お遊戯会・発表会にオススメの劇遊びと台本作成のコツ

お遊戯会や生活発表会での劇の脚本や衣装、背景など全て保育者自身で行う園もあり、家に持ち帰ったり休日出勤したり…準備に追われる保育士さんも多いのではないでしょうか。
その中でも特に悩むのが、劇の内容と構成…今回は、台本の書き方のコツと年少さん向けの劇遊びの案を紹介します。
お遊戯会!台本の書き方のコツ
お遊戯会・発表会を行う時に書く台本。何から始めていいのか、どのような内容にしようか悩んでしまいますよね。台本を書くまでの流れを一度決めておけば、今後も考えやすくなります。ここではまず基本的な台本作りの手順をお教えします。園によって、方針もさまざまなため、参考にしつつ、経験を重ねる中で作りやすい方法を見つけてくださいね。
①題材を決める
題材を考える際、たくさんの保育雑誌や絵本を見るのも良いですが、まずはクラスの様子を観察してみるのがオススメ!クラスで流行っているものは?人気がある遊びは?など子どもたちの遊びから多くのヒントが得られることでしょう。そんな子どもたちにとって関心の高いテーマを盛り込むことで、楽しみながら劇遊びに発展させることができます。
- 1.クラスの子どもたちの様子を見る。
2.興味のある遊びは何か考える。
3.2からクラスみんなが楽しんで取り組めそうな内容をいくつか検討する。
②おおまかなストーリー、曲や歌の候補を考える
題材がいくつか絞られたら、それぞれのおおまかなストーリーを考えてみましょう。この時点で関連する絵本を参考にしてみるのも、いいと思います。ストーリーがざっくりできてきたら、保育中にクラスみんなで遊べるよう計画をたてます。実際に遊ぶことで、子どもたちの反応を見ることができ、題材が絞りやすいですよ。歌も同様です。
- 1.メモ書き程度でおおまかなストーリーを考える。
2.実際にクラスのみんなで遊べるよう日案をたてる。
3.クラスで遊んでみる。
4.子どもたちの反応を見て組み立てたストーリーを再検討する。
③登場人物を考える
おおまかなストーリーの流れが決まったら、そのストーリーとクラスの人数に合った登場人物を考えます。目安として一つの役に何人までなれるか、人数が偏った時はどうするのかも合わせて決めておくと、後々修正が少なく済みます。
- 1.登場人物を考える。
2.役に対しての人数の目安を決める。
3.人数が偏った時の対策を考える。(例えば、登場人物を減らす、増やせるようにしておく。それぞれの登場人物のよさを伝える。など)
④ストーリーをしっかり決める
登場人物が決まったので、②でおおまかに考えたストーリーを煮つめていきます。この段階で全てを決定するのではなく、まずはオープニングとエンディングをしっかり決めましょう。台詞も考えますが、劇遊びをしながら変わっていくことがあるので参考までに決めておくと良いでしょう。
- 1.オープニング、流れ、エンディングの部分を考える。考えやすい部分から取り組むと決めやすい。
2.台詞も考えておく。
3.流れや見せ場、子どもの動きを意識して、全体を読み返し修正していく。この時、それぞれの役の出番回数や台詞の長さに偏りがありすぎないかもチェックしましょう。
⑤歌や曲を考える(最終調整)
ここまで考えられたら、歌やBGMも決めましょう。遊びの段階から流したり、ピアノで弾いたりしておくとお遊戯会や発表会やに向けてつなげやすくなります。
- 1.歌う歌やBGMを考える。
2.メインの歌を決める。
3.台詞をいう時の合図の音なども考える。
⑥構成(小物・大道具・背景・配置・照明)を考える
小物や大道具、それぞれの配置はこの段階で決めておいた方が、保育者自身イメージがついて、劇遊びを進めやすくなります。また、本番とは別に遊び用に簡単な物を作っておくと、子ども達たちもイメージがしやすく楽しめますね。
背景は、場面を表現するにも大切な物になるので、内容、位置、枚数を決めましょう。照明は後からでも大丈夫ですが、合わせて考えると楽ですよ。
- 1.小物・大道具を考える。
2.背景を決める。
3.それぞれの配置を考える。
4.照明を決める。(暗転・ピンスポット・色など)
⑦衣装を考える
内容が決まったら、最後は衣装です。「子どもたちが激しく動くのであれば、かぶり物はなくす」など、動きやすさや安全性を考慮すると決めやすいです。かぶり物がある際は、事前に保護者の方に、髪型の注意点など伝えられますね。
- 1.全体の衣装の形、素材を考える。統一することで一度で大量に作れ、全体のまとまりも出る。
2.役ごとの衣装を考える。
劇遊びの紹介~年少編「うみバス」~
あらすじ:ここは海の中。今日はパーティーがあるので、海のお友達はバスに乗って会場まで向かいます。しかし、最後にカニさんがバスの切符をなくしてしまいます。果たして無事に到着することはできるのでしょうか?
