チームで保育する!を考える~求められる主任力とは?~


保育園の中で、多くの役割を持つ主任という立場。園長の補佐から事務仕事、保育指導に保護者対応…園全体のマネジメントを任されている主任。園のために、子どもたちのために、日々たくさんの役割をこなしている主任の仕事量は半端ではないでしょう。
その主任の役割の中でもとくに大切なのが園内の人間関係作り。主任の皆さん、日々どのようなことに取り組まれていますか?よりよい人間関係をつくるために、主任の立場でできることを一緒に考えてみましょう。
主任の影響力、知っていますか?
多くの主任の方と出会ってきた私ですが、今でもよく覚えている主任がいます。
園長の横で事務仕事をテキパキ行うのはもちろん、保育室に顔を出しては子どもに声をかけたり、大変なときは応援に入ってくれたり、とても頼りがいのある主任でした。その姿には、何かあったら主任に相談しようと素直に思える安心感があり、主任がいることで園内の雰囲気がとてもよかったのを覚えています。
主任によって園全体がひとつになる、それぐらいの影響力が主任にはある!とそのときに思いました。
園内のさまざまな意見を聞いたり、困ったことを相談されたり、主任という立場での苦労は多いでしょう。しかしそれは、あなたが安心して話をすることができる主任だからです。
もし主任が、職員に指示を出して仕事をやらせるだけだったら…見えないところで不満がたまり、保育も人間関係もうまくいかなくなってしまうかもしれません。あなたは主任としての自分が園内に与えている影響力…考えたことがありますか?
主任は園内人間関係のパイプ役
園運営全体にかかわる主任の仕事は、会社組織にたとえると中間管理職。園全体の調整役ともいえます。
クラスで保育をしている保育士にとって、クラス内の人間関係や他クラスとの連携、保育に対する思いや後輩育成など、何かあったときに一番初めに相談するのが主任ということも多いでしょう。
直接園長に言えないことも主任から伝えてもらうことで、園内の人間関係がうまくいくこともありますよね。私も主任の一言に救われた!という経験がありました。主任のあなたの存在が園内人間関係のカギを握っている…まさに園内人間関係のパイプ役だといえるでしょう。
チームでの保育をよくするために求められる主任力
園内人間関係のパイプ役である主任。チームでの保育がよりよく行われるために、主任としてどのようなかかわりが求められているのでしょうか?主任に必要な3つの能力から一緒に考えてみましょう。
客観的に全体を見る
職員からさまざまな相談や意見、思いなどが聞こえてくると何がどうなっているのか混乱しますよね。そのようなときは意識的にちょっと離れたところから全体を見ることが必要です。
あなたが客観的に見ることで、当事者には気づかないことがわかることもあります。振り回されない、巻き込まれない、全体を見る目は大切ですね。
相手を理解し感情に寄り添う
園内人間関係の不満、不安、不愉快なできごとなど、いろいろな立場の職員から相談を受けることがあるでしょう。
職員としては、解決よりまず聞いて欲しい!という気持ちが強いので、良し悪しを決めたりジャッジしたりせず、相手の感情に寄り添った聞き方をしましょう。そしてどうなったらよいのか?ということを一緒に考えていくことができるとよいですね。
コミュニケーションを意識して取る
各クラスで起きていることは、見たり聞いたりしないとわかりません。できるだけ声をかけたり、直接子どもとかかわったり、コミュケーションを取ったりすることで職員との信頼関係を築いていきましょう。
一人ひとりの職員の成長など、感じたことを伝えていくと、あなたのことばでやる気になることもあります。主任の一言は影響力大!ですよ。
パイプ役として相手に伝えるために大切なこと
園長から保育士へ、保育士から園長へ、伝えたいことを直接伝えるより間に主任が入ることでスムーズに話が進んでいく…そう、主任の「伝える」という役割は重要です。一方的にならない伝え方、伝えたいことが伝わる伝え方を考えてみましょう。
伝える相手の立場に理解を示す
どんな相手も、自分をわかってくれる人には心を開きます。言いたいことを伝える前に、日々の保育の様子や相手の立場を理解していることを伝え、思いやりを持って接することが大切です。まずは相手との信頼関係を作りましょう。
伝えたい事柄より、思いを伝える
「~して欲しい」「~が困る」という事柄を伝えることよりなぜ~して欲しいのか、どこが困っているのかという伝えたい側の思いに寄り添い、主任自身が話を聞いて感じたことなども伝えていきましょう。
主任自身の意見や思いは最後に
話を聞いて感じたことは伝えるけど、自分の意見や思いは脇に置くというのも大事なことですね。
「どうしたらいいか?」と意見を求められたら伝える、または「私の意見も伝えていいかしら?」と確認してから伝える、ということを意識しましょう。パイプ役として伝えるときは、思いを運んでいる、届けているという自分の役割を忘れずに。
保育園での主任の大切な役割とは
主任という立場だから園全体を管理しなくては…と、指示命令や正しさを強制するばかりだと、職員の心はつかめません。園のためによかれと思って行っていても、空回りになってしまってはもったいないですよね。
園内の人間関係作りは日々の小さなかかわりが大切です。挨拶から始まり、主任という役割を越えたあなたの人柄がメンバーに伝わっていくことで、信頼関係が築かれていくのです。
行事も保育計画も保護者とのかかわりも、全てクラスでのチーム保育がうまくいくことでよりよいものになっていくと思います。そう考えると、各チームで起きていることを把握し、メンバーの成長のためのサポートをしていくのが主任の大切な役割ではないでしょうか。
経験豊富な主任の皆さん、あなたは頼りにされています!チームで保育する職員を支えているのはあなたですよ。
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