保護者との上手なコミュニケーションの取り方~お迎え・面談編~


保育園には、さまざまな家庭環境の子どもがいますね。
両親の共働きはもちろん、ご主人が単身赴任で平日はいらっしゃらなかったり、夜勤や出張が頻繁にある仕事をされていたり、シングルマザー・シングルファザーとして日々子育てに仕事に大忙しの保護者の方もいらっしゃいます。
私たち現場の保育者は、このように多様な環境下で過ごされている保護者の方々と、限られた時間の中で良質なコミュニケーションを取ることの重要性を感じている方が多いと思います。
なぜなら、保護者と保育者がベストパートナーとなり、ともに子育てをする協力者であることが子どもを育む上で大切だからです。
そのため、普段からコミュニケーションを取り保護者との関係を築くことが重要になります。日々の業務をこなしながら限られた時間で、どのようにすれば良いのかと悩んでいる保育者も少なくないでしょう。
今回は、コミュニケーションを取る上での気軽で簡単なポイントをお伝えいたしますね。
明日からスグ実践できる!コミュニケーションの取り方のポイント
お迎え編
・お迎えの際に、1日の中で「素敵だな」と感じた子どもの姿を伝える
「素敵だな」と感じた場面をいくらでもシェアしてください。そのような報告は、保護者にとって子どもへの愛を再確認するきっかけになります。私たち人間は”愛を確認すること”で、心と心がつながり合い、より深い親子関係を育むことができるのです。
我が子と一緒に過ごす時間が物理的に少ない保護者にとって、自分の知らない所での子どもの素敵な姿を他者から聞くことほど、愛おしくて嬉しい瞬間はないと思います。
保護者の方々に余裕がなく、アッサリと聞き流されたように感じることもあるかもしれませんが、毎日毎日伝え続けてください。続けることでいつの日か実を結び、保護者と保育者の間に尊い絆が生まれます。
- 【実例】毎日伝えたことで保護者との関係が変わっていった
何より、保護者の方の笑顔が増えました。「子育て・仕事でいっぱいいっぱい」「表情が硬かった」保護者の方も、毎日伝えることでだんだんと表情が柔らかくなり、気づくとお互いの間に信頼関係が生まれていました。
「毎日会うたびに癒される」そういう関係性って素敵ですね。
会話編
・会話の中では”聞く”ことに徹する
聞くことの本質は、相手をそのまま包み込み称賛することです。”聞く”の中には相手への敬意があります。
育児の相談やたわいもない会話のやり取りの中で、自分の話をただただ聞いてくれる存在がいることは大きな安心につながります。保護者の話に対してうまく返答しようなど頭を使わずに、ただただ聞いて共感してください。
共感は、とてもパワフルなものです。聞いている保育者にとっても、続けていく中で自分の心が癒されていくことに気づくと思います。
- 【実例】聞いて共感していく中で、自分自身の心が癒されていくことに気がついた
“聞く”ということは、相手をあたたかく受け入れるということです。それを繰り返していくうちに、自分への肯定感も高まっていきました。
保育者として保護者を包み込み応援していくには、まず自己信頼をしっかりと築くことが大切です。「相手の話をただただ聞いて共感していくこと」は自己肯定・自己信頼への近道になります。自分を愛し、自分を信じている保育者の方は素敵ですね。
保護者面談の時に気をつけたいポイント
面談というと、限られた時間内で「何を話そう?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか?
話すことに意識を向けるのではなく、「聞き出す」ことに意識を向けてください。普段は忙しそうでなかなか話せなくても、1対1の会話だからこそ話してくれることがあります。本当はどう思っているのか、本音を聞くことで子どもへのケアがより向上します。
保育の質を高めるのに大切なのは、子ども一人ひとりへの深い理解です。子どもの姿は保護者の鏡。その子を理解したいのであれば、保護者を理解する必要があります。
そのために必要な声かけは「何か気になることはありますか?」の一言です。あえて決まったテーマには触れず、気になることを聞いてみてください。そこで相手の言った1番最初のフレーズが、素直な答えでしょう。
その答えについて、ただただ聞いてください。聞きながら、相手の想いを感じることで言葉以上に受け取るものがあると思います。
- 【実例】保護者の回答に対してどのように対応したか
保護者の方から「○○に困っている」という回答をもらった場合は、私は下記のように答えました。
「そうなのですね。◯◯が気になっているのですね。」
「それは、どうなったら良いと思いますか?」
「そうなのですね。◯◯になったら良いと思うのですね。」
「なぜ、◯◯になったら良いと思うのですか?」
という言葉の繰り返しです。
面談は、そこで全てを解決するための話し合いの場ではありません。面談の意図は、保護者の話を1対1で聞くスペースを提供することです。日々忙しく、ゆっくり会話をする時間もない保護者にとって、自分だけの話をじっくり聞いてもらえる環境は、心が癒され救われます。
その癒しと救いの場が面談なのです。保育者に話を聞いてもらった保護者の方は、心が晴れやかになり子育てへの不安が解き放たれ、「自分は1人じゃないんだ」「明日からも頑張ろう」と心から思えます。その瞬間こそが最大の価値なのです。
保護者が安定することで子どもも安定し、それがより良い生活へと循環していきます。私たちは、面談という名の”癒しの場”をプレゼントしているのですね。そう考えると、面談って素敵だと思いませんか?
コミュニケーションの”シンプル”さ、そして”奥深さ”を感じていただけましたか?
「うまく話そう」など、難しいことは一旦手放してくださいね。保護者である前に1人の人として敬意を払い、保育者である前に1人の人として自分へ称賛を贈りましょう。
私たち大人が、互いに良質な関係を築くことが、子どもたちにとって何よりものプレゼントになります。
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保育コンシェルジュとして活躍されている仲宗根晶さんのブログには、保育のヒントとなる内容も多く載っています。
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●アメブロ→【真理を解き明かすのが好きな”保育士らしくない保育士”Akiの「すべてはうまくいく子育て・保育」】
みぴょんさん(2016年8月2日)
まだ入ったばかりで若いですが、保護者の方とも信頼関係を築いていきたいので
とても参考になりました!