が広がるのです。

このコラムが、少しでも保育士の皆様の心を軽くでき、お役に立てれば嬉しいです。

クーミンのブログはこちら
≫『言葉が心を育てる…保育・教育ティーチャーサポーターの思う”こころ育て”』

クーミンは保育者向けのセミナーなども行っています。
≫『K.Sティーチャーズマインドサポート』

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この記事を書いた人

クーミン
K.Sティーチャーズマインドサポートを主宰。元保育士、認証保育園園長としての経験を活かし、保育サービス企業や派遣会社の保育士研修、保育士個人向けのカウンセリングなどを行っています。保育士の皆さんが自分の保育観を持てるように、そしてコミュニケーション力アップにもフォーカスした保育のヒントをご紹介させていただきます。→ウェブサイトはこちら
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