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【保護者対応】苦手なママがいるんです~信頼される保育士が実践している3つのこと~

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こんにちは、保育・教育ティーチャーサポーターのクーミンこと眞田 久美(さなだ くみ)です。
前回は、子どもが本当に好きなのかわからないと題して、「子どもとの関わり」について、お話しさせていただきました。今回の「保育士のお悩みレター」第2回は、「子どもとの関わり」と同じようにご相談いただくことが多いトピック、「保護者対応」についてです。

保育士からの相談~苦手な保護者がいるんです~

保育士が苦手な保護者
ある保育士の方から、こんな相談をされました。

2歳児のクラスを担当しているのですが、難しい保護者がいるんです。
ちょっとしたことですぐに保育園に電話をしてくるから主任にも「ちゃんと確認しているの?」って注意されるし…。
そんなことばかり気にしているから、保育以外のことでストレスになっているんですよ。
ああいうママには、どうしたらいいのでしょう?

私も保育士だった頃、「ちょっと神経質なのでは?」と思われる保護者や、反対に「何かとルーズだな」という保護者がいました。そのたびに、「あのお母さんと話すの嫌だな」「また何か言われると面倒だな」と思ったことがあります。

特に新人の頃は、子どもと接すること(保育)に一生懸命で余裕がありません。一日、バタバタと保育しているうちに、お迎えの時間になってしまい、何か抜けていたことにも気が付かないことがあったり、自分では大したことないと思っていることでも保護者の中にはすごく気にする方がいたり…。
「え~、何でそんなことで文句を言うわけ?」と思ってしまうこともありました。それだけ、保育・教育は、全神経が子どもに向かう仕事でもあるのです。

保育・教育業界にいると、子どもとの関わり方ばかりに気持ちが傾いてしまい、背後にいらっしゃる保護者の方の思いを忘れてしまうことがあります。

もちろん、いろいろな保護者がいますので、時には子どもの思いを理解してほしい…と思わせられる場合もありますが、保護者の声を聴くことも保育園・幼稚園・学校任せにさせず、共に成長を見守るという意識を持っていただく大切なコミュニケーションなのです。

モンスターでない保護者をモンスターにしてしまう危険性

保育士とモンスターペアレント

少子化の時代、一人っ子家庭が多くなり、両親も一人の子どもにかける時間やお金が大きくなっていることで、過保護に見えることも多々あります。そのため、子どもを預ける施設に対して、理不尽と思われるクレームを言ってくる保護者も少なからずいるものです。
しかし、そのような、いわゆる「モンスターペアレント」は、実はほんの一握りです

そして、保育士本人が「難しい」「うるさい」「モンスター」と思っているだけであり、コミュニケーションの仕方を少し変えるだけで、そう思わなくなるケースが殆どなのです。
先ほどの、ご相談いただいたその保育士にさらに深く聞いてみました。

「例えばどんなことで電話をしてくるの?」

保育士「『タオルが入ってなかった』とか『服が汚れているけど、何をして遊んだのか』とか…。
忘れ物は、こっちの不注意かもしれないけど、服が汚れているのは、連絡帳の“今日の活動”を読んでもらえればわかるのに…。
タオルは、子どもたちがおやつの後に手を洗ったら、自分のタオルをバッグに自分で入れるようにしているのだけど、〇〇ちゃんが入れ忘れたのかもしれないし、忘れて帰ったことに気がついて電話しようと思っていたら、かかってきちゃって…。」

「保護者にそう言われた時、どう応えているの?」

保育士「もちろん、不注意は謝ります。でも、入れ忘れとかはいつもじゃないし、そうではないことで私に文句を言うことが多いんです。クレーマーなんじゃないかと思うのです」

彼女は、とても気落ちして話していましたが、先述の保護者に対する前提(背後にいらっしゃる保護者の方の思いに気づく)を変えることで、気持ちが大きく変わると思いました。

