TBS系TV番組ビビット・国分太一と保育士の座談会!保育士の現状とは

4万を超え、増え続ける待機児童。
昨年子どもを保育園に入れることができないお母さんがブログで発した「保育園落ちた日本死ね」は国会でも取り上げられるほど社会問題に。
ビビットMCの国分太一はパパになったばかりで「この問題は見過ごせない!」と小池都知事とも対談し、保育の問題に積極的に関わっています。
今回、今の保育士の窮状を広く社会に伝えるため、保育士不足問題と保育士の実状についてビビットの企画で国分太一とほいくらいふユーザーとの座談会が開催されました。
保育士は本当に足りない?
国分さん「私自身、最近パパになり保育に関わるようになって、もっと保育の問題について知らなくてはと思っています。今、”保育士が足りないと”言われていますが、みなさんは実際に現場で働かれてそう感じることはありますか?」
A「足りていません。基準の最低限の人数で運営していることもあり、誰かが休んでしまうと、他の誰かがカバーしなくてはならないです」
B「人が辞めてしまったので、その分を埋めなくてはならない。シフトはあるけど、それよりも長い勤務をすることもある。その際の残業代が出ない」
C「人が足りていなく、残業や持ち帰り仕事が大変でやめてしまった」
国分さん「保育士さんはシフト制ですよね、それでも残業はやっぱりあるんですね。では保育士が増えれば残業や負担は解決するのでしょうか?」
A「保育士の質にもよると思います。ただ増やしてしまうと、子どもを見る人数が減り、責任感がなくなってしまってはよくない」
B「増えてほしいです。本当にそう思います」
国分さん「保育士の数が足りないと、仕事に疲れた保育士さんの仕事が雑になってしまうのではないかと思うのですがいかがですか?」
A「責任感の問題もあり、人が増えると楽をしてしまう人がでてくることもあると思います」
国分さん「いろいろな考えがあるかと思いますが、仕事がきつくてパートになった方もいると思いますが、パートで働くほうがいいのでしょうか?」
B「パートと正社員では仕事の責任感や仕事量が本当に違っていて、正社員だと続けられないと思いパートを選びました。」
国分さん「そんなに違うんですね・・・保育士さんが足りていないと言われていて、自分も子どもが好きで仕事をしていて、それでも辞めてしまうということはすごく辛いと思うのですがいかがでしょうか?」
C「特に保護者に感謝されたり泣かれたりして、辞めることも辛く申し訳なかったけど、それでも自分のことを考えてやめる選択をしました」
国分さん「そうですよね。仕事はしたくても自分のことを考えると続けれない、つらいですね」
保育士の大変なところは?
保育士の大変さ
国分さん「大変と言われている保育士さんですが、実際何が一番大変なんですか?」
A「仕事に見合っていない給料です」
B「残業などでプライベートの時間がないことです」
国分さん「先ほどもありましたが、保育士さんは働く時間が決まっていると思うのですが、残業は多いのでしょうか?」
B「うちは毎日必ずあるのが基本です。休みの日も結局終わらなかった仕事をしています。やはり子どもがいる時間は子どもを見ているので、子どもが帰ってから自分の仕事をしています」
C「保育士は子どもと一緒にいると思われがちですが、書類の仕事も多いんです。子どもがいる間は仕事はできないです、うちは園を閉める時間が早く、家に持って返って仕事をしています」
国分さん「家に帰ってからも仕事をされるんですね、これは保育士の業界では常識なんでしょうか?」
B「そうですね、よくあります。持ち出せない書類も多いので、残業の優先順位を決めています」
業務分担はできる?
国分さん「見えない仕事がたくさんあるんですね。家に持って帰ると残業手当も出ないですし、大変ですね。そういった残業は資格を持っていない人に頼めないものでしょうか。子どもとの関わりは資格がいると思うのですが、制作物や書類関係はどなたかに頼むと業務の負担が減るのではないでしょうか?」
A「担任としては、子どもへの思いを込めて製作をしている。自分の園にきてよかった、保護者にもこの園を選んでよかったと思ってほしいから、自分でやりたいと思う」
国分さん「僕は保育士さんのことを思って聞いたつもりでした(笑)保育士さんは想いがあって仕事を自分の時間をなくしてでもやろうとしているんですね。すごいです。ではどうしていけばいいのでしょうか?想いはあっても自分のメンタルケアもできなかったり、精神的にも追い詰められることもありますよね。保護者の方からのクレームなどありました?」
B「ありました。保護者から子どもの体のあざにようなものがあるけどなにかあったのですか?と言われたが園にいるときは特に何もなかったのでないですと回答したが、夕方保護者が子どもを連れてきて、これは明らかに誰かが怪我させてるじゃないか、と診断書をもって怒鳴りつけてきました。実際後から体に跡が出てきてしまい謝りました。」
国分さん「親にものを伝える難しさもありますね。休憩って取れていますか?」
A「子どもが寝たあとに食事をしていますが、子どもの午睡チェックなどがあり、きっちり休憩できるわけでない。」
国分さん「午睡チェックと言うんですね!うちの子どももまだ寝返りはできないのですが、うつぶせした後寝返りできずに窒息死してまうと言われたことがあります。まだ想像できていないのですが心配ですね」
A「そういう子どももいるので注意して見ておかないといけません。」
国分さん「じゃあしっかり休憩ってわけにもいかないんですね。本当に大変ですね」
保育士の給料とは?
