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こども食堂 「気まぐれ八百屋だんだん」はまるで第二の”我が家”だった!

家族支援・子育て

こども食堂 気まぐれ八百屋だんだん_アイキャッチ

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東京都大田区の閑静な住宅街の中に溶け込む、一軒のお店があります。その名はこども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」。店主の近藤博子(こんどう ひろこ)さんとボランティアの方々で切り盛りをしている食堂の中に入ると、フワッと優しい料理の香りが…

こども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」は、最近都内を中心に広がっている「こども食堂」の先駆けとなったお店です。「こども食堂」とは、一体どんなところなのか?こどもたちや保護者の反応はどうなのか?実際に訪問し、お話を伺ってきました。

こども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」ってどんなところ?

温かい笑顔で迎えてくれたのは、こども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」の店主である近藤博子(こんどう ひろこ)さん。「だんだん」というお店の名前には、近藤さんの出身地、出雲地方の方言で「ありがとう」の意味が込められています。

子ども食堂だんだん_近藤博子さま2

▲あたたかな笑顔が印象的な店主近藤博子(こんどう ひろこ)さん

こども食堂を始めたきっかけは、小学校の校長先生とのお話があります。「日本は飽食と言われているにもかかわらず、お母さんが病気などで朝ごはん・晩ごはんがバナナしか食べられないこどもがいるんです。」それを聞いた近藤さんはショックでたまらなかったと言います。

近藤さんは、以前からされていた歯科衛生士、八百屋を続けながらこども食堂をされています。八百屋ということもあり、食堂には新鮮な野菜も販売されています。料理のメニューは1日1つ。メニューがパターン化しないように、ボランティアの方々と一緒に相談して決めています。

「こだわりは、ここにある新鮮な野菜を中心として和食・洋食・その他さまざまなメニューが食べられる」こと。この日のメニューはひじきの炊き込みご飯、さつまいもとかぼちゃの煮物、小松菜のお浸し、餃子スープと野菜がたくさん入っており、優しい味で栄養満点でした。

子ども食堂だんだん_本日のメニュー

ボランティアの方々は、テレビや新聞でこども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」が紹介されていたのを見て「私もやりたい!」「私にもお手伝いできるかもしれない!」という思いでボランティアをされています。とても温かい方たちばかりで、初めて来店した私(取材者)にも気軽に話かけてくれました。

食堂全体はそのようなあたたかな雰囲気であふれ、こどもや保護者の方がやってくると「おかえり~」と迎え、まるでおばあちゃんの家に来たようでした。

こども食堂には、ルールはありません。料理が余っていればおかわりもできます。食べ終わったらこどもは、おしゃべりをしたり絵本を読んだり、大人は情報交換をしたりなど、のびのびと過ごせます。

こども食堂に集まる人々の表情はいきいきとしていた!

子ども食堂だんだん_絵本を読む子どもたち

当日は雨にもかかわらず、次々にお客さんがやってきました。3つあるテーブルはすぐ満席に。毎週来ている親子、初めて来た家族、仕事帰りの女性、こども一人で、兄弟で…。乳児から小学生や中学生、大人までさまざま人がやってきます。

「家以外にも大人と関わる機会って、なかなかないんですよね。こどもたちはここで、さまざまな大人と会話ができます。自然とミニ社会ができ、関わり合うことで社会を学んでいけると思っています。」

「今日の宿題は終わったの?」「今、学校で何勉強しているの?」そんな声があちこちから聞こえてきます。親以外の大人がこのようなことを言ってくれるのは、親にとっても嬉しいことではないでしょうか?「もう終わったよ!」と得意げに勉強している内容を伝えるこどもたち。さまざまな年齢のこどもが大人との関わりを楽しんでいました。

「みんなが家族のよう、ここに来ると笑顔になれる」来店していた保護者、こどもの声

子ども食堂だんだん_鰹節削り

この日は、和食の達人がボランティアに参加しており、こどもたち向けに”鰹節削り体験”がありました。鰹節を削って配り歩くこどもの姿もありました。

「ここにくると笑顔になれるの。みんな家族のようだから、毎週来ちゃうわ」
「週1回だけでものんびりできて、ここに来るだけで気持ちが全然違うのよ」
と来店していた保護者の方は言います。

核家族が多い現在は昔のように頼れる人が少なく、お母さんはいつも一生懸命になってしまいます。こども食堂のような場があることで、ほっとでき、また頑張ることができるのですね。

こどもたちは「全部おいしかった」「餃子スープがおいしい」と完食していました!偏食の子が増えてきている中、野菜たっぷりのメニューを完食するこどもたちに驚きました。

「ここのは、本当においしいから残さないのよね」とお母さんたちも嬉しそうです。

子ども食堂だんだん_メニュー表

外食するとご飯を作らなくて良いが、周りのお客さんに気を遣い疲れてしまうことがあります。ここでは変な気は遣わずのんびりで過ごせ、日々の子育ての悩みや幼稚園、学校の情報交換ができるため、保護者の方にとって、良い息抜きになっているようでした。

都市を中心に広がりつつある「こども食堂」

子ども食堂だんだん_入口

「こども食堂」は「気まぐれ八百屋だんだん」だけでなく、都内を中心に広がりつつあります。

「広まることはいいことです。日本の飽食、先進国でも食に困っている子がいることを知るのが大事です。」時に、こども食堂同士で集まり、情報交換、余っている器具やお皿などのシェアをしているのだとか。それが共に事業を続けていける源になっているそうです。

「近所の子が一人でご飯を食べるようだったら、隣のおばちゃんが「うちにおいで」と昔のような付き合い方に戻っていくことが目標で、そのきっかけづくりになったらと思っています。そのような付き合いができれば、こどもや高齢者に関わる事件も少なくなるのではないかと思っています。みんな頑張りすぎなんですね。どこかで、ほっとできる場が必要だと思います。」

また、こどもの貧困問題も問われる中、「現在は見た目だけでは生活が苦しいとか、ご飯を食べられていないとかわからないんです。わからないままでは、状況は悪化していくと思います。こども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」は毎週木曜日行っているので、木曜日だったら、あそこに行けばなんとかなると思ってほしいですね。」と近藤さんは言います。

木曜日以外は、こどもの学習支援や地域の交流の場になっています。地域交流では、講座をやりたい人と教えてもらいたい人が集まり、今度は教えてもらっていた人が教えていく…というように広がってきているとのこと。

こどもだけでなく地域同士のつながりへと広がってきているのですね。

子ども食堂だんだん_八百屋

大人だけでも気軽に入ることができるこども食堂。食育に興味があったり、地域交流の必要性を感じたりしている保育士さんたちもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

>こども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」のブログ

今回取材させていただいた方 近藤博子(こんどう ひろこ)さま
長年歯科衛生士として働き、知人の手伝いから八百屋を始める。現在は歯科衛生士、無農薬野菜と自然食品のお店を続けながら毎週木曜日にこども食堂を開いている。いずれは地域の拠点となることを願い、空きスペースを講座などの場としてレンタルしている。

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ほいくらいふ運営部
明日の保育がもっと楽しくなるサイト「ほいくらいふ」です。 日々の保育に役立つような制作アイディアや保育の豆知識を公開中♪ 保育士/幼稚園教諭二種の資格をとり、私立幼稚園勤務、公立保育園へのボランティア、子どもスポーツクラブのボランティアを行いってきました。 現在は保育に関わるセミナーに参加したり、TwitterやFacebookなどで現役の保育士さんとのつながりを増やすことに力を入れています。 最近のマイブームは甥っ子と公園で遊ぶ事です。
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