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日本とアメリカ 妊娠・出産経験を通しての違いを知る【後編/出産編】

家族支援・子育て

最終更新日:2016/12/27

シルクシルク

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現在、夫の赴任でアメリカ中西部在住のシルクと申します。2歳の子どもを育ており、日本では保育士として7年ほど勤務していました。
自らの子育て経験と保育経験を通じて日本との違いを取り上げていきたいと思います。

前回は妊娠生活における日米の違いを述べてきましたが、今回は出産編をお伝えします。
小さなトラブルはあったものの、大事には至らず無事出産を待つまでになりました。

前回記事「日本とアメリカ 妊娠・出産経験を通しての違いを知る【前編/妊娠編】」はこちら

破水からの入院

 

 
出産予定日を10日前に控えて、自宅で突然破水しました。たまたま受診日だったのですが、予約の時間を繰り上げてもらい、急遽診察になりました。そのまま、入院となりました。
妊娠編でも述べましたが、プライバシーの確保がされているため、ここでも病室は原則的に個室です。LDRの体制が取られているので、部屋で出産し、産後も退院まで同じ部屋を過ごします。ただし、帝王切開の場合、手術となるため、別室に移動となります。

陣痛を待ちながら英会話レッスン!?

 

 
破水したものの、微弱陣痛のため、入院したらすぐに陣痛促進剤を投入されました。ここから子宮口が開くまでに長い長い時間がかかります。
たまたま、この日は英会話のSkypeレッスンを予約していました。出産で入院したのでレッスンを受けられないと連絡を入れたつもりでした。そのまま、しばらく会話を続けたので期せずして入院中にレッスンという状態になりました。
幸い、ちょうど誰も出入りのない時間でしたのでいい会話の勉強になりました(笑)。
会話の内容は忘れてしまいましたが、先生も出産経験があるのでいろいろと出産について情報を教えてくれたように思います。

薬漬け!?のフルコース

 

 
「痛くなったら薬を足すから言ってください」
まず、看護師のこの言葉にビックリしました。
「つらくても痛みは乗り越えるもの」・・・日本人としては我慢は美徳のように教えられてきたのでこれにはまたまた考えの違いに驚きました。つまり、痛みは我慢しなくてよいのです。
自分の希望で痛み止めを増やせる、ということです。陣痛促進剤で陣痛がつらくなったら鎮痛剤投与。この痛みにも耐えられなくなったら無痛分娩用の麻酔に切り替えます。これもまたすべて自分自身の判断です。
 
結果的に緊急帝王切開まで経験したので、その鎮痛剤を含めてどれだけ薬を身体に入れたのだろうと思うと想像を絶する量でしょう。

日本だったら不謹慎・・・?ノリのよいラテン系の麻酔科医

 

 
陣痛促進剤と鎮痛剤とダブルで乗り切っていましたが、いよいよ耐えられなくなり、深夜0時前でしたが、麻酔科医を呼び出して無痛分娩に切り換えてもらいました。
日本では無痛分娩が主流でない理由の一つに、麻酔科医が常駐していないことがあるのではと思いました。
「いつでも無痛分娩にできるから呼び出して」といえることは誰かしら24時間体制で待機しているといえます。
 
私を担当して下さった麻酔科医ははスパニッシュ系らしくノリがとても明るいのです。
「コンバンハ~」と言うので「日本語分かるのか?」と聞いたら「分からない」との返答。
とにかく陣痛促進剤の痛みに耐えられないので、「早くしてくれ~(言葉が通じないのをいいことに私、日本語で言い続ける)」。
いざ、薬を差し込まれると驚くほど痛みが引き、下半身は麻痺したように感覚がない。
「痛くないってなんて言うの?(もちろん英語で)」と聞かれたので、「痛くない」と答えたところ、「イタクナーイ!」とラテン系のノリ。まるで長州○力のようなノリでした。
日本だと深刻な場面でこんな対応をされたら不謹慎かもしれませんが、この明るさで出産も乗り切れるんだろうな、って感じました。

