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日本とアメリカ 妊娠・出産経験を通しての違いを知る【前編/妊娠編】

家族支援・子育て

シルクシルク

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はじめまして。シルクと申します。現在、夫の赴任でアメリカ中西部在住です。2歳の子どもを育てています。日本では保育士として7年ほど勤務していました。自らの子育て経験と保育経験を通じて日本との違いを取り上げていきます。違いを知ることでまた別の角度から子育てを見つめ直せるのでは、と思います。
妊娠、出産経験を二回に分けて、今回は前編として「妊娠時に関しての通院の違い」について書いていきます。

妊婦検診

アメリカの妊婦健診
アメリカでは検診は基本的に妊娠第8週以降でないと受け付けてもらえません。出血など異常がある場合はそれ以前でも随時、連絡してかかることができます。(診察時間外の場合はEmergencyといって救急にかかります。)いずれにしても電話で病院のオフィスに予約する必要があります。

ドクターは自分で選べる

妊婦がドクターを選ぶ
アメリカの病院のオフィスは基本的に分業制です。受付、超音波検査、採血、バイタルチェック(血圧と体重測定)などすべて担当者が行います。例えば、日本のように医師が直接、超音波検査をすることはありません。ドクターはその科目の専門です。
担当医は自分で選ぶことができます。着任直後で全く周辺地域のことが分からなかったので紹介していただき、担当ドクターを決めました。

ナースプラクティショナーとの初回面談

ナースプラクティショナー
初回検診は、ドクターの診察はありません。「ナースプラクティショナー」といって、ナースよりさらに高い専門性の資格をもったスタッフとの面談になります。

面接では出産予定日や摂取すべき栄養素や薬、また避けるべき食品などの説明があります。興味深かったのは、出生前検査の案内があること。アメリカでは受ける受けないに関わらず、35歳以上の妊婦には出生前検査の案内をする義務があるそうです。

羊水検査、血液検査、遺伝子検査などの検査をいつの時期に受けるかの説明がありました。なお、近年日本でも取り入れられているいわゆる新型出生前診断の案内もありました。筆者はもともと受けるつもりがなかったので、いずれも受けませんでしたが、気になる人は受けているようです。

超音波検査について

アメリカの妊婦超音波検査
超音波検査は後日受けます。初めてお腹で動いている姿を見た時は感動で涙が出てきました。

超音波検査は順調な経過の場合、出産までわずか3回程度です。次回は性別診断(20週前後)とプラス1回です。出血があるなど何か異常がある時以外は使いません。このあたりが日本とかなり異なります。

理由の一つは保険の関係です。日本と違って皆保険制度がありませんので、どこかの民間の保険会社に加入します。保険料は高額です。超音波検査などは保険対象外となる場合もあり、たくさんの回数が受けられません。ちなみに、筆者の病院では4Dの場合、$100(日本円で1万円)以上するそうです。
また、超音波検査が科学的に身体への安全性が確立されていない、という理由もあるようです。

プライバシーは徹底して守られている

アメリカの妊婦健診とプライバシー
アメリカの病院は基本的にプライバシーが守られています。その一つに、診察は完全個室です。一通り、バイタルチェックが終わると個室に通されます。ドクターは順番に患者の待機している部屋へ行って診察します。この部屋には内診台もあります。

つまり一つの部屋で診察と内診が一度にできます。日本のようにカーテンで仕切られていません。紙のシーツで身体を覆ってその下を内診します。日本との違いに最初は戸惑いましたが、慣れてくると違和感はありませんでした。

他の部屋の声はほとんど聞こえて来ません。たとえ聞こえたとしても日本語ではないのであまりよく理解できないのは幸いかもしれません(笑)。

ドクターの診察

アメリカの妊婦健診(ドクター)
では、普段の診察はどのように胎児の状態を経過観察するのか。いたって簡単です。ドップラーというハンディタイプの機械で心音と心拍を確認します。これだけでしたが、心音を聞くと「ちゃんと生きているんだな」と安心することができました。

