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保育に新しい遊びの視点を!アートと遊びで保育士のスキルアップ

アルテコローレ

多様な保育サービスが広がる中、子ども達にとって家庭に代わる生活の場となる保育所では、今や教育を兼ね備えていることが求められる時代です。
今回、「アートと遊び」は乳幼児期の子どもに最もふさわしい学びのツールであると考え、アートスクールを運営し保育園での毎月の主活動や作品展のあり方を保育士さん達と共に計画・実践してきた実績があるアルテコローレの桐嶋さんに、今の保育士さんが求めていること、これからの保育の業界に必要なことを伺いました。

アートと遊びが子育て支援活動に

——— アルテコローレとはどういう団体でしょうか。活動の経緯も教えてください。

もともとは私の子育て経験がきっかけで、2011年から活動を始めました。アートを「もっと身近に、誰でも気軽に楽しめるものに」しようと、独自のイベントプログラムを考えたのが始まりでした。当初は親子を対象としていましたが、しばらくして、毎月数カ所の保育園で活動するようになりました。活動させていただいていた園が、「園児が楽しめるだけではなく、保育士さんの新しい視点を育むためのアート活動がしたい」という考えでしたので、私が外部からの派遣講師としてアート活動を行うというよりは、保育士さんと一緒に企画や活動を行うのが当たり前でした。

そんなスタイルがすっかりアルテコローレに定着して、気づけば保育士さんとの関わりが生まれ、園外の親子への活動でも、ボランティアスタッフとして来てくださる保育士さんがたくさんいました。アルテコローレのアートと遊びの活動を知りたい、自分のクラスでもやってみたいと思って関わってくれる保育士さんがたくさんいたことから、現在のような保育者さんに向けた活動に繋がったのです。

身近な素材を使って、色やかたちを楽しむ遊び

——– 保育園やイベントでは実際どういったことをされてきたのでしょうか?

保育園などで毎月、アートと遊びの活動案を保育士さんと一緒に構成、実践してきた他に、園の環境を活かして、地域に開けたアートイベントを企画運営することもありました。また、園行事の作品展のあり方を、家族が参加するかたちで我が子の成長を楽しむことができる行事へと変え、保育士さん達と一緒に取り組んだりもしました。この取り組みは、保育士さん達の作品展への準備負担を減らすことも目的としていたので、鑑賞用の作品制作を無くし、日常的な保育の中で造形活動に取り組む子どもの姿を家族に見てもらうものとしました。行事名も作品展とは言わずに、当日に子どもと家族が一緒につくったり、遊んだりしながら、普段の保育の楽しさを子ども自身が家族に伝えられるようにしました。

初めてこのような取り組みを終えた保育士さん達からは、「家族の皆さんといつもより会話がたくさんできた」とか、「お母さん達から感謝の言葉をもらった」など、喜びの声を聞くことができました。こういった経験から、現在は名古屋にある保育士養成スクールこども芸術学院の講師も務めています。保育園での取り組みの他には、保育者さんを対象とする体験型の講座や、出張イベントなども行っています。

保育士が学ぶアートと遊びが教育をすすめる

——— アートと遊びが保育士の仕事とどうつながっていくのでしょうか?

「アート」と言うとあまり身近ではありませんし、なんとなくのイメージしか湧かないと思いますが、保育が必要な乳幼児期の子どもにとって学びの活動である「遊び」を、より面白くするためのスパイス(調味料)のようなものだと考えています。作ったり、描いたりするだけの活動ではなく、子どもが遊ぶうちに「ヒト・モノ・コト」との関わりを体感して、その中からたくさんの学びの経験を積むことが大切で、このような関わりの機会を、保育士さんは子ども達に様々なかたちで提供できなければなりません。

アートと遊びは、5領域を満たし、子どもの学びと育ちをバランス良く支援できる多彩な活動なので、この活動の必要性を理解して、保育の中でもっと活用して欲しいと思っています。また、子どもの思いや個性をもっと知ることができたりもして、保育の中のいろんな場面に役立つので、保育士さんのスキルアップにも繋がると思います。

工夫のある素材と道具の使い方で、空間がダイナミックな遊び場に

——— アートを実際に体験した子どたちや園の反応はどうだったのでしょうか?