国分さん「僕も驚いたんですが、一般の平均給与が33万円、保育士の平均が22万円、この11万円の差。これは数字で見ると本当に驚いてしまいます。やっぱり気になるところはありますか?」
A「気になります。というか、その平均がいいほうです。実際にはそんなにもらっていないです」
B「17~18万程度ではないでしょうか」
国分さん「そうなんですか!?保育士は命を預かっている仕事ですよね、単純に僕は少ないと思いました。よく考えると、保育士は給料が安いということは知っていたと思うのですが、実際現場に入ると思っていたよりもハードだったということでしょうか?」
C「そうですね。仕事量に見合わない給料だと思いました。」
B「周りの友人達は有給が使えたり、ボーナスがあったりして旅行に行ったりしていました。保育士はそういったことができなく生活にメリハリがないんです」
国分さん「仕事がハードでも自分のストレス発散にもつかえない。長く続けることができないということですね・・・」
給与改善策は効果があるのか
処遇改善について
国分さん「保育士の給与について、都と国が動きました。国から6千円補助が出て、東京都の場合は2万1千円プラスされます。先程と比べると、民間企業と差が8万4千円に縮まりましたが、これをどう思いますか?」
A「全員がもらえるというわけではないので、関係ないと思っている人も多いと思います」
国分さん「もらえない人もいるんですか!?私のことではない、ということなんですね。では仮にもらえるとしたらどうでしょうか、大きいですか?」
B「そうですね・・・そこまで変わらないです。もらえたとしてもちょっとボーナスが増えたという感じでしょうか。」
A「地方との差もあると思います。東京はまだ良いほうだけど、それ以外だと厳しいです」
給与改善策は効果がある?
国分さん「では仮に2万7千円増えたとしたら、保育士を続けていましたか?」
C「続けていないです。5万円くらいは上げないと戻れないです。」
国分さん「5万円ですか・・・今回の処遇改善は保育士を増やすための制度だと思いますが、これで保育士が増えると思いますか?」
全員「思わないです。」
国分さん「そうですよね。・・・どうすればいいんだろう。僕は自分の子どもが生まれてから、保育士って大変だとか、保育園ってどうなっているのかなということに関心が出た。処遇改善も思い切ったことだと思うけど、まだまだ保育士や待機児童の問題は山積みで・・・解決のためにこうしたらいいという意見はありますか?」
A「認可園は目に止まりやすいし、声が届きやすい。なのでそれ以外の園にも目を向けてほしい。どこの園も預けたい親がいて、保育士も子どもに同じ愛情をもっている。平等に近い形で見てほしい」
A「あまり知らない人は、認可園は良く、認可外の園は悪い、といったイメージがある。認可外のほうが良いサービスの場合もある。」
B「保育士が足りないということで給料を上げているが、お金の面だけでなく保育園の中に入っていろんなことをわかってほしい」
C「休憩がない、残業が多いといった状況をみて対策を考えてほしい」
保育士の魅力
国分さん「国が現場を見ることでまた対策が考えられるということですね。まだいろいろな問題を抱えていると思いますが、保育士になってよかったと思いますか?」
A「保護者の方からの感謝の声や、自分自身勉強になる。同じ日は1日もなくて、毎日違う発見があって楽しい。」
国分さん「それわかります、うちの子もね(笑)、おもちゃを置くと、前はおもちゃを叩くだけだったけど、おもちゃをつかむようになった。すごい成長だと思って、こんなに子どもって毎日違うんだと思って嬉しくなりました」
A「そこまで毎日子どもを見ているお父さんもあまりいないと思うので素敵です!」
国分さん「もっと言ってください(笑)」
B「子どもと一緒に行事を作り上げ、終わったときの達成感や一体感、子どもの成長は本当に嬉しいです」
国分さん「それが給料や辛かったことを忘れるくらいの達成感で、保育士の魅力でもあるんですね!」
C「子どもの成長もそうですが、特に0歳時は母親のような感じで、本当にその気持ちをもって接しています」
国分さん「うちの子どもはもう僕じゃ絶対寝ない。一生懸命寝かしつけてるけど寝ない、なんなんでしょうね(笑)」
まだまだ知られていない保育士問題
国分さん「今回こうして保育士さんの話が聞けて、あらためて保育士の実状や問題について知ることができました。まだまだ知らないことがいっぱいある。今後も保育について学び、できることを広げていきたいと思います」
ホエールさん(2017年5月14日)
本当にそうですね。
いくら叫んでも改善されない…。
東京は声が届くのが早いように思えます。
ですが、地方はいつになったら、追いつくのでしょうね。
お金のためだけではないとはいいつつも、悲しいです。