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音楽と保育の関わりって?子どもに伝えたい、歌がもつ力

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保育士の河西ケイトさんが保育業界の課題に対し保育業界以外の人との対談を通してよりよい保育のヒントを知ってもらおうといういう企画です。
今回は民謡シンガーで、全国の保育園を回り子どもに歌を届けているあびこめぐみさんに、音楽をはじめたきっかけや歌が保育にあたえる力について話を伺いました。

保育園で子どもに歌を届けるようになった理由

三線をはじめたきっかけ

河西 保育園を三線を使って歌って回るのってとても素敵ですよね。あびこさんが、三線を始めたきっかけを教えてください。

あびこ 昔から歌を歌うことが好きで、バンドをやりたいという思いで上京したんです。でも、思ったようにバンドのメンバーが集まらなくて。これからどうしようかと考えている時に、たまたま入った沖縄料理の店に三線が置いてあったんです。お店の方に「弾いてみない?」と声をかけられて、実際に触れてみたら…「思ったよりも私弾けるじゃん!」って。今まで楽器を触れる機会は無いに等しかったんですが、三線に触れてみて「これだ!!」と感じました。

河西 それは運命に等しいですね。三線はそれから直ぐに弾けるようになったんでしょうか。

あびこ 私が三線を始めた頃は、沖縄の音楽や沖縄の料理屋が流行り始めたときだったんです。その時、まだ三線を弾きながら歌うたいをする女性というのも少なくて。お店で舞台にあげられて歌う機会が多くなったのも、私にとっては三線との距離が近くなるものだったかもしれません。

保護者の声から保育園でも歌うように

あびこ 三線がうまく弾けるようになると、更に自信もついてきて、東京の沖縄料理のお店を巡業する事が多くなりました。不思議なことに、私の歌で「心が浄化される」「聞くたびに涙が出る」そんな言葉が聞こえてきて、東京だけでなく全国を回って皆さんのために歌い続けようと思ったんです。

河西 実際に私もあびこさんのライブに何度か足を運びましたが、会場で涙する方もいましたね。あびこさんの歌声を聴くと良い意味で鳥肌が立ちます。その後、全国を回ると同時に、保育園を回るようになったとお話していましたね。

あびこ 実は、会場にいる子育てをしている親たちから、私の歌声を聴いていると、「子どもが落ち着いたり、早く寝るんです」というお話を沢山いただいたんです。実際に、私自身も自分の歌声を録音して確認していると眠くなることもあり…不思議だな、これはなにかに活かせないかな?という思いと、民謡を子どもたちにも広げたいという思いから、知人で民謡を歌っているアーティストと共に、コンビを組んで「民謡を子どもの世界にも広げよう!」と保育園を回るようになりました。

歌と保育の関わりとは

子どもにも伝えていきたい民謡

河西 民謡って、敷居が高いというか、あまり馴染みがなくて…私自身があまり詳しくないのですが、民謡を子どもに広げようとおもったきっかけを聞いてもいいですか?

あびこ 民謡は「民の謡(たみのうた)」と書くのですが、とても奥が深いんですよ。今は、あまり聴く機会がなくなってしまったので、縁遠く感じてしまうかもしれませんが、昔は仕事が苦にならないために謳って気を紛らわそう…そんな意味も込められて歌われていたんです。なので、粉挽きを不寝の晩(ねずのばん)で挽いている時も、民謡が歌われているんですが、歌詞の中にも、粉挽きに関しての歌詞が書かれていたりして、民謡も追求するととても興味深かったりするんですよね。

子どもに何故、民謡が良いのかというと、ほとんどの民謡が歌詞が2番までしか無いのと、単調なものが多いので覚えやすいってところもあると思います。覚えやすいということは、歌いやすいですよね。最近の歌が悪いわけではないんですが、最近の歌は、歌詞そのものよりも、リズム重視のものが多くて、子どもの為には、歌詞もきちんとあって、その上にリズムがあるというのが大事なんじゃないかな?なんて感じるんです。

以前に童謡を集めたCDを販売しました。これは、沖縄風にアレンジしたんですが、発売後かなり好評で、やっぱり、子どもの寝付きが良くなったなんて話を聞きました。また最近ワンマンライブを行ったんですが、そこでも、私が作曲した「ねこはしる」という曲を歌ったんですね。これは、子どもも簡単に歌える曲なんですが、実際に会場にいる子どもたちと歌ったら、子どもの声に私自身が感動してしまって涙を流してしまうことがありましたね笑

河西 子どもの声って、瞳と同じで純真無垢ですからね…すーっと心の中に入ってきたのではないでしょうか?周りにいた方々もきっと同じ気持ちでいたと思いますよ。でも、これが流行りの曲だとしたら馴染めないというか…スッとは入ってこなかったりするんでしょうね。

あびこ そうかも知れませんね。だからこそ子どもたちに歌やリズムの大切さを、歌を通して伝えていきたいと考えています。昔から継承されている民謡や童謡がなくなるのは悲しいですから…余談ですが、沖縄の民謡も歌を歌ってはいけない期間があって、一時は途絶えようとしたんです。でも、おばあたちが壕の中でこっそりと小声で歌っていて、それを聞いた人たちが受け継いだから未だに残ってるんですよね。歌を通して辛さを軽減させていたとも言われているんです。

歌は心の薬だと思う

河西 民謡にはそんな悲しい背景もあるんですね。でも、沖縄の民謡って心が明るくなるものが多くて、聴いていると前向きになれたり、身体が踊りだしちゃったりするんですよね。歌には、心の悲しさを軽くさせるパワーも持っていると思います。

あびこ そうなんですよ。声を出すと身体にいいと昔から言われていますが、民謡を歌っている方々は長生きしている人が多いんですよね。声を出すと内蔵の動きも活発になるとも言われていますし。身体のためにも、溜め込まないで「声」出していきましょう!そして、音楽を難しく考えすぎてしまう人が身近に多くいるんですが、そんなに考えすぎないで、とにかく音楽が流れてきたら自分の思うように身体を動かしてみてください。不器用でも音痴でもいい。そこに自分らしさがあるんですから。

「歌を歌うこと」、これは、心の薬だと考えてほしいです。落ち込んでいても、なにか辛いことがあった時も、歌を歌うと心が少し軽く前向きになれませんか?そこに私達、大人が気づいて子どもに伝えていくのが大切な気がします。これからも、どのような形であれ、歌を歌うことを忘れないでほしいと思います。

音楽がもつ、心に響く力

河西 本当にそうですね。歌が持つというよりも、音楽が持つパワーは計り知れません。「音楽療法」「音育(おといく)」様々な取り組みが行われている背景には、今日話した内容のような事があるからなのかもしれません。子どもが辛い時、その辛さを「歌」を歌うことで少しはその辛さから逃げられるかもしれない。今回のお話を伺わなければ、「音の持つ力」に気づくことができず、子どもが辛くても音楽に触れるという回避方法を教えてあげることができなかったでしょう。

今回こうして「おと」「うた」の大切さを学んだことで、子どもたちにまた一つ、保育の手段としての音楽を教えていくことができそうです。辛くなくても、子どもは歌が好きですから、沢山声を出して心も身体も健康でいられるように、日々保育の中で伝えていけたらと思います。子守唄のレパートリーも増やしたいので是非今度教えてください!素敵なお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました。

河西景翔さんのブログはこちら
景翔の子ども情報局

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