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託児所付きネイルサロンから考えるこれからの保育

保育をともに考える

保育士で子育てアドバイザーの河西さんが、保育業界の課題に対し保育業界以外の人と語ることで保育業界の課題解決のヒントを集め、また保育の現状を広く伝えるための新企画です。
第一回目の今回は、東京都の目黒区で託児所付きのネイルサロンbe bornを運営している浅野さんに、託児所の運営や保育への思いについてお話をうかがいました。母親の心をどう癒していくか、保育士の魅力をどう発信していくかということに焦点をあて話は進みます。

お母さん、保育士がリフレッシュできる場がもっと必要

河西 本日はよろしくお願いします。ご自身も母であり仕事をされている浅野さんですが、託児所付きのネイルサロンをしようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

浅野 私の子育て経験がきっかけなのですが、子どもが生まれてから子育てのノイローゼまではいかないけれど、産後鬱や疲れを感じていました。頼れる親も近くにいないので、子育てを自分ひとりでやらなきゃという思いがあって、自分がリフレッシュしたくても赤ちゃんがいたらほったらかしにはできないと、どんどん閉じこもってしまっていました。周りのお母さんに同じような思いをしてほしくないと、1時間でも2時間でもプロの保育士さんにあずけてまた笑顔で育児に戻れるような場所をつくりたいと思いオープンしました。

河西 子育ては1年間365日休む暇がないですよね。特に新生児は、トイレに行く時間すらも無いと言ってもいいと思います。1歳児を過ぎる頃には、言葉を通しての意思疎通ができてくるけど、生まれたばかりの赤ちゃんのサインには、どう対応して良いのか分からず気付けないことに自己嫌悪になったりと、お母さんたちが心身ともに疲れ切ってしまう気持ちよくわかります。しかも、リフレッシュする時間すらない、方法がわからないと悩むお母さんが多いのも現実ですし…

浅野 そうなんです。1歳以上になると会話ができるので、そこでリフレッシュできます。だけどそれまでは一切返事は返ってこないし、何を考えているか分からない。夜は起こされて睡眠不足などで思考回路が普通じゃなくなってくる。母親としてなんとしてもこの子を幸せにしなくてはならないという思い込みもありますし。

河西 そう、日本はその勝手な思い込みや教育が本当に多いです。「母親は、仕事に家事に育児ができて当たり前!」という風潮があるけど、それが世間では当たり前になってしまうと、世の中のお母さんたちは真面目な方々が多いので、「正しい母親」になろうとして、頑張りすぎてしまい、自身を追い詰めてしまったり…

浅野 最初はお母さんの職場を作ることが改善策だと思いました。仕事でストレスを抱えたまま帰宅したお母さんは子どもに厳しくしているように見えるんですね。お母さんが職場でリフレッシュできれば子どもにも優しくできるんじゃないか、旦那が奥さんにに優しくデキる人も少ない。

河西 お母さんがリフレッシュすることで、子どもにどんないい影響が与えられるかを発信していくことは必要ですよね。その辺りを浅野さんにお願いしたいです。

河西

浅野 今一番やりたいと思っていることは母親が働きやすい環境をつくることです。お母さんが働きやすい環境で仕事ができると、おのずとストレスフリーになり、旦那様や子どもにもゆとりある心で接することができる。お母さんが笑顔でいることが家族にとって一番の幸せだと思うから。

河西 お母さんと同じように、保育士さんもリフレッシュの方法を知らない人が多い。若い保育士さんも気持ちに余裕がないので、お母さんと同じように、ネイルサロンで爪をきれいにしたり、趣味の時間を増やしたりなどして、リフレッシュの方法を知れば、気持ちにも余裕ができて、子どもと余裕を持って関われることができるんですよね。保育士さんも日々業務に終われて、切羽詰まり、その積み重ねがストレスになり、精神を病んだり、子どもにあたってしまうケースもある…と最近よく耳にします。

浅野 実はちょうど今日、保育参観にいってきたんですよ。1日でしたが本当に疲れました(笑)保育園の先生たちは本当にすごい。今うちで保育士の先生たちが働いていますが、保育士さんは子育てのプロで私もいろいろと吸収できています。そこで思ったことは、保育士っていう働き方は無限だなということですね。うちの保育士さんが新しく「tsumugu(つむぐ)」という事業を始めまして、保育園でなくシッター形式なのですが、やっぱり0-1歳では共同生活を無理してする必要はないのかなと。プロの保育士さんが家に来て、子どもと1対1か親も入れて1対2でその子に合わせたプログラムで生活リズムをつくる。その保育の方がいつもと同じ保育、言えばおばあちゃんのような顔なじみで安心できるということですね。それが安定した心、のびのびと落ち着いた子どもを育てるんです。そういった環境がもっとあってもいいのかなと思います。今はまだ日本ではシッターもお金持ちしか利用できないけど、助成金が増えて来ているので、親も保育が選べるようになります。