何か失敗してしまった時に自分だけの責任と捉えない

保育士、失敗した時の考え方

真面目に、一生懸命やっている先生ほど、失敗してしまったことに動揺してしまい、小さな言い訳を言ってしまいがちです。そして、そのような小さな言い訳が続いてしまうことで、初めは「大丈夫ですよ」と言っていた保護者も、この先生、本当に大丈夫かしら…?と不安になってしまい、それが不信感となってしまうのです。

例えば、園で使用したタオルを持ち帰らせることを忘れてしまったことで、保護者が「タオルが入ってない」と電話をかけてきたのであれば、「〇〇さん、タオル入れ忘れてしまってすみません。」に一言、「こちらで水洗いしておきますね」や「濡れているので、乾かしておきますね」などと添えてみましょう。

保育園に子どもを預けているお母さんは、仕事をしながら子育てしているので、このようなちょっとしたママ目線の心遣いをしてくれると嬉しいのです。
そして、このような不注意についてのクレームは、あなた自身へのクレームと思う必要はありません。
不注意が起こらないように、クラスで、または園で対策を考えれば良いことです。
複数担任であれば、同室の保育士と方法を考えたり、先輩保育士に良い方法はないかと尋ねたりして、工夫をしましょう。

保護者に安心してもらえる保育士が実践している3つのこと

保護者から信頼される保育士

何かと保育園に連絡してきたり、文句を言ってきたりする保護者は、不安を感じているからなのです。
それは、保育園に対して不安なのではなく、実は、お母さん自身が子どもを預けていることに不安なことが多いのです。
その点を理解するだけで、保護者への視点が変わります。そして、子どもの味方=お母さんの味方ということを示すことで、保育士(保育園全体)への信頼につながっていきます。
その信頼関係を作るために具体的にこのようなことをしてみましょう。

大きなケンカ、けが、体調不良などは、すぐに責任者に伝える

保護者は、起こった事象より、その出来事を後になって知ることの方が不信感を抱きます。緊急時の連絡体制にしたがって、責任者から保護者へ早急に連絡してもらいましょう。

普段、友達同士で使っているような言葉や態度を子どもや保護者の前では避ける

保育士は、保護者にとって、子どもたちの先生であり、親の代わりでもあります。
保護者とざっくばらんに話せることは大変良い関係ではありますが、一人の社会人として、恥ずかしくない言葉遣いをすることは、安心感につながります。そして、保育園に預ける多くのお母さんが、お母さんであることと同時に一ビジネスウーマンでもあります。「〇〇さん」と呼びかけることで、お母さん個人としての存在を認めることにつながります。

自身の家庭の常識を職場に持ち込まない

特に子育て経験のある保育士は、自分の子育ての経験をつい園でも出してしまいがちです。
もちろん、保育士の子育て経験が新米ママにとって大きな励みになることも多々ありますが、どの家、どの保護者にとっても当てはまる常識と思ってはいけません。そして「子育て」と「集団においての保育」は、基本的に別と考えましょう。

一人で抱えない保育

保育士の仕事はチームワーク

保育の仕事は、チームワークです。家庭教師やベビーシッターなどと異なり、一人で行う仕事ではあり
ません。園によって方法は異なりますが、基本的に日ごと(週ごとの場合あり)に役割分担が決まっているケースが多いと思います。
したがって、日案や週案に沿って子どもたちをリードする役、活動の準備をする役など、複数の先生が同じことをするようなことは大人数でのイベントを除いて、普段のクラスワークでは滅多にないと思います。

複数担任であればクラス内で分担の確認や必要な時はダブルチェックできる方法を決めておくこと、一人担任の場合は、隣のクラスやフリー保育士、主任保育士との連携などを決めておくと良いでしょう。

