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保育士増加に保育士の44%は「賛成」、質の低下の懸念も

今年度、待機児童や保育士不足についての問題が大きく取り上げられ、国や自治体が様々な取り組みで問題を解決していこうと積極的に動いています。
保育士の処遇改善や試験の実施回数の増加など、今後保育士の数が増えていくことが予想されます。

では実際保育士資格をもつ方は、保育士資格を持つ人が増えることについてどう思っているのでしょうか。
今回ほいくらいふでは保育士・幼稚園教諭を中心とする144名の皆さまに保育士資格についてのアンケートを実施しました。
これまでの国や自治体の取り組みや保育業界の現状を踏まえて保育士資格について見ていきます。

過去記事:保育士給料の希望増加額は約7万円~現場の声から見えてきたこと

待機児童解消のための取り組み、保育士数の現状について

今年度、国や自治体の待機児童解消や保育士不足の問題に対して、認可基準を満たす施設の積極的認可、定員超過入園の柔軟な実施などの環境の改善や、保育士の給与を来年度から引き上げること、キャリアアップの仕組みを構築するなどの保育士の処遇改善の取り組みが積極的に行われています。

また、厚生労働省の発表による保育士試験の実施状況をみると、保育士試験の受験者と合格者は年々増加しており、(保育人材の確保を図るため、平成27年度より、年2回目の試験に拡大)保育士の数はさらに増加していくと考えられます。

(厚生労働省:保育士試験実施状況)

有資格者の保育士資格についての意見

では、保育士・幼稚園教諭・潜在保育士のみなさんは保育士を増やすことに対してどう思っているのでしょうか。前回行ったアンケートでは、保育士不足で有効な対策は「保育士の処遇改善」という声が多く上がりました。
少しずつ改善されていく保育士の処遇ですが、それだけではまだ問題解決には至っていないのが現状です。
今回ほいくらいふでは、保育士資格を持たれている方を対象に保育士資格に関してのアンケート調査を行いました。

保育士資格の取得方法

保育士になるためには、卒業と同時に資格が取得できる大学・短大・専門学校に行く方法と、保育士試験に合格するという方法があります。
現在保育士資格を持っている方はどのようにして資格を取得したのか聞いてみました。

保育士資格の取得方法は、「保育学科のある短大を卒業」が36%と最も多く、次いで「保育士試験に合格」が34%という結果になりました。
その他では通信制の大学や特例制度という方法もありました。
次に保育士試験を受験された方の合格までの学習時間を見ていきます。

学習期間で最も多かったのが、「2~3年」の36%、次に多かったのが「1~2年」の25%という結果になりました。
70%近くの方が保育士試験合格までに1年以上学習しているということがわかります。

保育士試験の合格までの受験回数は、「2回」が45%と最も多く、次いで「1回」25%、「3回」21%という結果になりました。
中には4・5回試験を受けているという回答もありました。

保育士資格を持つ人が増えることに対して

保育士資格を持つ人が増えることに対して現在資格をもつ方は賛成・反対なのか、またどのような意見をもっているか聞いてみました。

現在資格を持っている方は、「賛成」が44%、「どちらとも言えない」が48%、「反対」が8%という結果になりました。
それぞれの意見の一部を紹介します。

賛成
保育士不足解消により待機児童の不足に繋がる
保育士が増えるのは賛成。どこも人手は足りてない
必ずしも資格がある人が働くとも限らないので、裾野を広げることが大切
体調を崩して休みの保育者がいても、欠けたままのことが多いのが私の周りの現状です
保育士不足で保育園の先生は厳しいシフトをこなしていて、辞める方も多く悪循環になっている

賛成の方の回答で多かったものが、どこも保育士不足で人手が足りていない、待機児童の対策として増やしてほしいという回答でした。

この仕事は大変だけどやりがいを感じる、待機児童解消になる
安心して働ける環境と安心して待っていることができる環境が出来ることで、社会も潤い家庭も潤う
子育て経験のない若い学校を卒業して資格を取得した人がもっと増えると良いと思う。大変な仕事だが、人との関わりの原点を喜怒哀楽とともに感じられ学べる場所
色々な環境を経験して、子どもに愛される保育者が増えて欲しい

保育士はやりがいがあり、良さをもっと知ってほしい、素敵な保育士が増えてほしいという声も上がっています。

どちらとも言えない
資格取得者を増やすことは必要だと思うが、質を落として量を増やすだけのような気がします
資格取得者を増やすのはいいことだと思うが、潜在保育士がもっと活躍できる取り組みをした方がいいと思う
保護者支援やソーシャルワーカーとしての多様な機能が求められていて、就学後の教育課程の変化にも対応しなければならない。数を増やすことよりも、分野ごとの専門性を深め、専門職として認識されるよう、有資格者の数を増やすだけでなく、資格の分化が必要だと思う
簡単に資格がとれても保育の質が下がれば事故や事件に繋がる可能性がある
人数も大切だが質も大事。増やすことばかりではなく取得後のフォロー(研修等)の充実も必要だと思う
現場で働く人材を増やす目的で、要請すべき。その為には資格取得の為の内容はもっと専門性の高いものにするべき。具体性のある障害児保育、保護者対応、コミュ能力は、必須。

