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    ニュージーランド流保育に学ぶ!アクティブ・ラーニングで「生きる力」をはぐくむ ②「子どもの主体性を育てる環境とは?」

ニュージーランド流保育に学ぶ!アクティブ・ラーニングで「生きる力」をはぐくむ ②「子どもの主体性を育てる環境とは?」

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本連載第一回目「保育園からアクティブ・ラーニングを取り入れる必要性」では、幼児期におけるアクティブ・ラーニング(以下AL)型体験が、その後の小中高校でのAL型授業への参加を円滑にする可能性についてお伝えしました。
保育園からALを取り入れるといっても、何も幼児にグループ学習や討論をさせたりするわけではありません。ニュージーランドの保育園では、ALの視点の「主体的・対話的で深い学び」のうち、特に「主体的な学び」の部分に主眼に置いています。
第二回目の今日は、ニュージーランドの保育園で徹底されている、子どもの主体性を育てる環境についてお話します。
(*尚、今回の記事では、信州大学の科目履修生として北欧の教育・AL・幼児の発達などについて学んださやかさんが、ニュージーランドの保育園でボランティアをした際の気づきを参考にさせていただいています。)

自分のプランに沿って遊ぶ(学ぶ)子どもたち

ニュージーランドの保育園での様子は、日本のそれとはまったくといってよいほど違っています。
日本の保育園でよく見られる「お歌の時間」や「お絵かきの時間」、「外遊びの時間」といった、みんなで一緒のことをする時間というのはほとんどなく、一日の大半が自由遊びの時間なのです。
保育士がプログラムを用意して子どもたちに遊び(学び)を紹介することはあっても、基本、保育士が主導権を握ってプログラムを進行させることはありません。

ここでは、子ども一人一人が主体となり、自らの興味・関心に基づいて、自らが「どんな遊び(学び)を・いつ・誰と・どれくらい(の時間)するのか」についての決定を行うのです。
このような環境で子どもたちの行動をよく観察していると、子どもはただ思いつくままに遊んでいるのでなく、それぞれが自分の中に遊び(学び)のプランを持っていることが、下のさやかさんの気づきからもよくわかります。

【さやかさんの気づき】
子どもたちが、一つの遊びが完了するまではその場を去らないことが印象的でした。途中、お友だちとのおしゃべりなどで遊びが一時中断されることはあっても、それが一段落するとまた自分の遊びに戻っていく。そして彼らの中にあったプランが完了すると、その場を去り他の遊びに移っていく様子が面白いほど明らかに見られ、とても興味深かったです。

子どもは自分の興味・関心のある遊び(学び)をしてるので、集中力がびっくりするほど長く続くことも、大きな特徴です。

保育士の役割

ニュージーランドの保育園での保育士と子どもたちの関係性についてお話します。

子どもを一人前の人間として尊重する!

保育士は、室内でばかり遊んでいる子どもがいても外で遊ぶように促したりはしないし、一つの遊びだけを繰り返している子どもを他の遊びに導くようなこともしません。
だからといって、それぞれ自由に遊んでいる子どもたちを、ただ眺めているというわけではありません。
ここでの保育士の役割は、子どもの行動をよく観察し、それぞれの違いを認め、分析する。
そして、子どもに気づきを促し、子どもの遊び(学び)が広がるようにサポートする、いわばカウンセラーでありコーディネーターのような存在です。

保育士は子どもを、無力で大人の助けなしには何もできない存在として世話を焼くのではなく、思考力も判断力も持つ一人前の人間として扱い、それぞれの意志・決定を尊重します。
これにより、保育士と子どもの信頼関係が深まることはもちろん、子どもは、自尊心や自己肯定感を形成していくことができるのです。

子どもは、自分が尊重されることにより他者を尊重することを学ぶ!