河西 おばあちゃんのようにということですが、子どももシッターと顔なじみになると安心するし、情緒も安定しますよね。

河西

浅野 うちに勤める保育士も保育園を辞めてきた方なのですが、シッターで保育をすると個別の保育ができ、集中してその子にあった保育ができるようになるということです。集団保育だとどうしても時間に合わせて保育を行うことが必要で、取りかかりが遅かった子どもがようやく集中し始めた時に時間の関係でプログラムをやめなくてはいけなくなるなど、それが辛かったと言っています。中には対一が得意な保育士さんもいると思います。もっと保育士さんが自分で発信する力があれば、母親からも信頼が生まれ、変わると思う。

河西 脳の大きさはお腹の中では成長する大きさが決まっていて、生まれた瞬間から成長がはじまっているんですって。そして、2歳まで拡大し続けるようです。その大切な時期に、子どもを見るのは、今の世の中、ほとんどが保育園であり保育士です。理想的な環境としては、脳をしっかりと拡大させるようにするには、2歳までは1対1の保育がやはりいい。保育士は、子どものためにプロフェッショナルであるべきであって、自分の専門性を高めていく必要がある。それは自分自身の為にもだけど、一番は子どものため。

話は変わりますが、子どもに対1で接することができるシッターという職業は、自分の持つ能力を最大限に活かせられる仕事で、技術や専門性が接した子どもを通して反映されれば、クライアントさんに技術を認められて、自分の給料を上げることができるんですよね。給料が上がれば、自分の生活もよりよくなり、子どものためにももっとよい教育や専門的な知識や意識を高めようとする。これは、お互いにとって良い効果ですよね。しかし、保育現場は、資格をいくつ取得しようが、意識を高めようが、認めてはもらえても、お給料には反映されないので、そこから変えていくことも必要なのかな…とも思います。なにより、親も様々な知識を得れば、ただ保育士に子ども見てもらってありがたいでなく、子どもの人格形成を決める要素の半分を占める幼児期(保育園で過ごす時期)、このままでいいのか??って思うようになると思うんです。ここは、もっと子どもの発育に関して取り上げて、オープンにして、社会全体で変えてほしい。

浅野 今の保育園は幸いすごくいい保育園で、保育士さんもプロフェッショナルな人が多いです。園に対しては不満もなく、幸せだなと感じています。毎週どこかの親が見学しています。公立に預けている友人のお母さんは、キャラクターのおもちゃで遊んだりしていると聞きました。うちの園にはないのでそういう園もあるんだなと。

河西 親を(保育園に)呼べる保育園は、中身のある保育がしっかりしているからこそ呼べます。実際は、期間を決めてそれ以外は受け付けないところも多くあります。おもちゃに関しては、確かにキャラクターものは、直ぐに世界に入り込めるという理由ではいいんですが、飽きてしまうことが多い。そして、創造性が育ちづらくなってしまうこともありますよね。親も出来合いのおもちゃを買うのではなく、子どもに材料を渡して、似たようなものを作らせるくらいでいいんだと思います。私の中で大切にしている保育感があるのですが、とにかく1日1日を大切にするのが保育者であって、帰りの会で「今日何が楽しかった?」と聞いて、自分が考える3つくらいのうち1つでも入ってくれたらそれが嬉しいんですよね。保育士は子どもを見ているだけ、だと思われないためにはプロフェッショナルでないといけない。例えば、子どもたちが砂場で協力して何かを作ってるとして、端から見ると、遊んでるように見えるのですが、子どもたちにとって砂場で山を作って遊ぶだけでも役割があって、その中で小さな社会が作られている。側で、保育者が見ているように見えるけど、実は、その社会性を身に着けさせたり、子どもの伸ばしたい能力をしっかりプログラミングしている。そこに、保育士という専門性が表れていたりするんですよね。ただ、表には見えづらい部分なんでわからないと思いますが。

浅野 それはやっぱり話を聞かないと分からないですね。そういう先生が我が子を見てくれたら幸せですよね。

河西 極端に言うと、昔の先生は学ぶ意欲が高く、勉強したいという先生も多いですね。研修に行くと、年齢が高いベテランの先生も多く、もっと若い人が増えてほしいですし、保育士以外でも浅野のさんのように保育の大切さを発信していく人も増えて欲しいですね。