日本と違って診察に時間をかけてくれます。ただし、ドクターは異常がない限り、自分から話すことはないのでこちらからいろいろと質問を用意していきます。質問にはすべて答えてくれます。なので、ドクターまかせにせず、自分で身体のことを知ろうとすることはとても大事です。幸い、子どもの経過は順調だったのですが、時折心配になる筆者にドクターは「大丈夫だよ」といつも励ましてくれたことが嬉しかったです。

ちなみに日本で言われている「体重制限」という注意はどんなに増えても言われませんでした。基準が日本よりゆるいのもあるのかもしれませんし、様々な体型の人がいるからなのか。そういう意味でストレスはありませんでしたが、最終的には15キロ以上増えてしまいました(笑)。

アメリカで妊娠期を過ごして大変だったこと・良かったこと

アメリカの妊娠生活メリット・デメリット
筆者の感じたことを思うままに書いてみます。

大変だったこと


何が大変かというとやはり言葉の壁です。英語は日常会話以上に医療用語や薬の名前は特殊なので表現が分からないとその都度確認する必要があります。症状を伝えるのも難しいので、通訳があるのとないのでは全く精神面でも違います。

アメリカは英語を母国語としない人のために通訳を無料でつける制度が充実していますが、筆者が通っていたオフィスにはそのような制度がなかったので(日本人もほとんど住んでいない地域でした)1回に$40(日本円で4,000円)かかると言われてしまいました。そのため、通訳のできる人を会社の方以外にも自分でツテを作っておいた方がよいと思いました。ただ、駐在員で来られている方の会社によっては通訳システムが充実しているところも多いので必要以上に心配することはないと思います。(各会社で確認して下さい)

また、アメリカには張り止めの薬がないことも辛かったです。後期になると筆者は少し動いただけでお腹が張りやすかったのですが、薬はないと聞いたのでひたすら横になるか、座るかで休むしか方法がありませんでした。

良かったこと


反面、ありがたかったことの一つに、前述の通りプライバシーが守られていることでした。日本の病院ですと、前後の患者の声が漏れてくることは時々ありましたが、この点については全くなかったので安心して診察を受けることができました。

また、アメリカは家族を大事にする文化があるので、毎回夫や通訳の方を同室しても全く嫌がられなかったのがありがたかったです。また、会社も妻の診察に同行するために勤務中抜けられる点もアメリカならではでした。

母親になる実感はなかなかなかったですが、胎動が感じられるようになると本当に我が子がお腹にいるんだな、と思ったものです。子どもが聞いているかなと思ったので、お腹にいる頃から子どもが分かっても分かっていなくてもなるべく話しかけるようにしていました。子育てというのは生まれてからではなく、生まれる前から始まっているのだなと感じていました。

海外の妊娠・出産事情は、保育者のスキルアップに役立つ知識

海外の妊娠・出産、保育者として
妊娠・出産はただでさえ不安が多いものですが、勝手を知らない海外でその時期を過ごすとなれば、なおさらです。
数年前、イギリスのキャサリン妃が出産した際、その退院時期の早さや、出産直後と思えない彼女の立ち居振る舞いが日本でも多く報道され、国によって妊娠・出産をとりまく環境が全く違うことが話題になりました。

海外での妊娠・出産事情は、様々な価値観・考え方を知ることによって、広い視野で子育て・保育について捉えることができる知識の一つといえるのではないでしょうか。

次回は「後編/出産編」をお届けします。

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この記事を書いた人

シルク
夫の海外赴任に伴い、2度めのアメリカ生活中、妊娠、出産を経験をする。まだまだ慣れない英語と格闘しながら現在2歳児を子育て中。日本での保育士経験は7年。保育士と母親の視点から自分に合った子育てを模索している。日米の違いを伝えながら保育を考えるヒントの一つになればと願っている。趣味は楽器演奏、もやし栽培、納豆作り。
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