そして、何よりも、保育士同士や園で定期的にミーティングをし、不安なこと、疑問に思うことは早い段階で解決するようにしましょう。

おわりに

苦手な保護者対応 まとめ

いろいろな子どもがいるように、保護者もいろいろな方がいるものです。お迎えの時には、子どもが笑顔だったこと、夢中でやっていたことなどを一つ、話して伝えましょう。もし、早番などでお迎えの時に保護者に会えない時は、連絡ノートや一言メモを添えておくということでも良いかもしれません。

ちなみに、モンスターペアレントと呼ばれる親は、私が四半世紀にわたりみてきた保護者、1000名近いと思いますが、ほぼいません!(ただ、こちらが気がつかなかったら、モンスターになってしまったかもしれないという保護者はわずかにいましたが…)
保育園に預けている保護者は、ただでさえ、後ろめたさや預かってもらっているという負い目を少なからず抱えています。

保育士は子どもたちを保育するだけでなく、保護者と共に子どもたちの成長を見守るという大切な存在なのです。

このコラムが、少しでも保育士の皆様の心を軽くでき、お役に立てれば嬉しいです。

クーミンのブログはこちら
≫『言葉が心を育てる…保育・教育ティーチャーサポーターの思う”こころ育て”』

クーミンは保育者向けのセミナーなども行っています。
≫『K.Sティーチャーズマインドサポート』

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コメント

  1. みやママさん(2021年5月15日)

    クーミンさま
    私は、4歳児の母です。
    仕事をしており、2年前よりこども園に我が子を預けています。

    クーミンさまの投稿を拝見し、モンスターでない親をモンスターにしてしまう危険性がある という記述にとても納得しました。
    現在子供を預けている園の保育士さんは、お迎えの際に必ず「子供ができなかった事」を子供の目の前で伝えて来ます。できなかっことに対し、家庭での様子を確認したりアドバイスを下さることはない為、こちらは、毎回 それは申し訳ありません。お手数おかけします。と返答するしかないのです。不出来を指摘することによって得られる、有益な事はあるのでしょうか?
    でも、私が正直な気持ちを伝えても「あの親は分かってない。」等という捉え方をされた場合、その矛先は我が子に向かうのではないかと心配になり、伝えることができません。
    このような先生が担任の場合、親が意見してモンスターペアレントと扱われるか、転園するしか選択肢はありません。

    クーミンさまのおっしゃるとおり、お迎えの時には、子どもが笑顔だったこと、夢中でやっていたことなどを伝えていただけたら、どんなにありがたいか…。
    でも現実は、そんなに素敵な保育士さんとは巡り会えません。

    • 匿名さん(2021年5月18日)

      あやママさん

      コメントありがとうございます。

      そうでしたか。毎日、そのようなことばかり聞かされては、嫌な気持ちにもなりますね。
      お子さんも聞こえていれば、「できない」自分が前提になってしまい、できることにも自信がなくなってしまうと思います。

      個人的には、マイナス・ネガティブな言葉は大人同士でも避ける方が互いにプラス思考になると考えています。

      できないことを伝えて、改善を求めているわけでもないと言うことであれば、担任の先生も(良くないことですが)ご自身の言っている言葉を意識していない可能性もあります。

      そのような場合、園長先生や主任の先生にご相談されてはと思いますが、「言いつけた」と誤解されてしまうことが不安であれば、あやママさんの方から逆に「今日、良かったところはありますか?」と尋ねてみてはいかがでしょう。

      本来は、保護者の方から言われることではありませんが、そう聞かれて、担任の先生が言葉につまるようであれば、「良いところも見てくださるとうれしいです」と伝えても良いかもしれません。

      その言葉に子どもたちの良いところを意識的に見るようになるかもしれません。

      保護者からの指摘に対して、その怒りの矛先を子どもに向けることは、人としてしてはいけないことだと思います。
      増してや、子どもに関わる職業であればもっての外です。

      保育士に関わってきた者として、そのような辛い思いにさせてしまって申し訳ありません。
      少しでも保育士の質の向上に努めてまいりたいと思います。

      眞田 久美

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