ログイン登録

明日の保育がもっと楽しくなるサイト

メニュー
  • ホーム
  • >
  • コミュニケーション
  • >
  • ニュージーランド流保…

    ニュージーランド流保育に学ぶ!アクティブ・ラーニングで「生きる力」をはぐくむ ①「保育園からALを取り入れる必要性」

ニュージーランド流保育に学ぶ!アクティブ・ラーニングで「生きる力」をはぐくむ ①「保育園からALを取り入れる必要性」

  • コミュニケーション

  • ERIKO

最近、教育関連のニュースでもよく耳にするようになった「アクティブ・ラーニング」。
中央教育審議会の次期学習指導要領に盛り込まれたことで、日本でもこの言葉が急速に注目を浴び始めました。
筆者の住むニュージーランドでは、アクティブ・ラーニングは学校教育だけでなく幼児教育でも早くから実施されており、子どもたちの主体性・思考力、すなわち「生きる力」をはぐくむ教育法としてすでに定着しています。
今回の連載では、ニュージーランドの保育園でアクティブ・ラーニングがどのように機能しているかについて、筆者のニュージーランドでの子育て経験や、現地の保育園でのボランティア活動に参加された保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の方たちの体験や気づきをもとに考察していきたいと思います!
連載第一回目の今日は、保育園でアクティブ・ラーニングを取り入れる必要性についてお話します。

そもそも、アクティブ・ラーニングって何?

「アクティブ・ラーニング(以下AL)」って言葉は聞いたことはあるけれども、実はよく知らないという方も多いかもしれません。ここでは、まずALについて簡単に説明したいと思います。

ALとは、教員から学生へ一方的に知識を伝達する講義形式ではなく、学生自らが能動的に参加する学習方法の総称で、体験学習やグループ討論などがこれに当たります。ALの視点は「主体的・対話的で深い学び」とされています。
簡単にいうと「自分で考えたり仲間と話し合ったりする経験を通じて、問題を発見し、問題解決を行う力を養う」ための学習方法です。

もともとは、アメリカで1980年代まで行われていた講義形式中心の授業の非効率性を見直そうと考えられた学習法で、日本でも大学では早々に取り入れられています。
しかし、小中高校とAL教育を受けてきていない学生が、大学に入った途端「活発に討論に参加しろ」と言われたところで、そう簡単にできるはずもありません。
そうでなくとも、日本の学生は他の先進諸国の学生に比べて学力こそ高いものの、「考える力」「応用力」が足りないとは、今までも指摘されてきました。
今後ますますグローバル化が進む中、新しいアイデアを生み出す能力を持つ21世紀型人材養成を目指すべく、中央教育審議会はALを次期学習指導要領に採用。
小学校では 2020 年から、中学校 は2021 年、高校では 2022 年から実施される予定となっています。

なぜ、幼児教育からALが必要なの?

ここまで読んで、「小中高校はともかく、本当に保育園からALを取り入れる必要があるの?」と思われた方もいるかもしれません。
この疑問に関しては、幼児教育をそれに続く小中高校教育の基盤と考えることで、ALを保育園から取り入れることの必要性を理解していただけるかと思います。

●小学校でのAL失敗例とその原因

ここでは、すでにAL型授業を実施している神奈川県で小学校の教員をされているNさんからお聞きした、よくあるAL失敗例をもとに考えてみたいと思います。

【よくあるAL失敗例】
実験でも討論でも、グループ内には参加に積極的な生徒と消極的な生徒が必ず存在して、結局、積極的な生徒だけが課題をこなし、消極的な生徒は何もやらないで終わってしまう。

積極的な生徒のみがALの恩恵を受け、消極的な生徒はその恩恵にあずかれない。
つまり、「失敗の原因は授業の参加に消極的な生徒がいることにある」ということのようです。
そうであれば、「消極的な生徒」を「積極的な生徒」に変える方法、あるいは、そもそも「消極的な生徒」を作らない方法を考えれば、上の問題の半分以上は解決するわけです。
(*上の失敗の原因に関して、「本当に消極的な生徒は恩恵にあずかれなかったのか?」という疑問は大いに残りますが、こちら関しての考察は今回の論点「なぜ、保育園からALを取り入れる必要があるのか?」から外れてしまいますので、次回以降に回したいと思います。)

●積極的になれない理由に焦点を当てる 

 
そのために、まず、授業の参加に消極的な生徒が積極的になれない理由を考えてみると、概ね以下の4つになるのではないでしょうか。

① もともと消極的な性格で、人前で発言するのが苦手である。
② 課題の内容が自分の興味のない分野である。
③ 課題をこなすために必要な知識・能力を持ち合わせいない。あるいは課題を進行させる過程がよく理解できない。
④ 「間違うのが怖い」「反対意見を言われるのが怖い」という感情があり、発言ができない。

①については別のアプローチを考える必要がありますが、②〜④の理由で消極的になっている場合は、その原因を取り除くことができれば「消極的な生徒」が「積極的な生徒」に変わる可能性は高いはずです。
なぜなら、これらの学習及び他者との関わりにおける態度は、幼児期からの親の接し方、幼児教育を含む教育全般のあり方が大きく関係しているからです。
このことは、海外生活を経験したことのある多くの人が「日本人は外国人に比べて『消極的』である」と感じているという事実からも明らかだといえるでしょう。
①のような「もともと消極的な性格の人」の数が国籍や民族によってそれほど違うとは考えにくいですので、この差を作っているのは幼児期からの環境及び教育であると考えるべきです。

