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学生主体の地域子育て支援に密着!~松戸子育てカレッジ~

家族支援・子育て

【松戸子育てカレッジ】アイキャッチ2

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核家族化や地域内交流の希薄化などから子育てにおける孤立が増えている現代。そんな中、聖徳大学短期大学部保育科では、学生に対して子育ての実情を伝えたり、学生が子育て支援について考えたり、親子と交流したりできる実践の場として”松戸子育てカレッジ”を作りました。子育て中の保護者が気軽に集い、悩みなどを相談できます。

全国の地域子育て支援拠点事業の数は、6,538か所(参考:平成26年度 厚生労働省『地域子育て支援拠点事業実施状況』)。NPO法人や社会福祉法人などが実施主体となることが多い中、”松戸子育てカレッジ”では、大学と地域とが協働して実施しています。その特徴的な取り組みのひとつは、聖徳大学短期大学部保育科の学生が中心となって活動する「子育て広場 おやこで”ゆるりん”」。

本日は「子育て広場 おやこで”ゆるりん”」に密着し、学生と先生方に実際の活動内容や、地域子育て支援に対する想いを伺いました。

“松戸子育てカレッジ”とは?

松戸子育てカレッジ

聖徳大学が運営を行う松戸子育てカレッジは、2015年9月にスタートした、子育て中の親子を応援する事業です。松戸市と大学とで連携し、大学の専門知識を生かして活動を行っています。

活動内容は大きく分けて4つあります。

子育て広場 おやこで”ゆるりん”
幼児(0~2歳)を持つ親子の交流の場。教員と学生とで「どのようにしたら子育てが楽しくなるか」について考え、実践しています。
保育者のたまごによるおはなし会やコンサート
学生が企画し、子育て広場 おやこで”ゆるりん”で実践するおはなし会やコンサートです。
おやこで”ゆるりん”講座
親子で一緒に歌ったり、踊ったり、作ったり、子育てが楽しくなる遊びを教員と一緒に行います。
子育てサポーター講座
教員が、祖父母世代や子育て支援について学びたい方を対象として開設する、専門的知識に基づいた講座です。現在の子育て情報や子どもの病気や食、絵本の読み聞かせについてなど幅広い内容を取り扱います。

子育てカレッジを開催しようと思ったきっかけ

大学には、地域のための大学として、自治体を中心に地域と大学が協働して地域の課題を解決する力が求められています。松戸子育てカレッジは、 “地(知)の拠点整備事業”に聖徳大学短期大学部が申請し、採択されたことで始まったそうです。

地(知)の拠点整備事業とは、文部科学省が実施している事業です。地域の課題解決のためにさまざまな人材や情報・技術が集まる、地域コミュニティの中核的存在としての大学の機能強化を図ることを目的としています。

数少ない!学生主体の子育て広場「おやこで”ゆるりん”」に潜入!

取材させていただいた日は、クリスマスが近づく12月。子育て広場「おやこで”ゆるりん”」では、学生が企画したクリスマスコンサートが行われていました。

学生のアイデアが詰まった室内

【松戸子育てカレッジ】壁面-
▲(左)児童学部の学生が作った秋の壁面(右)保育科の学生が作った大学の周辺地図

会場までの廊下に飾ってあるのは、学生が作った壁面です。壁面には、本物の枝や麻、新聞紙が使われており、素材の工夫が見られます。経験を重ねる中で制作の幅が広がっていくのでしょう。

