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絵本とこころ育て -子どもが遊びから学ぶこと③-

コミュニケーション

クーミンクーミン

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こんにちは、クーミンこと眞田 久美(さなだ くみ)です。
保育士、園長を経て、保育サービス企業にてスーパーバイザーや教務関連業務や研修を行っておりました。現在は、フリーランスで保育士向けの研修やカウンセリングなどを行っています。
「子どもは遊びから何を学ぶの?」の3回目。今回は、「絵本とこころ育てです。」

今、読み聞かせが大切なワケ

相手の表情を見る機会の減少による想像力の低下

 

 
現代は、スマホアプリ、SNS、電子ゲームなど、コミュニケーションもデジタル中心の時代。
もちろん私も愛用していますし、便利で情報共有も早いので重宝しています。
しかし、反面、相手の表情や言葉の背景にあるもの、状況を考えたり想像したりする経験が少なくなっていることに危機感を感じています。

そして、そのデジタル社会に子どもたちも様々な場面で関わるようになり、子どもの世界にも影響が生じているように思うのです。

例えば、子ども同士のけんか。
最近の子どもたちのけんかを見ていると、相手の出方をよむ(みる)ことをしない気がするのです。 
相手が、一つでも自分の思いを違う反応をした時点で、Xをつけてしまう。
そして、否定する行動(ある意味、自分を正当化するための防御)に出てしまいます。

これは、相手の表情を見る機会が少なくなっていることが要因となっている気がします。

アナログなコミュニケーションを大切に

 

 
リアルタイムでのネットコミュニケーションの普及で、瞬時に会話ができたりすることで思いや感情の動きよりスピードが求められたり、
ネットやアプリから、莫大な情報が得られたりすることで自ら考えを生み出す時間が不要になってしまったり、自分の心のうちを探る時間も含め、相手の表情を見て、相手の心のうちを探る経験が少なくなってしまっていると思うのです。

せめて、乳幼児期~小学校低学年までは、顔を見て会話をする、人の声で読み聞かせをする、視覚的なゲームではなく、数人でボードゲームなど手を動かすゲームをするなど、アナログなコミュニケーションを大切にした方が良いと思うのです。
私が以前、幼児や小学生のプリスクールやアフタースクールの運営にたずさわっていた頃、子どもたちにはできるだけ視聴覚教材を使う時間を少なくしていました。

その分、先生方にはたくさんしゃべってもらいましたが(笑)、その当時の子どもたちは子ども同士だけでなく、先生たちとの会話にも、相手の気持ちや様子の変化に気づく敏感さがありました。

読み聞かせは、何が良いの?

 

 
絵本や本の読み聞かせは、良いとわかっていても、何が良いのかわからないという方もいます。

特に大人(保育、教育に携わる方も含め)は、読むもの、読むこと(読まなくては・・という義務感)にばかり、気を取られてしまい、その根本的な効果にあまり期待していません。
しかし、今だからこそ、人による、人の声での読み聞かせが子どもたちには必要なのです。

私が個人的に読み聞かせを薦める理由は、

*ペースを読み手が決められる
 →子どもの表情や思いを感じながら読めるので、一方的にならない(聞き手が受身にならない)

*読み手の感情が聞き手に伝わる
 →感情を共有したり、反対に人によって受け方の違いに気づける(いろいろな思いを
  認める心を育てる)

*読み手と聞き手(特に親子)とのコミュニケーションの時間を確保できる
 →共通の時間を持つ。どんなに忙しくとも、この10~15分の時間が親子の絆を深める

読み聞かせは、読み聞かせるだけではなく、聞き手の反応や思いの動きが大切です。
聞き手である子どもたちの心の動きを読み聞かせで、読み手である保育士が読み取る大事なひと時でもあります。
そして、そのためには、子どもたちに直接、接している保育士自身(だけでなく、読み手)がその時間を楽しむことが先だと思うのです。
読んでいる先生が、ワクワクしながら、感情を表して読んでくださることで、子どもたちの心が動くのです。 
教育は、心を動かして行動させることと私は思っています。
 

絵本を選ぶ?どう使う?

