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保育者・教育者が知りたいLGBTQ入門~LGBTs絵本を作った学生にインタビュー~

「LGBTs」「LGBTQ」という言葉を知っていますか?

保育や教育に関わる方なら、言葉自体は知らなくても実は普段から意識をしているかもしれません。
たとえば「女の子らしくてかわいいね」「〇〇さんと◇◇くんは、お似合いだね」等の何気ない言葉かけの見直しにも関わってきます。

これらの概念が一般的に知られるようになったのは、ここ数年のこと。

今回はLGBTsをテーマにした絵本『みんな すっごく いいね! いろいろな個”性”』を制作した大学生・ながえはるきさんにお話を伺いつつ、一緒に考えてみましょう!
子ども達にぴったりの絵本や先生や保護者向けのコンテンツもたっぷりご紹介します。

LGBTとは? 基本の知識

「そもそもLGBTって?」「耳にしたことはあるけれど、意味はよく知らない」という方へ。
まずはざっくりと基本の知識をお伝えします。


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LGBTとは次の言葉の頭文字をとって組み合わせた言葉で、性的少数者 (セクシャルマイノリティ) を表す言葉の一つとして使われることもあります。

法務省人権擁護局「多様な性について考えよう!」より

まずは身体の性心の性(性自認)があること。
そして、好きになる性(性的指向)があります。

ここで言うは男と女でハッキリと分かれているのではなく、グラデーションになっているとイメージです。

では、LGBTの頭文字のそれぞれの意味も確認していきましょう。

L=レズビアン

Lesbian(レズビアン)
心の性が女性で、好きになる性も女性のことです。
誰もが異性を好きになるとは限りません。

G=ゲイ

Gay(ゲイ)
心の性が男性で、好きになる性も男性です。
「ホモ」や「おかま」という言葉は、差別的な文脈で使われてきた歴史や経緯があるため、使用を控えたほうが良いでしょう。

B=バイセクシャル

Bisexual(バイセクシャル)
「両性愛者」の意味で、女性のことも男性のことも好きになります。

T=トランスジェンダー

Transgender(トランスジェンダー)
心の性と身体の性(出生時に割り当てられた性)が異なる人を指します。
「男/女のみからなる枠組み」や固定観念に息苦しさを覚える人もいます。

LGBTQやLGBTsとは?

LGBTQ運動と尊厳の尊重6色のレインボーフラッグ

虹はLGBT運動や多様性を象徴

LGBTに加えて最近よく耳にするのが「LGBTQ」や「LGBTs」という言葉。
それぞれはどんな意味をもつのでしょう?

性は既にご紹介したLGBTの4種類だけでなく、色々な性があります。

「クィア(Queer)」「クエスチョニング(Questioning)」の頭文字をとったQを含めた「LGBTQ」と表現したり、あらゆる性を包括して「LGBTs」「LGBTQ+」という表現が用いられます。

10人いれば10とおりの個”性”があるように、人の数だけ個”性”があります

LGBTs絵本『みんな すっごく いいね! いろいろな個”性”』【付録】より

「性は10人十色なんだ!」というイメージはできましたか?

日本におけるLGBTsの割合

もしかしたら「身近に性的少数者 (セクシャルマイノリティ) はいないよ!」「TVタレントだけの話だけじゃないの?」と感じたかもしれません。

LGBTの割合は8.9%という比較図

ながえさん作成・提供

こちらの調査によれば、日本人の人口におけるLGBTを含む性的少数者(すなわちLGBTs)の割合は8.9%にのぼると言います。
これは左利きの人とほぼ同じ程度の割合です。
自身を「セクシャルマイノリティだ」と認識・答える人は増加傾向にあり、認知度や社会の寛容度などによってもこの割合は変わってくるでしょう。

