防災の日ってなに?保育中の避難訓練で大切なこと

日本では、関東大震災が起きた9月1日は防災の日とされています。9月のみでなく、毎月避難訓練を実施している保育園や幼稚園も多いと思います。
災害はいつ起きるかわかりません。普段から災害が起きた時のことを想定して対策しておくことが被害を最小限に抑えるポイントです。私が勤めていた園でも、毎月避難訓練をしていました。避難訓練を通じて保育士だけでなく、子どもや保護者の方にも対策の重要性を伝えていくことが大切だと実感しました。
今回は「防災の日について」「避難訓練のコツ」「子どもたちへの伝え方」を紹介します。
目次
9月1日防災の日とは?
8月31~9月1日は台風の襲撃が多いことと、1923年9月1日に関東大震災が起きたことから、毎年9月1日が『防災の日』と制定されました。
地震や台風、津波などの災害の恐ろしさを知り、自然災害に備える大切さを考える日です。
また、9月1日を含む1週間は「防災週間」として、さまざまな地域や学校で、防災訓練・避難訓練が行われています。
地震・火事・台風が起きたら?保育中の避難方法
災害の種類により、避難方法も変わってきますよね。普段からポイントを頭に入れ、臨機応変に対応できるようにしておきましょう。
地震が起きた時の避難方法
地震が起きたら、まずは頭を守り落下物がないところへ移動しましょう。
室内遊びや戸外遊び、それぞれで避難場所を考えておき、子どもたちにも伝えておくと良いと思います。
- ①落下物のないところへ移動
②窓やドアを全開にする
③火元の確認・元栓を閉める
④防災頭巾を被る
⑤上靴か外靴を履いているか確認する
⑥外に逃げるのか待機するのか、その場に応じて考え、避難の指示に従う
防災頭巾や靴は、落下物から身を守るために必要になります。普段から被る練習などしておくと、地震の際もスムーズにできるようになりますね。
火事が起きた時の避難方法
火事が起きたら、爆発などの恐れもあるので、すぐに外に逃げましょう。
また、呼吸困難にならないよう姿勢を低くしながら逃げるのがポイントです。
- ①子どもたちを集め、外に逃げる
②ハンカチなどで口を覆う
③窓やドアは閉める
火事は地震と違い延焼を防ぐために、できる限り窓やドアは閉めますので、間違えないようにしましょう。また、ハンカチは、できれば濡れていた方がいいですが、逃げ遅れる可能性もあるので、臨機応変に対応しましょう。
台風が起きた時の避難方法
天気予報をチェックし、安全なうちに保護者の方に迎えに来てもらえるようにすると被害が少なく済みます。
- ①状況に応じて、保護者に迎えに来てもらう
②飛ばされやすいものなど室内に入れておく
③停電に備え、懐中電灯を用意する
④断水に備え、水を確保する
⑤浸水に備え、濡れてはいけないものを高い場所に移動する
子どもたちも覚えやすい「お・か・し・も」
みなさんも小学校などで習った「お・か・し・も」のおさらいをしましょう。
おさない
かけない
しゃべらない
もどらない
言葉だけでなく、絵などを使い、実際に保育者が見本を見せるとわかりやすいと思います。
災害時は保育者・保護者・地域の連携が大切に!
まずは保育士同士の連携
①役割分担を決めておこう
例えば、火事なら誰が子どもたちを誘導し、窓を閉め、通報するのか?
また、クラスの中でも特に援助が必要な子は、誰が誘導するのか?
その時の状況で変わるので、絶対に守るために決めるのでなく、いざというときの連携ができるよう決めておくことが大切です。避難訓練のマニュアルがある園もあると、思うので定期的に確認を行いましょう。
②振り返りをしよう
避難訓練後は必ず振り返りをし、連携がうまくいっていたか、子どもたちはどのような様子だったか、より配慮が必要な子はいるかなど話し合い次回に繋げましょう。
また、日頃から保育室や避難経路の確認をし、破損個所はないか避難経路の前は物で塞がれていないかなど互いに声掛けをしておくと、普段から意識が高まりますね。
通勤中には、避難経路が通行止めになっていないかなど確認しておくことも大切です。
- ●チェックリスト●
□ 保育室は整理整頓されているか
□ 避難経路の前に物は置かれていないか
□ 大型家具は固定してあるか
□ 火元の点検
□ 防災グッズ
保護者との連携は?
お迎えに来てもらうだけでなく、家庭で動ける方がいたら、共に助け合い協力してもらえるよう声をかけていきましょう。実際の災害では、何が起こるかわからないので、多くの大人がいた方が安心ですね。
引き渡しの際は、混乱が予想されるので、訓練時から引き渡し方法を徹底しておくことも大切です。交通機関が動かないことも予想されるので、お迎え訓練の際は、歩いて来てもらうようにすると、お迎えまでのおおよその時間の検討が付きます。また、お迎え中に気をつけければならないことなど、考える機会にもなります。
地域との連携も大切になる
地域の防災訓練に出席したり、日頃から挨拶をしたりと、普段か声をかけ合っていれば、いざというときも声をかけやすくなります。
また、行事などに招待し、園のことを知ってもらうことも大切です。
避難訓練・避難方法~子どもたちへの伝え方~
命にも関わる大切なことです。子どもたちにも伝わりやすいようオススメの紙芝居を紹介します。
おすすめの紙芝居
逃げる時に大切な「お・か・し」の話に分かりやすく触れています。かわいい動物が出てくることで、怖がっている子も見やすい絵になっています。
『みんなでひなんくんれん』
絵・脚本:しらかた みお
出版社:童心社
地震の時の避難方法がわかりやすく書かれていて、「あわてない」大切さも伝えられます。
『紙芝居 あわてない あわてない』
絵・脚本:しらかた みお
出版社:童心社
もし一人の時に地震が起きたら…
地震はいつくるかわからないことを考えられます。
質問形式になっているので、年中・年長さんなら考えるきっかけにもなると思います。
『じしんのえほん』
監:国崎 信江
絵:福田 岩緒
出版社: ポプラ社
保育者の演技もおすすめ!
絵本や紙芝居でも伝えられますが、保育者たちで演技をして伝えると、普段と違う保育者の様子にに真剣さが伝わります。
私も幼稚園教諭の時演技で伝えたところ、驚く子もいましたが、真剣に話を聞き避難訓練に取り組んでいました。
避難訓練後の子どもへの関わり方
避難訓練後は、泣いてしまう子・その後も地震が来ないか不安になる子・よく理解していない子とさまざまです。そこで、避難訓練後に配慮したいポイントを簡単に紹介します。
- ①大切なことだと再度伝える
②頑張ったことに対し褒める
③落ち着ける環境を整える
避難訓練は子どもたちの命に関わる大切なことです。内容が難しくても、普段と違った雰囲気に子どもも大切なことと感じるはずです。
園だけでなく、保護者や地域の方との連携も密にできると、いざというときスムーズに対応ができると思います。怖がる子もいるかもしれませんが、大切さを伝えていく必要がありますね。
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