松戸市子育て支援
▲下駄箱上の壁面

下駄箱の上に飾ってあるクリスマスの壁面は、保育科1年生の力作です。

松戸子育てカレッジ場所
▲室内の様子

子ども用のトイレや休憩室も完備された明るい室内。学生が安全面や過ごしやすさを考えながら、おもちゃなどを準備しています。

保育士を夢見て…学生が考えた楽しい内容が盛りだくさん

親子が来る前に、髪の毛が顔にかかっていないか、爪は切ってあるかなど身だしなみの最終確認を行う学生たち。時間になると参加者が続々とやってきます。

子育て支援_学生

子育て支援_親子

コンサートまでは、親子で自由に遊べる時間があるので、学生も一緒に関わります。和やかでゆったりした時間が流れていました。

30分程遊んだ後は、学生たちによるクリスマスコンサート。コンサートのねらいもしっかり立てられています。

【ねらい】

・親子で楽しんでもらい、家庭での遊びや話のきっかけになるようにする。

・楽器を使ったり、歌を歌ったりして親子でクリスマスの雰囲気を楽しんでもらう。

クリスマスコンサート歌

最初は歌。ジングルベルの歌で子どもたちも惹きつけられていました。

クリスマスコンサート鈴

歌の後は、リズム遊び。子どもたちにも鈴が配られ、楽しくて前に出てくる女の子もいました!子ども用の鈴は、マジックテープでつけ外しが可能になっていて安全面の工夫もされています。

クリスマスコンサート楽器

子どもたちが楽しめるよう手遊びなどを取り入れた歌もあります。

子育て支援折り紙

歌の後は、折り紙遊びです。学生が子どもたちと一緒に作ります。

コンサート前の自由遊びで少しずつ会場に慣れた子どもたちは、歌やリズム遊びにも楽しそうに参加しており、その中で保護者同士の関わりも自然に生まれていたことが印象的でした。

「子育て支援を経験して…保育現場で役立てたい!」参加していた学生の想い

学生はどのような想いで参加しているのか?この経験を今後どう活かしたいのか?学生たちにお話を伺ってみました。

子育て支援を通して学びたいこと

子育て支援_子ども
▲一緒に折り紙を折る学生

子育て支援を通して学びたいことをお聞きしたところ、「子どもとの遊び方や年齢に応じた関わり方を知りたい」「子どもたちの反応から、親子で一緒に楽しめる企画を考えていきたい」「親子で折り紙を折る時の保護者への接し方を学びたい」との回答がありました。

幼稚園や保育園での実習では、先生と子どもとの関わりは見られますが、保護者と子どもとの関わりはなかなか見る機会がありません。学生たちは、おやこで“ゆるりん”での活動を通して、実際に保護者と子どもと関わって会話をし、生の反応を感じることで、子どもへの声掛けの仕方や保護者への対応の仕方を学んでいるようでした。

実際に体験してみて感じたことや学んだこと

子育て支援壁面
▲休憩スペースのドアの壁面

実際に保護者と関わることで、「保育所への入所を迷っていることや、家庭での遊び方について悩んでいることなど」保護者の子育てに対する本音を聞くことができた方もいたそうです。

また、リズム遊びでは鈴の音を楽しむ子どもの様子を見て「音が鳴るだけでこんなにも楽しいと感じてくれるのかと思った」という学生ならではの驚きの声もありました。想像以上の反応を得ることが、子どもと関わることへの自信につながるのでしょう。

子育て支援の経験をどのように役立てていくか

子育て支援コンサート
▲クリスマスソングを学生

子育て支援を経験し、「発達心理学で個人差について学習したことを直接体験できた。」「机上での勉強や実践での経験を繰り返しながら、乳児への関わり方などをもっと勉強して、実習や保育現場で役立てたいと強く思うようになった。」と言う学生が多くいました。

また、子どもが楽しめることが保護者の喜びにつながると感じられたことで、「自分たちにも子育て支援ができるということが分かり、もっと社会貢献したくなった。」と言う学生も!