たとえば、20人クラスであれば1~2人がLGBTに当てはまる可能性はありますし、「幼少期から自身の性に違和感をもつ子ども」がいると研究でも明らかになっています。

もちろん子ども達に限らず、みなさんの職場や友人にもLGBTQの方がいることは不思議ではありません。
だからこそ、無関心ではいてほしくないのです。

LGBTsの絵本を作った! 現役大学生・ながえはるきさんにインタビュー

いよいよLGBTsを広く知ってもらうために絵本『みんな すっごく いいね! いろいろな個”性”』を作った大学生のながえはるきさんにご登場いただきます。

(※ここからはLGBTQ≒セクシャルマイノリティだけでなく、「誰もが多様な性をもっている」という本のメッセージを尊重して、原則「LGBTs」という表記を用いています)

ながえはるきさんプロフィール

ぴよまる先生
編集部

今回はインタビューを引き受けてくださりありがとうございます。

ながえさん:
「ほいくらいふ」をご覧のみなさま、こんにちは。関西学院大学3年生のながえはるきと申します。

私は高校生の頃、絵本の読み聞かせボランティア活動をしていました。
教育について関心を持っていたため教育学部を志望し、今は小学校教諭免許取得のため各教科の指導方法、絵本やことばに関しても学んでいます。

ぴよまる先生
編集部

さっそくですが、ながえさんがLGBTsをテーマにした絵本を作ったきっかけを教えてください。

ながえさん:
はい。私がLGBTsの絵本を作ったのは、LGBTsの子どもたちが自身の性について悩んでいることが多いと知ったからです。
これは高校生の頃に知り合ったLGBTsの友人や、大学生になってからLGBTsについて調べていく中で出会った方々から知り得ました。

また、日本には特にLGBT関連の絵本が少ないと感じたことも作るきっかけの一つです。
既存のLGBT絵本の多くは、海外製の翻訳されたものでした。

私は絵本に関して素人ですが、「自分にもできることがあるはずだ」と思いたちました。
LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の4つだけではない!
いろいろな性のあり方を包括した絵本を作ろう!
そうして周りの協力も得ながら完成させることができました。

絵本『みんな すっごく いいね! いろいろな個”性”』

『みんなすっごくいいね!』 作:ながえはるき 絵:はれまちゆきの
十人十色の個”性”や「好き」という気持ち、それを「いいね!」と肯定する様子が優しいタッチで描かれています。
LGBTなどの専門用語や難しい表現を使わずに、子どもにも分かりやすく性のあり方が伝わる絵本です。

現在、自費出版に向けてクラウドファンディングを実施中。

ぴよまる先生
編集部

あたたかい気持ちになれる絵本ですね。この本はどんな方に読んでもらいたいですか?

ながえさん:
一番読んでいただきたいのは自身の性について悩んでいる子どもです。
また、LGBTsの子ども達だけではなく、すべての子ども達にとって「性は身近なこと」だと私は考えるので、保護者や先生も一緒に読んでいただければ幸いです。

ぴよまる先生
編集部

ことばの選び方一つひとつにこだわりを感じます。専門的な知見を得るために「アドバイザー」さんや学校の教授のご助力もあったと思います、その中で「気づき」があったエピソードがあれば教えてください。

ながえさん:
「これは、いいものができた!」と自分で思っていても、実際LGBTsの皆さん一人ひとりや友人、大学の先生に耳を傾けてみると、「あ、こんな改善点があったのか!」と気づくことが多かったです。
例えば、レズビアンのページは当初「わたしは おんなのこが すきなの〜」といった文面でした。
ここでの「すきなの」という、表現は適切ではありません。
というのも、女言葉が強調されているからです。
女性は必ずしも、「すきなの」ではない。「すき」や「すきなんだ」ともいう。

ちょっとしたことですが、細部まで丁寧にことばを紡ぐことは大切な過程だったと思います。

ぴよまる先生
編集部

多くの方の協力があったことはnoteなどを拝見しても伝わってきました。

ながえさん:
はい。私の絵本は1人で作ったわけではなく、多くの方々の協力のもと、1年かけて完成しました。

自分が精一杯努力することで、仲間の賛同・協力の輪が広がっていったなと感じています。

ぴよまる先生
編集部

LGBTという言葉が広く知られるようになったのは本当にここ最近のことに感じます。大人も知識のアップデートをしていきたいですね。

おすすめのLGBTs教材9選

さらにながえさんには大人から子どもまで、LGBTsについて考えられるオススメの本・映画・ドラマなどを聞いてみました!

