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子育てが難しい今保育士に求められること~保育士おとーちゃんのコラム~

家族支援・子育て

保育士おとーちゃん(須賀義一)保育士おとーちゃん(須賀義一)

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ほいくらいふをご覧のみなさま、はじめまして。
このたび、ほいくらいふに寄稿させていただくことになりました子育てアドバイザーの須賀義一(すがよしかず)と申します。

公立保育園で勤務し、現在は”子育てアドバイザー”として、子育てについての執筆や監修、講演、保育研修などの仕事をしています。

子育てのワークショップでは、直接お母さんお父さんたちの子育ての悩みを聞き、「こんなことをしていくといいですよ」といったことをお伝えしています。

子育てが難しい時代

子育てが難しい時代

子育てって、子供の親になれば誰しもがするのだけど、いまの時代はなんだかとても難しくなってしまっていますよね。

昔だったら、僕のような子育ての仕方を研究してそれを伝える人など必要なかったことでしょう。でも、いまはそうではなくなっています。多くの人が子育てに不安を感じたり、実際に難しさに直面したりして悩んでいます。

「保育」と「子育て」は似ているけど、同じではないですよね。保育士の学校を出た人でも「子育てについて何か習いましたか?ちょっと考えてみてください」と質問したら、「う~ん…」と考えてしまうのではないかと思います。

それでも保育士は保育の現場に入り、子供と関わる経験を経て、だんだんと「こういうときには、こうやって対応していけばいいんだな」ということを自然と身につけていきますね。

しかし、いま子供の親になった人たちは、「はじめてちゃんと関わった子供が我が子」という人だって少なくありません。それでいきなり、「365日24時間がんばってね」と言われるようなものです。しかも、見本になる人や手伝ってくれる人はほとんどおりません。

それでうまくできちゃう人がいたら、そのほうがすごいですよね。うまくできなくて当たり前、不安や悩みが多くて当たり前な時代になっています。

それでいて、女性も男性と同じように働いています。時間的、精神的、肉体的な余裕がないまま、子育てもしなければならないわけです。

いまの保育園は、そういった子育てする人たちを支えていかなければならなくなっています。
もはや、保育時間の間だけ子供を安全に預かっていれば、それで保育の仕事が全うされるわけではありません。

保育士は子供に対する専門家として、子育てする人に「こんな風に子供と関わっていくといいんですよ」といったアプローチをするなど、育ちの安定していない子供を保育園でしっかり受け止めて、親が関わりやすい子にして家に帰してあげるくらいのことをしなければならなくなっています。

それが、現代の保育士に与えられた社会的な役割ではないかと僕は思っています。

お母さんたちから寄せられた相談

子育て_大変_保育士おとーちゃん

かつて、しばしば保育士から親に投げかけていた言葉があります。いまでも、ときどきそれを言われたお母さんたちから相談を受けることがあります。

それは保育士から向けられる
「あなたのお子さんは愛情不足になっています、ご家庭でしっかり見てあげてください」
という言葉です。

かつてはそう伝えることで、なんとかなっていたのかもしれません。いまこの言葉を言われた人は、大変傷ついて自分を責めてしまいます。ついでに言うと、保育士も保育園も大嫌いになります。

僕も保育士ですから、ここでその保育士が言わんとする意味はわかります。
子供が心の安定を欠いていたり、荒れていたり、落ち着けなくなっていたり…。でも、それは親に”愛情がないから”では少しもありません。

子供への関わり方がわからなかったり、うまくできなかったりするために、子供にとって必要なものを家庭で与えられなくなっているからなのです。

かつての保育士は、「子供が荒れていますよ。家でもっとしっかりやってちょうだいね」と言えばそれで仕事が済むことが多かったのでしょう。

しかし、いま同じことをすれば、親は子供へどう関わればいいかわからないところに、さらに追い打ちをかけられて自分や子供を責める方向へいってしまいます。

いまの時代に必要なのは、漠然とした「どうしなさい」ではなくて、「こうやってみるといいですよ」という具体的なアプローチの仕方を伝えることでないかと思うのです。

具体的なアプローチとは?

保育士おとーちゃん_くすぐり

僕はそんなとき、例えば「くすぐってみて下さい」とお伝えしています。

子供への関わりが得意でない人でも、くすぐるだけなら大抵の人はそこそこできます。
忙しくても時間もそんなにかかりません。

「くすぐり」には、子供への関わりのとても大切な3つのことが、ぎゅっと詰まっています。(ただし、中にはくすぐりなどの接触を好まない個性を持った子供もいます)

その3つのこととは、
◆積極性
・・・大人の方から関わってあげる

◆共感性
・・・子供と同じ気持ちになってともに楽しむ

◆身体の心地よさ  

いわゆるスキンシップです。
ただ相手をしてもらうだけでなく、しっかり身体で実感することにより、その関わりはより密度の濃いものになります。

難しいことを言おうと思えば、いろいろと理屈はありますが「だまされたと思ってやってみてください。きっとお子さんと関わるときに楽になりますよ」そんな感じでもいいのだと思うのです。

子供の姿が、難しいもの、関わりにくいものになったとき、それは保育の中でも同じことが言えます。”言うことを聞かない子””集団行動ができない子”がいたとき、叱咤激励してやらせてしまうこともできるでしょう。

しかし、それは怒られるから、叱られるから従うだけで、その子自身が自分からやろうとする力を育んだわけではありませんね。

その力を育むためには、子供が必要な心の栄養素をまず満たしてあげる必要があるのです。”くすぐり遊び”は、そのための特効薬になることでしょう。

それが”どうしてなのか””なぜいまの家庭(保育園)ではそれが必要になっているのか”は、またの機会にお伝えしたいと思います。
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保育士おとーちゃんこと須賀義一さんの本『叱らなくていい子育て』
子育てにおけるさまざまなヒントが散りばめられています。
無理なく楽しく子育てができる内容です!

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この記事を書いた人

保育士おとーちゃん(須賀義一)
1974年生まれ。公立保育園勤務の後に退職し、現在は子育てアドバイザーとして講演、執筆活動を行なっている。従来の子育てを見直し、個々を尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。 二児の父でもあり、保育士としての経験を生かした子育てブログ『保育士おとーちゃんの子育て日記』が多くの人の支持を得る。難しくなりがちな現代の子育てを具体的に楽しいものにしていける方法を提案している。著書に『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)がある。→著書『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)はこちら →ブログはこちら
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