逆説的にいえば、幼児期から子ども一人一人が自分の中に本来持っている積極性を十分に発揮できる環境を作ってやることで、「消極的な生徒」の数そのものを減らすことできるということです。
そして、それを実現させるために、幼児教育におけるALが有効になるのです。

●幼児教育におけるALの効果

では、いったいどのようにALが幼児期の子ども効果を及ぼすのでしょうか?それぞれのケースについて考えていきたいと思います。

①への効果

ALの視点はすべての子どもに自己肯定感の形成を促します。
幼児期に自己肯定感をしっかり形成できた子どもは、「積極的」であれ「消極的」であれ、その後の学びもスムーズにいく傾向があるようです。

②への効果

人間には好みがありますので、興味のない分野があって当然です。そうであれば、科目の選択肢を増やして自分の興味・関心のある分野の勉強ができるような工夫する必要があるように思います。
ALの自分が主体となって学ぶ(「主体的な学び」)体験を通して、今まで興味のなかった分野にも興味が湧いてくることも多いものです。
幼児期からそのような経験をたくさんすることで、興味・関心が広がりやすくなります。

③への効果

本来であれば、生徒がグループ内の理解できている生徒に「わからないから教えて」と助けを求めることである程度は解決できるはずです。実際、グループ学習の目的の一つはこれだと言ってもよいでしょう。
ここで問題なのは、生徒の多くが「他の生徒はわかっているのに自分にはわからないという事実」を知らせることをためらうということです。
その根底にあるのは「わからないことは恥」「わからない自分はわかっている他者よりも劣っている」という認識です。
幼児期からALに慣れ親しみ、他者との対話や協働を通じて学びが深まること(「対話的で深い学び」)の楽しさを経験した子どもであれば、「わからないことがあってもよいし、わからないからといって自分が他者よりも劣っているわけではない」ことを知っています。
彼らはわからなければ「教えて」と容易に他者に助けを求めることができ、ゆえに、学びを深めていけるのです。

④への効果

幼児期にALを通して「みんなと同じである必要はない」「人間はみんな違って当たり前」で、「お互いの違いを認める」という考え方を身につけることができていれば、ALを体験していない場合に比べて、反対意見を言われることに対する恐怖心は小さなものとなとなるでしょう。

まとめ

筆者は高校留学生のサポート業務も行っていますが、日本では消極的だった生徒が、ニュージーランドに来て「自分はできない…」という自己否定感や「反対されたらどうしよう…」という恐怖心を取り除けたことで、人が変わったように積極的に行動できるようになるケースを何件も見聞きしました。
そういった事実を考えると、積極性を阻んでしまうこれらの感情を身につける前に学ぶ楽しさを体験できることが、幼児教育からALを取り入れる最大の利点だといえるのではないでしょうか。

もちろん、ニュージーランドでも教員の力量不足などによりALがうまく機能していない例もたくさんありますが、少なくとも幼児教育からALを取り入れ、子どもたちが「主体性・多様性・協働性」を身につけることで、子ども自身が小学校以後のAL型授業で自分の能力を最大限に伸ばせるようにするための基盤ができているように感じます。
次回からは、ニュージーランドの保育園ではどのようにALが取り入れられているのかについて、具体的な事例なども交えながら紹介していきますね!

ニュージーランドの保育・教育に興味のある方へ 〜お知らせ〜

筆者が代表を務めるBlue & Green NZ Limited では、海外の保育・教育に興味がある方を対象に、ニュージーランドの保育園・小学校のボランティア活動を手配しています。
ボランティア参加に興味はあっても、大手エージェント主催の高額な参加費用を見てあきらめてしまう方が多いという事実に憂いを感じ、より多くの方たちに参加いただけるよう、格安の料金で手配させていただいています。大手エージェントのような至れりつくせりのサービスは提供できませんが、「自分でできることは自分でやってみよう!」という意欲のある方たちを応援したいと思っています。
ご興味のある方はこちらのHPをご覧ください。

【参考】
・雑誌「教育」No.850 2016年11月号 特集「アクティブ・ラーニング!?」
グローバル教育 気になるキーワード VOL.4 アクティブ・ラーニング

スポンサーリンク

合わせて読みたい

新着一覧

ライター記事一覧

関連するキーワード

コメント

コメントをどうぞ

この記事を書いた人

ERIKO
1999年にニュージーランドに移住。 ニュージーランドでの子育て経験を通して、子供の主体性・思考力を育てるバランスのとれたニュージーランドの教育に感銘を受けました。そんなニュージーランド流保育・教育について、日本のみなさまにもご紹介したいとの思いから、 2011年にBlue & Green NZ Limited を立ち上げ、 現地の保育園や小学校でのボランティア活動の手配業務を開始。グローバル化が叫ばれる今、より多くの方に、英語力はもちろん、国際的な価値観や感覚を身につけて視野を広げるお手伝いができればと願って活動しています!→ウェブサイトはこちら
あそび 行事・催し物 コミュニケーション 学びとキャリア その他

オススメサイト

サービス一覧
/
/