おすすめの本

こちらでは大人向けの本3冊を紹介します。

『LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門』

ながえさん
ながえさん

丁寧に幅広く理解でき、入門にぴったりです。

『改訂新版 LGBTってなんだろう?: 自認する性・からだの性・好きになる性・表現する性』

ながえさん
ながえさん

「学校現場においてどんな困りごとがあるのか」を表やイラストを交えて解説されており、とてもわかりやすいです。

『先生と親のための LGBTガイド: もしあなたがカミングアウトされたなら』

ぴよまる先生
編集部

著者の遠藤まめたさんはLGBT系ユースの居場所づくりもされています。こちらはほいくらいふ編集部もおすすめ!

おすすめの映画

本や映画の紹介

『カランコエの花』

ぴよまる先生
編集部

高校でLGBTの授業を行ったら……?というお話。様々な映画賞の13冠という話題作です。

『彼らが本気で編むときは、』

ながえさん
ながえさん

生田斗真さんや桐谷健太さんが出演されており、『カランコエの花』に並んでオススメです!

原作も話題! おすすめのドラマ

どれも日常に焦点を当てた作品で、肩ひじ張らずにLGBTsについて考えられる作品をセレクトしてもらいました。

小説・ドラマ『女子的生活』

ぴよまる先生
編集部

今をときめく俳優・志尊淳さんが出ていたり……

漫画・ドラマ『きのう何食べた?』

ぴよまる先生
編集部

このページの末の参考文献には、保育・教育とLGBTの関連資料もまとまっていますのでぜひ参考にしてください!

子どもと読みたいLGBTsと出会う絵本

保育の現場に適した選書もしていただきました!
「新しく絵本を買おうかな」「園に置きたい本はあるかな?」と考えている方はぜひのぞいて見てくださいね。

『じぶんをいきるためのるーる。』

ながえさん
ながえさん

これは、自分らしく生きるために大切なルールをやさしい絵と文で伝えてくれます。自分を見つめることはもちろん、他者を見つめることができる一冊です。

『タンタンタンゴはパパふたり』

ぴよまる先生
編集部

こちらは海外の園でも人気の絵本だそうです! 現在、ポット出版さんのサイトにて様々な絵本が期間限定で公開されているそうですので、良かったらのぞいてみてくださいね。

「まだまだ知りたい!」という方はぜひながえさんの記事もご覧ください。

「本から始まる」理解への一歩~ながえさんからのメッセージ~

ながえさん
ながえさん

まずは絵本や書籍を子どもたちの目の届く範囲に置くことから始めてみませんか?
 
子どもたちが生活する周りに「LGBTsやジェンダーに関する本」があることで、子どもたちが確かな情報に触れる機会を増やせますし、「大人に相談してみよう」と思いやすいです。
これはLGBTsのみなさんと話す中での気づきの一つでもあります。

絵本などで理解を深めたら、次は「実際に子ども達と向き合う時にどうすればいいか?」も考えてみましょう。
後編では事例からことばかけのイメージトレーニングをしてみましょう♪

【お話を伺った方】ながえはるきさんのプロフィール


LGBTsをテーマにした絵本『みんなすっごくいいね!』の作者。
現在、関西学院大学教育学部の3回生。

『みんなすっごくいいね!』は全国色々な場所で子ども達に手にしてもらえるよう、2020年11月6日より、CAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中!
詳細・応援はこちらから▼
https://camp-fire.jp/projects/view/238836

ながえさんのTwitterはこちら:@Haruki_volo
ながえさんのnoteはこちら:「はるき (LGBTs 絵本の作者)😊🌈」

※記事の内容は2020年5月インタビュー当時の情報です(2020年11月に追記をいたしました)
※この記事はインタビューに基づき構成しましたが、情報の正確性およびその責任の所在はほいくらいふ編集部にあります

またこの場を借りて、本記事制作の監修をいただきました皆様にもお礼申し上げます。
ありがとうございました!

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