回答で非常に多かったのが、資格取得者を増えることは賛成だが、保育の質が落ちることが心配、ただ資格を持つ人を増やせば良いということではないという回答でした。

保育士資格保持者自体はたくさんいるが待遇が悪く、保育士として働いていない人が多いと思う。なので数だけ増やしても…
資格があっても労働条件が悪いことが多いので、離職すれば意味がないかなぁと思うから
保育士が増えても、処遇改善されなければ、離職するのではないかと思う。憧れて保育士になってみたものの、現場は過酷
数を増やす事も大事な事ですが、続けやすい環境を整える事が先だと思う
できれば増やしてほしいが、保育以外の書類などで時間が必要とされ、勤務外の仕事も残ってしまうので難しいかと思う
資格は取れても待遇面が見合わないと思う。26年間働いているがそんなには給料が上がったと全く感じない。資格を持っていても実際就職するときにほかの職種の給料などを見て保育士になることを諦めてしまう人を何人も見ている

また、資格取得者が増えることは良いが今の保育士の待遇や環境が変わらなければ意味がない、離職も増えるという答えも多く上がりました。

反対
安易に資格を取得すると保育士の質の低下につながる
潜在保育士を増やすだけで、根本的な保育士不足解消にはならない
待遇が不安定なまま人数だけ増やすことは専門士としての質を落とすことになる
勉強内容と現実が違いすぎて幻滅するから
待遇が不安定なまま人数だけ増やすと時給が安いまま使い捨てされ、専門業としての尊厳が失われる
安易に試験回数を増やすことで、保育士の質の低下を招く恐れがある

「資格取得者を増やすことに反対」という意見の方も理由として、保育の質の低下、保育士の待遇や環境に問題があるという答えが上がりました。

今回の回答からやはり現場では待機児童問題や保育士不足に直面し、保育士が増えることには賛成だが保育士の質の低下、専門性を懸念しているという声が非常に多く上がっています。
また保育士が増えても今の待遇や環境が変わらなければ離職率も高く問題解決にはならないという意見も多くありました。
今回のアンケートは非常の多くの意見が寄せられ、紹介できなかったものも多くあります。
保育士資格を持つ方がどれだけ今の問題に悩み、解決を願っているかが伺えます。

保育の質に関して

受け皿や処遇が整備されると保育士の働く場所は増えていきますが、子どもたちの命と成長を預かる重要な役割を担う保育士の責任は非常に大きいものです。
受け皿ばかりが大きくなってしまうと、経験の浅い保育士などが増えてしまい、事故につながる可能性も出てきます。
保育の量だけでなく、質を落とさないための対策が今後必要になってきます。

保育の質に関しての条件

全国保育協議会では、保育の質を維持・向上するための前提条件として、

①物的環境の向上
②保育士等の配置基準の改善
③保育内容の向上
④保育士等の資質・専門性の向上

の4つの条件をあげています。
これらの条件を総合的にして子どもの発達にそくした保育の質を確保することが必要であり、保育の現場の声から長時間労働や配置の見直し、保育士が働きやすい職場づくり、働き続けられる職場づくりを図ることで質の向上になると述べられています。

海外での取り組み

また保育の質に関して、海外ではすでに保育の質を確保するための取り組みが活発化しています。

・保育士の処遇
海外では保育士も教育者としての専門性や、子どもの安全に対する責任といった高度な役割を果たしているとみなされ、幼児期と小学校で教員の賃金格差が小さい。また高度な役割を果たせる保育士の育成に向けて、保育士に免許の更新を義務付けたり、保育士養成校の質をチェックする国もある。
 
・園の運営についての評価
海外では国の評価機関が全国すべての園を定期的に訪問して評価し、その結果をホームページでまとめて公表する取り組みがあり、親にとって保育所選びの際の貴重な情報源となる。また全国の園の評価結果が国に集約されるため、全国の保育の質の変化や地域別の状況も把握でき、政策の見直しにも役立っている。
 
・親の参画
海外では、国の評価機関による訪問だけで質を確保することは難しいため、保育の質にもっとも関心が高い親に、日常的に保育の質をチェックしてもらうという考え方がある。
親の役割として、気になることがあればすぐに園と相談したり、それでも気になることがあれば、自治体や評価機関に伝えることもできる。
     (参照:日本総研主任研究員 池本美香「待機児童問題と保育の『質』」)

今後保育士が増えていくと考えると、より保育の質が問われるようになってきます。
保育士だけの努力ではなく、国や自治体、保護者も一緒になって保育の質の向上を進めていくことも必要です。
また環境の整備だけでなく、保育士の養成や、資格取得後の研修、フォロー体制など人材育成の環境を整えることでよりプロフェッショナルな保育士が増え、保育の質も向上するのでないでしょうか。
現状に不満がありながらも、保育の仕事が好きで続けている人も多くいます。
国や保護者、保育士同士が協力できるよりよい保育を目指してほしいと思います。

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【アンケート実施概要】
・実施期間:2017年1月16日~1月29日
・回答者数:144人
・対象:保育士資格を持つ保育士(潜在保育士含む)・幼稚園教諭

 

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