ログイン登録

明日の保育がもっと楽しくなるサイト

メニュー

保育園で子どもに英語を教える4つのポイント ~保育士が気をつけたいこと〜

  • 子どもとの関わり

  • ERIKO

昨今の急速なグローバル化に伴い、英語教育を取り入れる保育園も増えてきました。
保育園で英語を教えることの目的は子どもに英語を習得させることではなく、「英語を勉強するのが楽しい!」と思わせることです。幼児に文法を詳しく教える必要はありませんが、将来子どもが本格的に英語を習得したいと思ったときに混乱しないように教える必要はあると思います。
筆者自身は、ニュージーランドに移住して17年目になりますが、英語の習得には未だに苦労しています。
そんな筆者の経験も踏まえ、将来子どもが英語を取得しやすくなるために、保育士が気をつけるべきポイントについてお話します。

「ネコ=cat」と教えてはいけない

「りんご=apple」も同じことですが、なぜこれがいけないのかについて説明します。

「cat」「apple」などの単語は、単体では使われない

文章の中で「cat」という単語が単体で使われることはなく、一匹であれば「a cat」、二匹以上であれば「cats」という形で使われます。
「apple」も同様で、一つであれば「an apple」」、二つ以上であれば「apples」です。
最初に「a(an)」をつけるか最後に「s」をつけるかの違いだけなのですが、英語初心者の場合は特に、会話の中でこれらがなかなかスッと出てこないことが多いです。
きちんと「(一匹の)ネコ=a cat 」「(複数の)ネコ=cats」と教えましょう。

フレーズで教えた方が効果的

可能であれば、「(一匹)のネコ=a cat 」と単語で紹介するのではなく、たとえば一匹のネコが屋根の上にいる絵を見せながら「There is a cat on the roof!」というふうにフレーズで紹介した方が、実際の使い方が理解できるので将来役立つ可能性がグッと高まります。
複数のネコが屋根の上にいる絵であれば、「There are cats on the roof!」です。
このようにフレーズで英語を紹介することで、子どもは「a cat 」の場合は「is」、「cats」なら「are」を、屋根の「上」にいるのだから「on」を使うという英語のルールについても、理屈ではなく感覚として自然に覚えられます。
理屈で覚えたことよりも感覚で覚えたことの方が記憶に残りやすくなるので、この方法はかなりおすすめです。

日本語⇔英語の変換が習慣化してしまい、英語を英語として理解できなくなってしまう

中学高校と6年間、大学も含めると10年間も英語を勉強しているのにこれだけ英語が話せない日本人が多いのは、和訳・英訳中心の授業にあると筆者は確信しています。
筆者は翻訳の仕事もしますが、英単語一つ一つを日本語と対応させて訳してしまうと、日本語として不自然な文章になったり、まったく意味が通じなくなってしまうことも多いです。
「(一匹の)ネコ=a cat」くらいであれば特に問題はないですが、英語を習得するためには、英語を日本語に直して理解するのではなく、英語を英語として理解する必要があります。
保育園の英語の時間に和訳や英訳をさせることはないと思いますが、単語だけであっても日本語⇔英語に変換する癖は最初からつけない方が絶対によいです。
保育園では、「cats」という言葉を聞いた子どもが、「ネコ」という日本語の代わりに複数のネコのイメージが瞬時に思い浮かべられるようなるように教えてあげてください。

画像・映像を活用してイメージをつかませる

英語版のアニメ動画や英語の歌を活用すると、子どもは楽しみながら英語を覚えられます。ポイントは、上でも述べたように日本語には訳さずにイメージとして理解させることです。
「Twinkle twinkle little star(きらきら星)」であれば、「twinkle=きらきら光る」「little=小さい」「star=星」と一つ一つ単語の意味を教えるのではなく、星空の写真を見せるだけで十分です。
次に続く歌詞「How I wonder what you are.(あなたはいったい何なのかしら?)」も同じで、意味を教える代わりに星空を眺めて思いを巡らせている子どもの画像を見せればよいのです。
ただし、子どもが個々の単語の意味について質問してきた場合には、「How=(全文を強めて)なんて、いかに」「wonder=不思議に思う」と、きちんと説明してあげましょう。

和製英語の害を理解する

和製英語を多用することは、確実に子どもたちの混乱を招きます。
テレビでも日常会話でも、日本は和製英語のカタカナ言葉であふれかえっています。なまじ英語っぽく聞こえるものですから、それを英語だと勘違いしている人もたくさんいます。
しかし、実は英語には存在すらしない言葉だったり、存在はしても本来の意味とは違う意味で使用されていることも多いです。
筆者も、日本で数週間過ごしてニュージーランドに戻ってきた直後は、思わず和製英語が出てきて苦笑することがよくありますが、和製英語は使用する機会が多ければ多いほど正しい英語を学ぶ機会が阻害されるので注意が必要です。
以下、子どもとの会話でもよく使われる、英語圏では通じない和製英語をリストアップしました。

