現役保育士からみる男性保育士への期待!84%が男性保育士は必要と回答

保育士は以前は「保母」と呼ばれていて、女性の職業だと考えられてきました。
その後、名称を「保育士」と変更し、男性保育士も少しづつ増え始め、注目されるようになりました。
最近、「男性保育士に女児の着替え・おむつ交換をさせないでほしい」という声がニュースに上がり、男性保育士について社会で話題に出ることが増えてきました。
男性保育士ならではの役割もあるかと思いますが、この点についていろいろな意見が交わされています。
今回は男性保育士について、一般の目では見られない、現役の保育士から見た保育の現場における男性保育士に期待する役割や技術、メリットやデメリット、問題点などをアンケート調査結果から見ていきます。
・実施期間:2017年2月20日~3月2日
・回答者数:132人
・対象:保育士・幼稚園教諭
80%以上が男性保育士は必要だと意見
今回のアンケート調査で職場に男性保育士がいる園といない園は50%と半分に分かれました。
保育園・幼稚園に男性保育士は必要だと思いますかという質問に対し、「思う」と回答した人が最多で48%、また「とても思う」と答えた方が36%と、現役保育士の80%以上が男性保育士が必要だと考えているという回答になりました。
具体的な理由をみてみると、必要だという意見の理由で多く上がったのが、子供との関わりで体力があり子どもとダイナミックに遊べるという意見や、男性目線での視点・女性とは違う観点で子どもと関わり多角的な保育ができる、という回答です。
園の運営面でも男性は力仕事ができ頼りになり、安全面からも必要、職場の雰囲気も良くなるという答えも多くありました。
- 身体的特性
「子どもたちとの遊び方も女性とは違った遊びを楽しめると思う。」
「シングル家庭が増えているので、子どもの頃にダイナミックな遊びをして貰うには、男性は、欠かせない存在だと思います。」
「女性にはないパワーと動きが子供達を惹き付ける。」
- 女性と違った観点、父性など
「保育士に性別は関係ないと思うのと、男性と女性は注目する視点が違うこともあるので多角度で子どもを見れると思うから」
「家庭で父親が必要なように、保育の場にも父的な人は必要だと思うから」
「女性には母性が有るが、男性でも子どもに愛情を注ぐことができ、保育もできる」
「家庭では母親と父親が一緒に子育てを行う。保育園・幼稚園も男性と女性が半々で仕事をし、保育をしていくことが子どもにとって一番いい」
「父親のいない家庭が増えていて男の人と関われることは貴重」
- 職場の雰囲気
「女ばかりでギスギスしがちな職場の雰囲気が男性保育士の存在のおかげで和らぐ場合も少なくない」
「自身の経験と勘ですが、男性保育士がいる園は人間関係もそこまで悪くない」
- 必要ないという意見
「保育は母性愛がないとできない仕事だと思う。細やかな指導は男性にはできないと思う。」
「保育園に男性は必要だと思うが保育士でなくても良いと思う」
「今まで男性保育士にいい保育士はいなかった」
また、必要ないという意見では、できる仕事が限られているという意見や細やかさが必要で男性には向いていないという回答がありました。
体力や父性・安全面など、幅広く期待される役割
男性保育士に期待する役割では、体を使ったダイナミックな遊びや指導が最も多いという結果になりましたが、どの項目も多く選択されており、男性保育士へ期待の大きさを感じます。
その他の意見としては職場の人間関係改善、雰囲気作りなど施設の運営面でも回答があり、男性保育士はさまざまな面で貴重な存在だと言えます。
着替えや職場環境などの心配や問題点
男性保育士と業務をする上での心配点や懸念点についても多くの声が寄せられました。
やはり着替えや排泄について心配な面もあり、保護者からの理解を得ることが大事だという意見も多くありました。
また男性保育士が働く上の施設の設備面が整っていないなど、環境の改善も課題として上がっています。
- 着替えや排泄について
「身体的接触等には必要以上に配慮をしなければならないと思う」
「女児の排泄や着替の介助を嫌がる保護者もいる」
「現在の園ではオムツ替えがダメなので、役割分担が難しい」
「男性保育士のオムツ交換が問題になっているが、私も出来る限り女の子のオムツ交換はして欲しくない。」
「保護者の理解が不可欠だと思う。特に女の子のご両親で男性職員に対して着替えや排泄等に不安を覚える方がいらっしゃるのが現状」
- 働く環境について
「更衣室の利用等場所がなかったりしたとき困ると思う」
「トイレやロッカーなどの設備の不備」
「女性が多い職場なので、プライベートな事が心配」
男性・女性でなく保育の質の向上を!
「男性保育士がどうとかの問題ではなく、保育士の保育の質そのものをまずは向上させるべきだと私は思います。」
最近の保育事情は、保護者の支援の方向が間違っているように思え、このような苦情が保護者からあがるのは福祉事業がサービス業になりつつあるのではないか、保育士も保護者の信頼を得るよう努力し保護者も保育士の働きを見てほしいという声も寄せられています。
「一部の変質な保育士のせいで一生懸命頑張っている男性保育士がつぶされないよう願っています」
着替えやオムツ交換などは園でも課題があり、保護者の理解を得るために男性保育士と女性保育士で役割分担をするという意見も寄せられました。
「男性保育士のオムツ交換が問題視されているが保育士の仕事はオムツ交換だけではないので、それ以外の大事な仕事を任せれば?とニュースを見ていて思う。」
また男性保育士は転職も多く、男性保育士が活躍できない理由に労働環境が原因と考える方も多く「給与アップ・環境改善を」という声も寄せられました。
「やはり給料面で辞職される保育士は多いと思います。少しでも条件が良いところに転職したりと気軽に?考えている保育士がいるのも確か」
「男性保育士が結婚して家庭を守れるだけの給与を!」
男性保育士の必要性についての意見をまとめてきましたが、社会からの理解と保護者との信頼関係の構築は重要な課題であり、保育に対しての理解を示してもらうためにも保育の質の向上、保育の専門性への理解が求められています。
保育士は子どもの大事な命を預かっており、男女関係なく貴重な1人の保育者としてみられる前向きな保育現場であってほしいと願います。
ホエールさん(2017年3月7日)
この記事がもっと、広まればいいですね。
教員のように男性も目指せるよう、給与の改善を早めにお願いします
ほいくらいふ運営部さん(2017年3月8日)
>ホエールさん
コメントありがとうございます。
男性保育士も女性保育士もそれぞれ得意な部分があり、子どもを責任持って預かっています。
また預かるだけでなく、乳幼児期の大事な教育にも携わっています。
保育士の専門性が広く認識され、保育士を目指したいと思う人が増える社会になることを願います!