机上で学んだことを子育て支援で実践し、学んでいる学生たち。今後実習などで、更なる気付きや学びを得られるのではないでしょうか。

聖徳大学教授が語る!学生・子育て支援への想い

松戸子育てカレッジを運営している聖徳大学の先生に学生や参加者への想いを伺いました。

学生に子育てカレッジを通して学んでもらいたいこと

子育て支援大学
▲保育科の先生方が演奏をしている様子

保育科の先生方が学生に子育てカレッジを通して学んでもらいたいと考えていることは、大きく以下の3つ。

・子育てや人生についてなど保護者の考えを直接聞くことを通じ、相手の話をじっくり聞く能力を身に付けてほしい

・子育て支援とは何か、自分が子どもと関わることで親にどのような影響を与えているかについて考えてもらいたい

・乳幼児に適した教材研究を通して、チームの一員として主体的に行動できるよう成長してほしい

この3つのねらいは、実際に関わりを持たないと学べないことばかりで、経験を重ねることでこそ成長につながっていく内容です。1日密着して学生の様子を見ていただけでも、学生が顕著に成長している様子が伝わってきました。

本番前のやる気に満ちた姿。緊張でなかなか話しかけられない姿。子どもとの関わりを通して保護者とも積極的に話せるようになる姿。最後はとても良い笑顔でさまざまな方と関わりを持ち、一緒に楽しむ姿…。

取材者が幼稚園教諭だった頃も、1年目はなかなか保護者と上手に話せなかったことを思い出しました。実際に学生の成長を肌で感じている先生方は、「保護者と話すことに抵抗が少なくなったり、子どもの動きに合わせて臨機応変に対応することができたりするようになってきた」と言います。

参加者への想い

子育て支援_保護者
▲鈴で遊ぶ親子と学生

「保護者の方は親同士あるいは教員に相談をすることで、悩みや不安が解消されている方が多いようです。子育ての不安を解消するためには、子育て支援などの場作りが必要で、一人ひとりの声を大切にすることが子育て支援につながると考えています。」子育て広場では、親同士でのおしゃべりが徐々に弾むようになり、情報を交換されている姿も見られるようになってきているそうです。

先生方は、保護者が実際に、どのような支援を求めているのか、より多くの方から具体的に聞けるよう、子育て支援について松戸市を中心に質問紙調査の実施も行っています。

今後の取り組み

松戸子育てカレッジは、平成27年9月18日にオープンしたばかりなので、子育て中の保護者に知っていただくことが今は一番重要だと考えているそうです。2月19日(金)、3月18日(金)には親子で歌ったり、制作をしたり、2月27日(土)には、保育者のたまごのコンサートの予定があります。

詳しくは、松戸子育てカレッジのホームページをご覧ください。

≫聖徳大学知財戦略課のホームページ

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就職する際の不安の一つでもある保護者との関わり。学生時代は、子どもと関わる機会はあっても、保護者との関わる機会はなかなかありません。参加していた学生も始めは緊張し、自分から話しかけるのを躊躇していた様子でしたが、最後には保護者の方と積極的に関わる姿が見られました。

子育て支援に携わることで保護者との交流も増え、少しずつ不安も解消され、自信につながっていくことでしょう。

参加された保護者の方も、参加回数を重ねる中で交流が増しているとのこと。保護者の方にとっても学生にとっても不安を解消できる場となり、それが今後につながっていくと感じました。

本日はありがとうございました。

今回取材させていただいた方 ●藪中征代さま
現在、聖徳大学短期大学部教授。博士(児童学)。専攻、保育心理学。著書に『100冊の絵本と親子の3000日』などがある。
●聖徳大学短期大学部の先生方
●聖徳大学短期大学部 保育科学生の方

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ほいくらいふ運営部
明日の保育がもっと楽しくなるサイト「ほいくらいふ」です。 日々の保育に役立つような制作アイディアや保育の豆知識を公開中♪ 保育士/幼稚園教諭二種の資格をとり、私立幼稚園勤務、公立保育園へのボランティア、子どもスポーツクラブのボランティアを行いってきました。 現在は保育に関わるセミナーに参加したり、TwitterやFacebookなどで現役の保育士さんとのつながりを増やすことに力を入れています。 最近のマイブームは甥っ子と公園で遊ぶ事です。
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