浅野 私も何ができるかわかりませんが、子どもが笑顔になることと、母親が笑顔になれることをやりたいですね。実はボランティア活動は以前からやっていて、新婚旅行で修道院で2週間住み込みで海外でボランティアしました。親がいない子どもたちと一緒にいたのですが、あの時は何も分からずボランティアをやっていて、帰るときに子どもたちも誰かを連れて帰ってくれると思っていたようです。「ワタシスコシニホンゴシャンベレル」と言われて、もし子どもができなかったらそういう子を受け入れられる、子どもや親を愛せる夫婦になれたらいいねと話しました。

河西 やはり保育現場だけでなく、周りから保育業界に関心をもって変えて言って欲しいですね。浅野さんはバイタリティもあるので企画やイベントで保育業界をもりあげてほしいですね。

浅野 今シッターしている知り合いの保育士さんが、保育士時代にあのときこうしておけばよかったということにすごく後悔があると言っていました、なのでそういうお母さんを増やしたくないと活動しています。私にイベントで何をしたらいいかという相談があって、私にできることは子どもはこれしかできないと思っているものを私がアートで壊せられたら面白いですよね。

河西 本当にそうで、日本は勉強しなさいといってばかりで、遊びをしなさいという大人が少ない。昔の大人は小さいときにたくさん遊びなさい、遊ぶ事で様々な経験をし、遊びの中から知識を得なさいと言うじゃないですか。今の時代は、1時間でも2時間でも長く勉強した方がえらいという風潮があって、それはどうなのかな?と感じる時があります。長く勉強しても、頭に入らなければやる意味は無いだろうし…。遊びは、子どもが自らしたいから親は何も言わないけど、勉強は言わないとしないから、口を酸っぱくして『勉強しなさい!』と言ってしまう…でも、よく考えてみると、自ら学ぶという点では、遊びのほうが遥かに学ぶことが多いんですよね。幼児期は、遊びからたくさん学んで、社会基礎(生き抜く土台)を作るべきだと私は思います。そして、「子どもはこれだけしかできない」でなく「子どもってこんなこともできるんだ」という考え方を大人が持つようになるよう、変えていけたらいいなぁ…とも思います。子ども自身はやりたいことがあっても、考え方や経験が浅いから限界がある。そこに気づいて、子どもの持つ才能を伸ばして行くのが大人の役割ですよね。

浅野 子ども向けコンテンツだけでなく、保育士向けや子育て中のお母さんにも楽しめるイベントがいいですね。子どもを保育士に預けて、お母さんのリラックスや子育てのヒントを得たりできるような企画をしたいの計画してください(笑)

保育士の専門性をもっと発信するために

河西 保育士さんは、自分のことを発信する力が少し弱いなぁ…と思いますが、保育士さんが活躍の場を広めるためにはどうしたらいいでしょうか?

浅野 やはり周りの保育士さんを見ても苦手な方や、子どもが対象ということでなかなか発信も難しいことも多いと思います。なので関わりのある私たちが活動を支援したり広めていくことができるのではないでしょうか。うちのお店は情報発信でInstagramをやっていますが、お客さん自身が子どもを載せてくれると嬉しいと思えるようなブランディングは必要ですね。「あの人が私の子どもを載せてくれた」と思えるような状態になると、ファンもついて行くと思います。保育だけでなく、それ以外のことも発信するのも大切ですね。私もネイルだけをアップしても、ネイルが好きな人にしか見てもらえない。けど、家族の風景や日常を発信することで、お母さんもフォローしてくれます。

河西 本当に素晴らしい日常ですよね。保育士も保育に特化するのでなく、個人のライフスタイルやできることをもっと発信して欲しいと思います。自分の考えに共感してもらい、広げて保育の大切さや、保育士という職業には、高度な専門性がある事を知ってもらう。保育士の価値を認めてもらうには、保育士も常に勉強し、意識や専門性を高めていくことが大切なのかもしれませんね。

浅野 由記子(あさの ゆきこ) / be born
東京・学芸大学駅にある託児所付きのネイル&アイラッシュのサロンを運営。サロンは保育士が在住し、母親が安心してリラックスできる空間を提供している。サロンコンセプトは「Timeless + Trend + Fashion = New Basic」。時代・文化・ファッションを結びつける New Basicな Styleを発信し、新しい価値を創造していく。
be born
東京都目黒区中央町1-15-21
河西 景翔(かわにし けいと)/ 保育士・子育てアドバイザー
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して平成14年に、保育士・幼稚園教諭の資格を取得。平成14~26年まで、保育士・幼稚園 教諭として現場で働く。現在は、保育の現場で働きながら、子育に悩むお母さんや、進路に悩んでいる学生に向けて、セミナーを開催したり、ウェブマガジン・ブログを通し、 子育てに関する情報を発信。「子育て中のママと、共に悩みながら最良の道を切り開く」を念頭において、日々奮闘中。ブログ「景翔の子育て情報局」はこちら

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