 

絵本を選ぶ時、様々な推薦本や書評などから、選ぶことも一つですが、まずは読み手である先生(家庭では親御さん)が読んでおもしろい!と思った作品や感動したものを選びましょう。

読み手が関心を持って読むからこそ、子どもたちに、その思いが反響します。
「絵本」を通して、先生や親御さんの気持ちが変化することでお話を聞く、子どもたちも集中して、引き込まれていくはずです。

そして、聞き手の思いや考えをアウトプットさせることも大切です。

幼稚園・保育園の読み聞かせの時間などを見ていると、(日本の子どもたちは静かだな・・・)と思うことがあります。
もちろん、聴いている時は「静かに聞きましょう」なのでしょうけれども、読み終わった時も静かに去っていきます(笑)

なぜ、そう感じたのか・・・。
私は、カナダの日本語学校で幼稚科の子どもたちに日本語教えていたことがあるのですが、彼らは、絵本を読んでもらっている時に感情を表情だけでなく、言葉に出したり、何か聞きたいことがあると手を挙げて、「聞いてもいいですか?」と尋ねてから聞くことがありました。
そして、読み終わってからも口々に自分の思ったことやわからなかったことを聞いてきたりしたものでした。

日本の子どもたちは、読み手が「お話し、どうだった?」とか「何が出てきた?」など、問いかけをすれば答えるのですが、自分から思いや疑問点などを言い出す子どもがあまりいないように思うのです。

読み聞かせとして、静かに聞き、子どもがそれぞれの中にそれぞれの感情を持つ(考える)機会を持たせることも大切ですが、それとは別に 自分の思いや感情、考えを口に出させるという時間をもっと作るとよいのではないかと思います。
ぜひ、読んで聞かせるだけでなく、気持ちや考えをアウトプットする機会を設けてみてください。
 

絵本の効果はオールマイティ

 

 
絵本は、幼稚園・保育園でも、またご家庭でも、子どもたちの情操教育の一環として使われる教材の一つです。
もちろん、教材としてでなく、「本(お話し)が好きだから」、「絵(イラスト)が好きだから」という理由で読まれる方や集めていらっしゃる方もいると思います。

そんな世界中で愛される「絵本」は、様々なことを学ぶことができます。
*言葉を覚える
*感情の表し方を覚える
*自然や科学の不思議さを知る
*社会の仕組みを知る
*人と人とのコミュニケーションの仕方を知る
*世界のことを知る
などなど・・・。

書き出したら、キリがありません。
そこで、子どもたちに読み聞かせをする時は、
ぜひ、一つテーマを決めて、読み終えた時に「問いかけ」をしてください。

例えば、「感情」というテーマであれば、話の中の一場面を取り上げて、
「○○(登場人物・動物)が、△△に何て言ったんだっけ?」
「もし、君たちが、そう言われたら、どう感じる?」
「そう感じたら、どうする?」
「そう言ったら、相手はどう思う?」 など、少しずつ、堀り下げて問いかけてください。

子どもたちに、話の内容を自分に置き換えて、想像しながら、冷静に、客観的に、感情を表す経験をさせていきます。
また、絵本を通して、子どもたちに、どの分野(幼児教育用語で学習領域)を学ばせたいのかを意識して、絵本を選択し、問いかけをするようにしてみましょう。
子どもの反応で、一人一人の興味関心も見えてくると思います。
 

子どもの心を育てるのは先生

 
 
 
先ずは、先生自身が気に入った絵やストーリーを選ぶことから始めてみましょう。
先生が、笑ったり、泣いたり、怒ったり、悲しんだりしながら読むお話に、子どもたちも興味をもち、その心を探ろうとするはずです。
そして、その感情を共有することは、心育てには大変重要なことなのです。
先生である前に、一人の人として、感情豊かなあなたの心が子どもたちの心を育てていくのです。
 
 
クーミンのブログはこちら
≫『言葉が心を育てる…保育・教育ティーチャーサポーターの思う”こころ育て”』

クーミンは保育者向けのセミナーなども行っています。
≫『K.Sティーチャーズマインドサポート』
 

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コメント

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    ホエールさん(2017年1月13日)

    絵本の大切さを再度確認できました!
    我が子にも、教え子にも、たくさんと愛のある読みをしてあげたいと思いました(^^)

    • 匿名さん(2017年1月13日)

      ホエールさん、コメントありがとうございました。

      読み手が、おもしろい!と思うお話、すてき!と思うお話、子どもにも知ってほしいお話、など、読み手の思いが大切ですよね!

      (読み聞かせしなきゃ)とか、(みんながいいって言うから・・)と無理をすることはないと思います。

      気に入ったお話を、自分の思いのままに、気持ちを出して読むことで、子どもたちにも、その思いが伝わります。

      様々な感情を楽しみ、受け入れること大切ですね。

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この記事を書いた人

クーミン
K.Sティーチャーズマインドサポートを主宰。元保育士、認証保育園園長としての経験を活かし、保育サービス企業や派遣会社の保育士研修、保育士個人向けのカウンセリングなどを行っています。保育士の皆さんが自分の保育観を持てるように、そしてコミュニケーション力アップにもフォーカスした保育のヒントをご紹介させていただきます。→ウェブサイトはこちら
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