幼児のケンカとめないで!ケンカで子どもたちは社会性を高めている?

目次
子どものケンカ、早くとめなくちゃ!はワガママな子どもを育てる?
保育園や幼稚園で子どもたちは遊ぶことが仕事。
遊ぶ時間が長いことや、友だちがたくさんいるからこそ当たり前に起こるケンカ。
そのケンカの中で子どもたちは『子ども同士の関わり方』を学んでいます。
ケンカをむやみに止めてしまうと大人の言いなりになることや、大人の前だけでいい顔をするようになることもあるのだとか。
子どもは悪いことだと思ってケンカをするようになっていき、友だちとのコミュニケーションがうまく取れなくなってしまうこともあります。
ケンカで手が出てしまうかも…と心配になる気持ちもわかりますが、心をぶつけあいながら成長していく姿をなるべく見守っていきましょう。
本当に手が出そうなときは、止めることも必要ですね。
ケンカによって子どもが学べること
子どもはケンカから多くのことを学んでいるのです。
ケンカから得られる経験は大きく分けると3つあるのではないかと思います。
- 1.自分の気持ちを相手に言葉で伝える
2.自分以外の人の気持ちに気づく
3.嫌なことを投げ出さず解決する力を身につける
3歳ごろから周りの友だちに興味を持ち、友だちと遊ぶ共同遊びを行うようになっていきます。
その中で、ぶつかってしまったときに子どもは何が嫌だったのか、どうしてぶつかってしまったのか言葉にしていく経験を積み重ねます。
謝ったらおしまいにするのではなく、お互いに嫌だと思ったことを代弁することとその後「じゃあどうする?」と投げかけることが子ども自身で気持ちを言葉にしていく経験になります。
子どもたちがケンカをはじめたら
ケンカが始まったからといって走って止めに行くのは保育士としてナンセンス。
ケンカが始まったのが見えたら、様子がわかる位置から見守るようにしましょう。
子どもはまだすべての思いを言葉で伝えきれず、もどかしそうに一生懸命話をするでしょう。
ケンカの雰囲気が嫌で逃げ出してしまうかもしれません。
話が解決するまでは、なるべく話す時間をつくってあげましょう。
逃げ出してしまったときは場所を変えて話を続けるようにしましょう。
なぜケンカで子どもは逃げる?
逃げる子どもというのは、大人にケンカはいけないことだと教えられてしまっていることも影響をしています。しかし、決して子どものケンカは悪いことではありません。
頭ごなしに止めたり、叱ったりするのではなく、気が済むまでゆっくり話をするように促しましょう。
時には、間をあける必要があるときもありますので、その時は、無理して話す機会を作るのは控えた方がいいですね。
子どもはケンカをしていることに対して罪悪感を持っていることも多いです。
ケンカはダメなのではなく、気持ちを伝えてすっきりすればいいんだよと伝えていきましょう。
子どもたちのケンカが終わったら
子どもたちがケンカを終えお互いの気持ちが伝わりすっきりしたら、必ず認めて、褒めてあげましょう。幼児期に、自分の気持ちをそれぞれが伝えられることはとてもすごいことです。
また、相手の気持ちを知ることができたことも素晴らしいことです。
子どもにとってケンカは問題を解決していく経験になります。
これから先壁にぶつかった時、逃げることがあってももちろん良いですが、じゃあどうしようかなと考える力を身につけていくこともとても大切です。
ケンカ後の褒め方のポイント
ケンカの後の褒め方のポイントは、必ず両者を褒めることです。
どちらかが悪かったとしても、解決したところに視点を向け褒めていきましょう。
『ちゃんと言葉で自分の気持ちを伝えられたね。』
『2人でお話しして良かったね。』
など向き合ったことと気持ちを伝えたことを褒めてあげましょう。
『お話ししてスッキリできて良かったね。』
『〇〇くん(ちゃん)の気持ちもわかって良かったね。』
解決したことで気持ちがすっきりすることを伝えたり、相手の気持ちがわかったことを褒めてあげましょう。
子どものケンカを止めたくなるのは
大人の私たちは、ケンカをするような問題を起こすことはいけないことと思いすぎているからではないでしょうか。
生まれてきてたった数年の子どもたちは、まだ問題を起こそうと思ってケンカをしているわけではありません。
幼児期にケンカを解決する経験を何度も積んで、小学校以降の人間関係を円滑にしていく準備をしているのです。
人間関係に悩むことはいくつになってもあります。
ケンカがいけないことと思いすぎるのではなく、言葉で気持ちを伝える経験を積んでいると思えば保育者自身も心が辛くなることは少なくなるかもしれませんね。
私自身も、学生時代の初めての実習では子どものケンカが苦手でした。
よくケンカを止めてしまい無理に謝らせてしまっていました。
担任の先生に「なんで謝らせたの?」と聞かれた時にだらだらと経緯を説明しましたが、先生は一言「子どもはわかっていたのかな?」と私に投げかけました。
その言葉を聞いて、子どもはケンカという経験を通して何が嫌だったのか、何が問題だったのか知っていくのだと思いました。
保育者は子どもを伸ばすのも邪魔をしてしまうのも『大人』ということを忘れないようにしたいですね。
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