子ども・子育て新制度アンケート結果報告


目次
子ども子育て新制度アンケートについて
12月20日まで行っていた子ども子育て新制度についてのアンケート。回答者の年代と4つの質問に答えていただきました。
中間報告では回答者全員が新制度について知っていました。来年の4月からの発足に向け期待と不安が丁度半分ずつでしたが…
アンケート期間を終えてどのような回答が集まったのでしょうか。また、それぞれが思う新制度についても少し考えていきたいですね。
アンケートの結果報告
Q1あなたの年齢を教えてください
回答者の年齢層は中間報告時とあまり変わりなく、幅広い方が回答してくださいました。また、現役の保育士さんだけでなく、学生さんであろう10代の方からの回答も多く寄せられていることから、子ども子育て新制度は国民全体に関わる内容であるという意識の高さがうかがえます。
子ども子育て新制度のシステムとして、「子どもと子どもを持つすべての家庭」全体が対象となり、4月からの支援が始まります。目に見えている所では、待機児童緩和の目的により、都市型保育所の増設や保護者の就労に関係なく、また変更にも柔軟に対応できる認定こども園の増設などがあげられるのではないでしょうか。
保育者にとって一件負担の見えるシステムのようにも見えますが、分かりやすい制度作りが行われている途中というようにも見受けられますね。
Q2.子ども子育て新制度について知っていますか。
前回の中間報告では回答者全員が「子ども子育て新制度について知っている」という結果が出ていましたが、12月20日までの全体の結果では、15%の人が、「子ども子育て新制度について知らない」と回答していました。
忙しく過ぎる保育現場では言葉は耳にしても詳しい説明は出来ないよ…という意見もありました。また、国からの発表もぼんやりしていて、何を言いたいのかわからない…そのように思っている方も多いのが現実です。
知らないなら知っていけばいい!ということで、新制度のおさらいを少ししていきましょう。※クリックで詳しく※
新制度とは実は、3つの法律を合わせた呼び方だったんですね。変わっていくポイントも8つ。4月に向けて、保育園が増えているという話をよく耳にしますが、背景には新制度が絡んでいたのでしょう。
保育所が増えるという事は、その分保育士や幼稚園教諭が必要に…!社会に必要とされる素晴らしい職業ですね。
Q3.新制度に期待をしていますか?
前回の中間報告では、半分に分かれていた回答に変化が見られました。
新制度に期待をしていますか?という質問に対し、「はい」と答えた方が少しですが、「いいえ」を上回りました。この結果から、新制度に対する不安も少しはあるようですが子どもにとって良い環境を考えていることに期待を持っている人が多いことがわかります。
なかなか、世間を変えるのは時間がかかりますが、まずは第一歩として受け入れているのではないでしょうか。
期待をしていることはどんなことですか?
保育士の賃金アップ
質的にも向上することがさまざまなメディアでも言われていますが、やはり気になるお金のこと…。来年からはボーナス5ヶ月分!なんて園もあるそうですよ♪
保育士一人あたりの負担が減ることを期待しています。
現在3歳児クラスを受け持つ20代の先生からです。35人の子どもたちを保育士2名で見るのはなかなか大変とのこと、4月からの新制度では、3歳児15人に対し保育士1人という事で、負担が少し軽くなることに期待をしている様子です。
子どもたちを怒鳴って保育を回すしかない。忙しい園が少しでも変わっていけばということでしょうか。
研修制度の充実でさまざまな経験を持つ保育士同士の交流が増えるとうれしい!
最終目標に年5回の研修を目標にしている新制度。法人内研修や、園内研修で自分の園の先生と関わる機会は多いものの他の園の先生に関わることが少ないこの業界。自分の園では当たり前なことが他の園では全く通用しなかった…など、悩みを持つ先生方は多いようです。
さまざまな先生方が集まる合同研修で、新しい情報や他の園の先生との交流で、保育の質がさらに向上することが期待されるこのシステム。なんだか4月から、楽しみが増えるような気がしますね。
不安に思っていることはどんなことですか?