【英語圏では通じない和製英語の例】
和製英語 和製英語に当たる英語表現
(A)
英語表現でも違和感なし
シール a sticker
チャック a zipper
ジャンパー a jacket
ウィンナー a sausage
ホットケーキ a pancake
(B)
英語表現でも意味は通じる
ワンピース a dress
ペットボトル a plastic bottle
キーホルダー a key ring、 a key chain
ジェットコースター a roller coaster
トランプ cards
(C)
英語表現では意味が通じない
ホッチキス a stapler
コンセント a wall socket
(粉)ミルク formula
レンジ a microwave
ダンボール(箱) a cardboard box

正しい英語表現でも日本語として違和感のない(A)の単語については、保育園では英語表現に切り替えましょう。
(B)や(C)の英語表現を普段の会話に用いることは難しいですが、和製英語は「日本語」であることを認識させ、正しい英語表現を紹介してあげるとよいでしょう。(B)は日常的に使われるカタカナ言葉を含んでいますので、記憶に残りやすいと思います。
単語を覚えさせる必要はありません。英語では別の言い方をするということが分かるだけで十分です。

間違った英語の使い方に気をつける

長女が日本の小学校に体験入学中のこと。課題が上手くできたとき先生に笑顔で「OK!」と言われたといって首をかしげていました。その理由は以下の通りです。
「OK」にはいくつかの意味があって、そのうちの一つは日本でもよく使われる「了解」という意味です。
「今日公園に遊びに行かない?」と聞かれて「OK」と答える場合なら、日本語でも英語でも「了解」という意味で使われるので問題はありません。
しかし、「私の絵、上手に描けたと思う?」「今日の調子はどう?」と質問されたときに「OK」と答えたら、それは「悪くはないけど、良くもない」という意味になります。
レポートを提出した学生がその内容について先生に「OK」と言われたら、「ギリギリ合格」というニュアンスです。
日本では「OK=良い(Good)」の意味で使う人が非常に多く、長女の先生の場合も明らかに「Good」の意味で使っています。
そのため、長女は「①正解しているのにどうして『そんなに良くない』のだろう?②『そんなに良くない』と言っているのに、先生はどうして笑顔なんだろう?」と首をかしげてしまったわけです。
保育士が間違った使い方をしていると、子どもは間違いと知らずにその使い方を身につけてしまうので注意が必要です。
も一つ付け加えると、「素晴らしい」という意味で「Good」を使う日本人も多いですが、「Good」は「まあまあ良い」という意味になります。「素晴らしい!」と伝えたい場合は「Excellent!」「Wonderful! 」「Fantastic!」などを使います。

まとめ

海外の研究では、2か国語以上話せる人は母国語しか話せない人に比べて記憶力が良く、複数の処理を同時に実行する能力や問題解決能力に優れていると報告されています。
能力面以外でも、英語が話せると世界中のいろんな価値観を持つ人たちと直接話をすることができて視野が広がるなど、そのメリットは計り知れません。
ぜひ保育園では将来子どもが英語を習得する際の支障にならないように気をつけて英語教育を実施していただき、日本中を英語が大好きな子どもでいっぱいにしてほしいと思います!

ニュージーランドの保育・教育に興味のある方へ 〜お知らせ〜

筆者が代表を務めるBlue & Green NZ Limited では、海外の保育・教育に興味がある方を対象に、ニュージーランドの保育園・小学校のボランティア活動を手配しています。
ボランティア参加に興味はあっても、大手エージェント主催の高額な参加費用を見てあきらめてしまう方が多いという事実に憂いを感じ、より多くの方たちに参加いただけるよう、格安の料金で手配させていただいています。大手エージェントのような至れりつくせりのサービスは提供できませんが、「自分でできることは自分でやってみよう!」という意欲のある方たちを応援したいと思っています。
ご興味のある方はこちらのHPをご覧ください。

【参考】
Why speaking a second language can make you brainier: Bilinguals have ‘better memories and problem solving abilities’
Bilingual baby brains show increased activity in executive function regions

スポンサーリンク

合わせて読みたい

新着一覧

ライター記事一覧

関連するキーワード

コメント

コメントをどうぞ

この記事を書いた人

ERIKO
1999年にニュージーランドに移住。 ニュージーランドでの子育て経験を通して、子供の主体性・思考力を育てるバランスのとれたニュージーランドの教育に感銘を受けました。そんなニュージーランド流保育・教育について、日本のみなさまにもご紹介したいとの思いから、 2011年にBlue & Green NZ Limited を立ち上げ、 現地の保育園や小学校でのボランティア活動の手配業務を開始。グローバル化が叫ばれる今、より多くの方に、英語力はもちろん、国際的な価値観や感覚を身につけて視野を広げるお手伝いができればと願って活動しています!→ウェブサイトはこちら
あそび 行事・催し物 コミュニケーション 学びとキャリア その他
/
/