N=ナレーション
♪=ピアノ
♪歌=みんなで歌う
♪:チャンチャン=ドミソの和音(台詞の合図)
【 】=子どもの動き
- タイトル『うみバス』
N:ブルル~ン。ブルル~ン。うみバス~。うみバス~。海のパーティー行き~。どうやら今日は海の中でパーティーがあるみたいですよ。どんなお友達がパーティーに来るのかな?
♪:(タコ登場)
ソ ファ ミ レ ド レ ミ ファ×2
ド シ ラ ソ ファ ソ ラ シ×2
N:ピンポーン。次はタコ駅前~タコ駅前~。
♪:チャンチャン
タコ:「はーい!乗りまーす!」
♪歌:♪バスごっこ 作詞:香山美子、作曲:湯山昭
♪:チャンチャン
タコ:「ドレスを着てパーティーに行ってきまーす。」
♪:【タコは後ろにある椅子に座る】【サカナ登場】
ミーソ ミーソ ファーラ ファーラ×4
N:ピンポーン。次はサカナ駅前~サカナ駅前~。
♪:チャンチャン
サカナ:「はーい!乗りまーす!」
♪歌:♪バスごっこ 作詞:香山美子、作曲:湯山昭
♪:チャンチャン
サカナ:「アイスとケーキを持ってパーティーに行ってきまーす。」
♪:【サカナは後ろにある椅子に座る】【カメ登場】
ドーソー ドーソー ファード ファード シシソソ ドードドド×2
N:ピンポーン。次はカメ駅前~カメ駅前~。
♪:チャンチャン
カメ:「はーい!乗りまーす!」
♪歌:♪バスごっこ 作詞:香山美子、作曲:湯山昭
♪:チャンチャン
カメ:「遅くなってごめんね。パーティーに行ってきまーす。」
♪:【カメは後ろにある椅子に座る】【カニ登場】
ドーミーソ ドーミーソ ララソソ ララソソ×4
N:ピンポーン。次はカニ駅前~カニ駅前~。
♪:チャンチャン
カニ:「はーい!乗りまーす!」
♪歌:♪バスごっこ 作詞:香山美子、作曲:湯山昭
♪:チャンチャン
カニ:「あれ?切符落としちゃった!パーティーに行けないよー。エーン。エーン。」
N:どうしよう?みんな探してくれるかな?
全員:「いーよー」
♪:【イスに座っていたみんながカニの近くに来て2列に並ぶ。前の子は正座。後ろの子は立ったまま。】
♪バスにのって 作詞・作曲: 谷口 國博
♪:【その場で切符を探す】
ミファミファミファ ファソファソファソ(トリル)
ジャジャーン(ドミソの和音)
全員:「あったー!」
N:切符が見つかってよかったね。みんなが揃ったので出発!進行!
全員:「エイエイオー!」
♪歌:♪バスにのって 作詞・作曲: 谷口 國博
N:到着!
♪:チャンチャン
全員:「これからパーティーに行ってきます!お・し・ま・い」
♪バスごっこ 作詞:香山美子、作曲:湯山昭
実際に劇遊びをしてみよう
台本ができたら、子どもたちと実際に遊んでみましょう。
導入のコツ
題材に近い絵本を読んでイメージを膨らませたり、表現遊びのように生き物に変身して遊んだりしながら、クラスみんなで遊んでいきます。十分に遊びを楽しんだら、ピアノで実際の曲を流し、劇の台本のように少しずつ遊びを進めていきます。
始めから、”練習”として行わず、遊びの中で徐々に進めていくのがポイントです!
役決めのポイント
年少さんで初めての発表会であれば、全員が一通りの役で十分に遊んだ後に、発表会の話をし、役決めを行うとイメージが付きやすく、やりたい役を考えることができます。
台詞の決め方
劇遊びを進めていく中で、子どもたちにもイメージができ、言いたい台詞を聞くとおもしろい答えが返ってくることがあります。子どもたちの意見を取り入れるのもいいですね。
「うみバス」は筆者が年少の担任の時に子どもたちの遊びから生まれた劇遊びです。
台詞も役ごとに子どもたちが考え、劇遊びを進めていくうちに、タコになりきって体をクネクネしながら台詞を言う子がいました。それをみんなが真似して、海の生き物の表現遊びを楽しむように!最初から保育者が「こうやる」と全て決めつけないで、日々の遊びのように、子どもたちの発想力の豊かさや新たな楽しみ方などを引き出しながら発展させると、本番まで、そして本番後も楽しく遊べると思います。
お遊戯会や発表会、園によってねらいはさまざま。保育者はピアノの伴奏のことや
子どもの様子が気になりドキドキするかもしれませんが、あくまでも子どもが主役!子どもたちが楽しくのびのび発表できる舞台を作ってあげられると良いですね。
- 年中さん向けの劇あそびはこちら
年中向け!お遊戯会・発表会にオススメの劇遊び
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