まだ寝転がっている0歳児さんが参加する園もあったのですが、特に0・1・2歳児さんとの活動では、子ども達が初めて目にする素材、初めての体験が多いからこそ、子どもによって様々な遊び方や楽しみ方があって、反応が毎回新鮮でした。1年、2年と成長を重ねながらこの活動に関わっていくことで、始めは受け身だった子ども達ですが、興味の持ち方や意欲がどんどん高まっていき、秋頃になるとすっかりこの活動の楽しみ方を知っていて、幅広い視点を持ちながら、子ども達自らが試したり、工夫したりして遊ぶ姿が見られるようにもなりました。普段の遊びや制作活動に参加しようとしない子も、この活動には参加するということも各園でありました。

保育士さん達は、アートと遊びの中で使う素材にとても興味を示していて、身近にある素材なのに工夫次第でこんなに遊べるものになるのだと、目をキラキラさせて驚いていました。他にも、子ども達と一緒に活動をしながら新たな気づきを得ることがあったそうです。例えば、大変だと思って避けていた準備や、子どもが使えないだろうと思っていた道具や素材が、工夫次第で「こうすればできる」と知ってもらえたり、「1歳児でもこんなところに興味を持って、自分でできるんだ」と、普段の保育の中だけでは知ることができない子どもの姿に気付いてもらえたりもしました。月毎の私の活動で終わらず、普段の日にも活動の続きを行って、何日かかけて遊びを展開させていったと報告をくださる保育士さんもいました。この活動を通して、保育士さん自身が子どもとの新しい関わり方を楽しみ始める姿を見ると、保育士さんとしてステップアップして、仕事の魅力を感じているのだろうなと私も嬉しく思います。さらに、アートと遊びの活動を定期的に園で実践して行った結果、保育士さん達の視点の持ち方や、遊びや制作活動への考え方が変わり、私が関わらなくなった後にも保育士さん達でアイデアを出し、その園の独自の活動を実践するようになった例もあり、今でも園の様子を伝えてくださったりしています。

——— 保育の新しい視点やスキルアップになりますね。保育士がアートの技術を学ぶためには、どういった方法がありますでしょうか?

私の活動にとって、アートは遊びをより面白くするためのスパイスです。技術と言うよりは、子ども達にとって学びのある素材や道具への関わり方、楽しく魅力的な遊びのつくり方といった、アイデアや工夫を学んでいただきたいと思っています。そのために、保育士さんが実際に手を動かし、体を動かし、体感しながら学ぶことができる講座や研修を各地で実施しています。依頼があれば出張講座もしています。

保育士のやりがいや前向きな気持ちをアートと遊びで支える

光と影の遊び

——— 今後の保育業界や保育士に必要なことは何だと思いますか?

現役保育士さんの声を聞く機会も多くあり、私自身も保育士さんと一緒に働いているので、保育士さんという仕事は1人あたりの負担が大きく、肉体的にも精神的にも大変な仕事だと感じます。そういった面で、業界においては保育士さんの働き方の改善が何よりの課題だと思います。ですが、負担の大きい保育士という仕事を、やりがいがある、家族と一緒に子どもの成長を支えている素晴らしい役割だと自信を持って、楽しみながら仕事ができることが保育士さんには必要なのではないでしょうか。

アートと遊びのような造形活動は、業務負担軽減のために削られる傾向にありますが、子どもにとっていちばん必要な学びの手段です。だから、保育士さんの前向きな気持ちと仕事へのやりがいを、アートと遊びで支えて行きたいと思っています。保育士さんが前向きなら、子ども達には必ず良い影響があります!

——— アルテコローレの今後の展望を教えてください。

私自身が運営する保育を兼ねたアートスクール「アルテコローレ」は、まだまだ規模の小さなものですが、アートと遊びの時間を担当する私以外に、保育士さんと、子どもの日々の姿を記録している記録スタッフなどがいます。このようなスタッフの体制が、保育士さんに余裕が生まれ子どもとの関係を深めたり、保育士さんの働き方改善にも繋がると考えていて、業界のモデルケースになりたいと考えています。それから、アートと遊びの魅力と必要性をもっと多くの園や保育士さんに知ってもらい、保育の場を「子どもの学び場」にするために、全国に伝えて行きたいと思っています。

桐島 歩
アルテコローレ代表。保育士養成スクールこども芸術学院のアートと遊びの専門講師。子どもとの活動はもちろん、保育者にも「ヒト・モノ・コト」との関わり方を重視したアートと遊びのアイデアや工夫、新しい視点の持ち方を提案している。
アルテコローレHP
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