緊急の帝王切開・・・しかし深刻さは全くなく

 

 
子宮口が9センチまで開きましたが、あと1センチが7時間かかっても開きません。前日の正午に入院してから既に17時間が経っていました。陣痛が自然にやって来ず、間隔も縮まりません。
ドクターには胎児の安全を考慮して帝王切開の提案がなされました。自然分娩を希望しているならあと4時間待たないと。
しかし、私はもうあと4時間は耐えられませんでした。夫と話し合って「2時間待って状況が変わらなかったら帝王切開をお願いしよう」と決めました。

結局、2時間待っても子宮口がそれ以上開くことはなく、帝王切開で臨むことにしました。緊急の帝王切開・・・というとどうも深刻で緊迫したイメージがあるかもしれませんが、アメリカでのそれは全くそんな雰囲気はありませんでした。
私はそれよりももうすぐ我が子に会える嬉しさで涙が出てきました。
 
帝王切開に切り換わったらあっという間に手術台。基本的に家族は出産に立会することになります。
私の場合は、手術用の服を着用してもらい、夫と通訳の方二人に立ち会ってもらいました。ドクターたちは好きな音楽をかけて雑談しながら、オペをしていました。「痛みがあったらまた言ってね」とまたここでも鎮痛剤を本人の好きなだけ注入。
さらに手術に臨んでわずか15分もしないうちに我が子は無事お腹から出てきました。首から下は見えないように覆われているため、我が子の姿は見えませんでしたが、泣き声ははっきりと聞こえました。(夫が全部撮影してくれていたので、後で様子を見せてもらいました)

破水からまる1日かかっての誕生でした!
 

驚いたこと

 

 
破水から出産にいたるまでの薬のフルコースと言っていいほど、体内に薬を入れたことです。その量はどれくらいなんだ?と考えるとビックリしそうな感じです。痛みを我慢する、と教えてられてきた日本人にとって異国で出産するということはこれまたギャップがあるものです。
実は、出産まで体重が17キロも増えてしまいました。しかし、妊娠中、ドクターからは全く体重制限の話はありませんでした。日本だったら要注意の域を超えていたでしょう。
そう言われてみれば、こちらの方は週数が進んでいなくてもわりとお腹が大きい人が多いように感じます。また4,000グラム前後の赤ちゃんが生まれたという話も珍しくありません。
結果的に子どもは3,000グラムを超えていましたし、生まれてからも健康面で問題がありませんでした。また、私も産後体重が戻せたので問題はなかったです。
もしかしたら日本だったら「帝王切開になったのは太り過ぎたからだ」と注意をされたかもしれません。しかし、ここでは何も言われなかったので、気になりませんでした。

良かったこと

 

 
日本だと、自然分娩が望ましく、帝王切開であることはマイナスイメージがつきまとうような雰囲気があるようなことを耳にします。高齢出産だと帝王切開のケースになることが多く、心の傷も追って落ち込むので心のケアが必要だと聞いたことがあります。
良し悪しは別として、アメリカは帝王切開の症例が多く、あまりネガティブなイメージがないようです。
ドクターも帝王切開には慣れているようで、気軽に勧めてくる感じがあります。
個人的な意見になりますが、分娩方法は何であろうが、大事なことはどれだけ愛情を持って子どもを育てていけるか、です。お腹を切られるのは正直怖さが伴いますが、子どもは元気に生まれてくれましたし、産後何も支障はありません。
 
さて、ハプニングがありながら無事に終えた出産。次回は入院編をお送りします。
 
 

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この記事を書いた人

シルク
夫の海外赴任に伴い、2度めのアメリカ生活中、妊娠、出産を経験をする。まだまだ慣れない英語と格闘しながら現在2歳児を子育て中。日本での保育士経験は7年。保育士と母親の視点から自分に合った子育てを模索している。日米の違いを伝えながら保育を考えるヒントの一つになればと願っている。趣味は楽器演奏、もやし栽培、納豆作り。
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