結局名前だけで、中身の変化に期待出来ない。
厳しいご意見もちらほらある中、これは保育者一人ひとりも考えていかなければならない問題なのではないでしょうか。
目に見えた成果の出にくい保育や社会福祉の分野では、個人差を考えているはずなのにベースが変わりにくいのが現状です。法律でどんなに環境が整備されても、意識し行動していく人が少なければ効果はありません。
例えば、子どもたちに氷おにを教えるときに「タッチされたら固まってね」という言葉かけに対して、守る子どもがいなければ、それはただの追いかけっこになってしまいます。さらにタッチをしているわけですから、「叩かれた」と言われてしまいかねないわけです。子どもたちに楽しい遊びを提供したいと思ったはずなのに、これでは意味がありませんね。
新制度についても、中身の変化に期待できない部分を自分はどう変えていきたいのか考え、心がけ、働きかけていくことで法律が生きてくるのではないでしょか。
仕事をごまかして預けてる人が多くお迎えも遅い。保育士の負担だけが増えるだけ。
この件は最近よく聞くような気がします。私の知っている話では、実家が自営業のため、そこで働かせてもらっているように見せかけ、保育園に子どもを預け専業主婦をしている方の事例です。「子どもとずっと一緒にいると虐待してしまいそうで怖い」という理由で、保育園に預けられるよう家族に協力してもらっているそうです。
実は、新制度では働いているかどうかに関わらず、子どもを預けられるよう、子ども園の増設を行えるような支援を行っていきます。きっとそのようなお母さんは子どもについての制度を知らないだけなのではないでしょうか。自分で探して選択する事が苦手なのであれば、いくつか方法を提示して、選んでもらえるようにするのも良いのではないでしょうか。
保育士の負担だけが増える…まさに、長時間保育についての課題ですが、保育関係者だけでなく保護者との連携がさらに重要になっていきそうですね。
現役の先生たちの意見をもっときいてほしい。行き当たりばったりな政策にしか思えない。
消費税増税を目前に衆議院の解散があり、選挙があり、増税先延ばしとなり「新制度に使われるはずだった増税分のお金は本当に大丈夫なの?」と考えている保育関係者も多いのではないでしょうか。
話し合いをしているのは、議員の方やそして現役ではありませんが現場経験のある先生方などと、「今直接保育に関わる人の意見ってどれくらい入っているのでしょうか?」と言われてみれば考えてしまいまうのが現状です。
しかし新制度は「発足が保育の完成」というわけではなく、時代やニーズに応じ変化していくものです。地域にも「子ども・子育て議会」の設置努力義務があるように、子どもの今から未来を考えるすべての人の意見を、これから少しずつ反映していく仕組みが整っていくのではないでしょうか。現場の意見をこの機会にぜひ表に出していきたいですね。
アンケート結果の振り返り
アンケート結果を振り返ってみると、新制度について知っている人も知らない人も、現状の保育がもっとよく変わっていったら…と期待していることがわかりました。その期待を新制度に持っている人、新制度ができても何も変わらないと思う人、新制度をきっかけに他のことも変わっていくのではないかと考えている人とさまざまな意見がありました。
その中でも、特に印象深かったのは、保育士から見た保護者の話がたくさんでてくることでした。新制度、もちろん保育士にとっても重要な問題ですが、保護者にとってどのようなことが変わるのか伝えていくことも大事なのではないかと考えるきっかけになったのではないでしょうか?
どんなに不満や不安を持っていても、2015年の4月は来ます。制度も始まります。始まる制度に期待を持つのか、不満を持つのかそれは人それぞれだと思いますが、全ての保育関係者が、子どものことと同じだけ保育者という自分を大切にできるような社会になれば良いと思いました。
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