日本とアメリカ 妊娠・出産経験を通しての違いを知る【後編/入院編】

家族支援・子育て

最終更新日:2017/01/09

シルクシルク

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現在、夫の赴任でアメリカ中西部在住のシルクと申します。2歳の子どもを育ており、日本では保育士として7年ほど勤務していました。
自らの子育て経験と保育経験を通じて日本との違いを取り上げていきたいと思います。

前回は出産における日米の違いを述べてきましたが、今回はその後の入院生活についてお伝えします。

前回記事
「日本とアメリカ 妊娠・出産経験を通しての違いを知る【前編/妊娠編】」はこちら
「日本とアメリカ 妊娠・出産経験を通しての違いを知る【後編/出産編】」はこちら

ストローラー(ベビーカー)とカーシート(チャイルドシート)がないと退院できない!

 

 
これはよく周りから言われていました。実際、そのようです。子どもの安全を第一に考えているため、ストローラーとカーシートの確保は必須です。ありがたいことに両方とも近くに住む友人たちから安く買い取ったり、借りたりすることができました。退院時、小さな身体を初めて乗せて帰ってなんとも感慨深いものがありました。

命名は事前に決めておくこと

 

 
出産で入院した時点で出生証明書の書類を作成する必要があるため、名前は早めに決めておかないとなりません。ミドルネームまでつけるならミドルネームまで決めます。なお、ミドルネームは任意なのでつけない人もいます。
そのため、妊娠時から早めに考えておく必要があります。場合によっては早産など予期しない事態も起きるかもしれないからです。

小児科医も自分で決めておく

 

 
これも日本とは異なる点です。子どもが生まれると小児科医の担当になります。産前に自分で小児科医を見つけておく必要があります。妊娠中ならいつでもいいのですが、お願いする小児科医のオフィスへ事前に必要事項を記入した用紙を提出して登録しておきます。
すると、産後入院中に担当の小児科医が病院へ訪問し、子どもの状態をチェックしてくれます。

入院時の質問


 
入院にあたって、書類が必要となりますが、ここでの質問にも特徴がありました。
家族歴について「虐待を受けた経験がありますか」という質問がありました。・・・アメリカは実に複雑な家庭環境も多く、虐待の数が多いと言われています。その分、虐待を守るための臨床カウンセリング等も日本に比べ、進んでいます。子どもを保護する点では非常に敏感です。また、「牧師を呼びますか」という質問もありました。キリスト教信仰者も多い国の特徴なのでしょう。無事出産するために祈りを託すという意味合いがあるのだと思いました。

母乳指導は…イマイチ

 

 
入院中は母乳指導の専門家といわれる方が巡回していました。しかし、アメリカは前述の通り、分業制。食事の時間と同時に訪問されたり、逆に数時間待っても全然来なかったりとタイミングが合いません。また、実際に指導を受けてもどうも的外れなやり方でこれでは全く母乳が出るのかどうかと心配になったりもしました。結局、4日間の入院中は一度も母乳での授乳指導は成功しませんでした。
退院する際に看護師に「ミルクばかり頼っていたら母乳を飲まないわよ」と言われると、ホルモンバランスの関係もあったのかその一言で責められたように聞こえ、涙が止まらないことも。

食事はジャンクフード!?


 
食事は予めメニューを見せてくれ、自分で量や献立を決めます。最初はもの珍しさもあり、楽しかったのですが、いかにもアメリカの食事!と言った感じのハンバーガーやフライドチキン、ホイップクリームたっぷりのケーキだったり。同じような食事が続きました。日本人感覚からしたら、これで母乳が出るのか?というようなメニューです。
すぐに辟易してしまったので、自宅から前もって作り置きしておいたご飯を夫に持って来てもらいました。
日本のように、ホテルの食事のような豪華なものは期待できません。食事は日本の献立にかないません。こういう時ほど自分の生まれ育った国のご飯がとても恋しくなります・・・。

入院中はゆっくり休めない


 
1日中、入院中はドクター、小児科医、ナース、掃除担当、食事の配膳、はたまたカメラ撮影(部屋に写真屋さんが来て家族写真を撮ってくれます。この時の写真購入は任意)などなど入れ替わり立ち替わりで人が病室へ来るため、ゆっくり休めません。
出産で疲れ果ててもこれでは落ち着きません。子どもを別室で預かってくれるので、何が何でも母子同室ということもありません。退院後の体力温存のために夜中は預かってもらったこともあります。

夫は育児休暇を取得

 

 
諸事情で日本から母の援助を頼めなかったため、急遽夫が会社に育児休暇を申し出て2週間家事を引き受けてくれました。帝王切開で2.5キロ以上の重いものを持つことを禁じられていたためです。会社の融通の利く点は非常にありがたかったです。この点はアメリカでよかったと思いました。夫はかなり大変な様子でしたが、もともと家事全般(調理、掃除、洗濯)ができるので、お陰で授乳とオムツ換えに専念することができました。日頃からご主人も家事全般ができると産後も任せられますよ。
近所の日本人の友達も食事の差し入れをしてくれたので、非常に助かりました。

驚いたこと

 

保険の関係で、とにかく入院日数が短いことです。帝王切開であっても、出産日を含めて3泊4日で退院させられてしまいます。(参考までに自然分娩だと2泊3日です)。傷口が痛いまま、自宅に帰ることになりました。
日本のように入院中に沐浴指導、母乳指導などは期待できません。妊娠中に両親学級によく参加しましたが、アメリカに来て数ヶ月だったので英語もほとんど理解できませんでした。また、懇切丁寧な指導というのもありません。
幸い、私は保育経験があったので生まれても自分の感覚で対応できると思っていました。念のため、出産前に夫にオムツ換えは教えておきました。また、日本語のDVDやYouTubeなどで沐浴の様子を視聴して予習しておきました。
また、アメリカはとにかく自分から聞かないと何も教えてもらえないので、問題意識を持って物事に取り組む大切さを知りました。搾乳機のサンプルが試せるのは友人から聞いていたので、自分から看護師に相談して試しました。

良かったこと


 
妊婦検診同様、部屋が完全個室のため、プライバシーが保護されている点は助かりました。また、入院日数が2~4日間と限られているため、人の出入りも激しく、ほとんど他の患者や家族と顔を合わせることはありませんでした。病院内はひっそりとしていました。
LDRの部屋はWi-Fi完備なので、日本の友達とも連絡が自由に取れました。無痛分娩の間は痛みを感じず、暇を持て余すため、チャットをやっていたほどでした。また、別のバイリンガルの友人には出産に必要な英語を教えてもらっていました。

次回以降は産後の生活、子育てについて述べていきたいと思います。
 

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コメント

  1. プロフィール写真

    ホエールさん(2017年1月11日)

    海外でのお話新鮮です!
    日本とは違い驚く部分も多いですが、おおらかさも感じますよね。
    それに、男性が育児に協力的なこと、好印象です。

  2. シルクさん(2017年1月31日)

    >ホエールさん
    初コメントありがとうございます。
    子育てには文化や価値観の違いなど反映されていて驚きの連続です。
    父親の子育てへの参加はごく自然で、英語には「イクメン」に相当する言葉はないのでは、と思います。

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この記事を書いた人

シルク
夫の海外赴任に伴い、2度めのアメリカ生活中、妊娠、出産を経験をする。まだまだ慣れない英語と格闘しながら現在2歳児を子育て中。日本での保育士経験は7年。保育士と母親の視点から自分に合った子育てを模索している。日米の違いを伝えながら保育を考えるヒントの一つになればと願っている。趣味は楽器演奏、もやし栽培、納豆作り。
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