下の、英会話講師として子どもたちに教えていた経験もあるさやかさんが講師時代に感じていたことは、日本の保育士さんたちも同感できる部分もあると思いますので、ここでは、さやかさんの気づきをシェアしたいと思います。

【さやかさんが英会話講師時代に感じていたこと】
子どもに静かにさせること、ルールを守らせること、教師またはクラスメートの話を集中して聞かせることは非常に難しい。特に、子どもに今楽しんでいることを中断させて大人の指示に従わせることは、なおさら困難である。

さやかさんは、ニュージーランドの保育園でボランティア中、下のような子どもたちが保育士の指示をよく聞いている様子にびっくりしたといいます。

【保育士の指示をよく聞く子どもたちの様子】
①各々自由に遊んでいた子どもたちが、マットタイムの鐘がなるとさっと遊びをやめてマットに集合し、静かに座り、先生の話を静かに集中して聞いていた。
②おやつの時間が終わると、食器類を自分で下げ、フルーツの皮など生ごみを所定の場所に捨て、口の周りを鏡を見ながら拭き、各々の遊びにまた戻っていく。
※どちらの場合も、保育士に何度も注意されるということはなく、子どもたちが自律して動いているように見えました。

それまでは子どもらしく元気に遊んでいた子どもたちが、急に聞き分けの良い大人になったように行動する様子について、さやかさんは担当の保育士に質問しました。

【さやかさん(S)と担当保育士(L)との会話】
S:(自分の英会話講師時代の経験を話した後に)どうして子どもたちはあんなに静かに指示に従ったり、先生の話を聞くことができるの?
L:(う~ん…と少し考え)保育士が子ども一人一人についてよく知って理解しているからかな。その上で、日ごろから保育士がまず彼らの話をよく聞き、彼らのニーズを満たす手助けをしているからだと思う。だから彼らは「今うるさくしたら先生は嫌な思いをする」とか、「悲しがる」ってわかっているんだと思うよ。大人の側が子どもに対する配慮や思いやりを持つのが大切だね。

この経験を通して、さやかさんは以下のことに気づきます。

【さやかさんの気づき】
英会話講師時代の自分は、子どもを十分に尊重していなかった。授業を円滑に進めるために彼らを頭のどこかでコントロールしようとしていた。だから、同じ反応が子どもから返ってきていたのだと深く腑に落ちました。

子どもはもちろん、人間の態度や姿勢は環境次第で良くも悪くも変わります。自分が十分に尊重されると感じていれば、自然と自分も他者を尊重する姿勢を身につけることができるのです。

「主体的な学び」から自己肯定感が生まれる!

みんながそれぞれ自分の好きなことをして遊んで(学んで)いるニュージーランドの保育園では、子どもたちは他の誰と比べられるわけでもないし、比べる必要もない。そして、自分の意思・決定をしっかり尊重してくれる。
幼児期にそんな「主体的に学ぶ」体験をしたニュージーランドの子どもたちは、自己肯定感がしっかりと形成されて主体性を身につけることができるため、その後の学びに対しても積極的になれるのです。
それはすなわち、ニュージーランドの「子どもの個性を大切にする教育」にもつながっています。

ニュージーランドの保育・教育に興味のある方へ

筆者が代表を務めるBlue & Green NZ Limited では、海外の保育・教育に興味がある方を対象に、ニュージーランドの保育園・小学校のボランティア活動を手配しています。
ボランティア参加に興味はあっても、大手エージェント主催の高額な参加費用を見てあきらめてしまう方が多いという事実に憂いを感じ、より多くの方たちに参加いただけるよう、格安の料金で手配させていただいています。大手エージェントのような至れりつくせりのサービスは提供できませんが、「自分でできることは自分でやってみよう!」という意欲のある方たちを応援したいと思っています。
ご興味のある方はこちらのHPをご覧ください。

【参考】
・雑誌「教育」No.850 2016年11月号 特集「アクティブ・ラーニング!?」

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この記事を書いた人

ERIKO
1999年にニュージーランドに移住。 ニュージーランドでの子育て経験を通して、子供の主体性・思考力を育てるバランスのとれたニュージーランドの教育に感銘を受けました。そんなニュージーランド流保育・教育について、日本のみなさまにもご紹介したいとの思いから、 2011年にBlue & Green NZ Limited を立ち上げ、 現地の保育園や小学校でのボランティア活動の手配業務を開始。グローバル化が叫ばれる今、より多くの方に、英語力はもちろん、国際的な価値観や感覚を身につけて視野を広げるお手伝いができればと願って活動しています!→ウェブサイトはこちら
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