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保育のプロフェッショナルになる①「どの年齢でも保育できる保育士になる」

こんにちは、クーミンこと眞田 久美(さなだ くみ)です。
保育士、園長を経て、保育サービス企業にてスーパーバイザーや教務関連業務や研修を行っておりました。現在は、フリーランスで保育士向けの研修やカウンセリングなどを行っています。
さて、今回から新しいテーマ「保育のプロフェッショナルになる」と題し、新年度に向け、どのような雇用形態の保育士でも、無理なく働けるキーポイントを3回に分けてご紹介してまいります。
第1回目は、「どの年齢でも保育できる保育士になる」です。

最近の保育業界の現状


皆さんもご存じのように、子育てをめぐる様々な取組みが行政・民営の隔たりなく行わるようになり、保育のありかたも年々、変化をしています。
認可外保育施設はもとより、幼稚園でのプレクラス、英語プリスクールなど就園前の幼児対象教室、こども園など待機児童対策や多言語文化に対応する教室も増えており、保育士資格を持つスタッフが必要人数常駐することで民間レベルでの保育・教育サービス施設を運営も可能になりました。
したがって、正職員以外のポジションも増え、今では非常勤保育士や派遣保育士の存在なくしては、園の運営が困難な状況も多々あります。
今や、非常勤保育士、派遣保育士の存在は大変重要なのです。

派遣保育士としての体験


私も、派遣保育士の仕事を実体験したく、一時期、保育士の派遣会社に登録をして、様々な保育施設で就業してみたことがあります。 公立認可保育園、私立認可保育園、児童館(預かり保育や親子広場など)、学童保育など、期間も3日間、10日間、1か月、3か月など、いろいろなパターンで働いてみました。

担当する仕事も就業期間によって異なります。長期間の場合は、シフトやクラス内の役割分担(例えば、名称は様々ですが、リーダー、サブ、サブサブやフォローなど)に入ることもあります。また短期間の時は、終始、サブやフォロー(雑務的なこと)に徹することもありました。3日間の時は、1歳児クラスで、一日中、おむつ替えを担当したこともあります!(余談ですが、このおむつ替え、実は、1日で子どもたちとコミュニケーションが確立できた貴重な体験でした。)

そのような派遣保育士体験で得たことは、年齢ごとの保育の観点を知っていれば、どの年齢でも即対応できるということ。それは、専門的、学問的な理論ではなく、子どもの見方、保育士の心のあり方(捉え方)で、0歳児~5歳児(そして小学3年生でも)まで、正職の保育士と何の遜色もなく、子どもたちとコミュニケーションを確立できるのです。

年齢ごとの保育の観点とは?


観点とは、辞書によると「物事を見たり考えたりする立場。見地」とあります。つまり、目に見えている物事だけでなく、「考え方、思考」の意味があり、ある考え方や意見などがあって、それらに基づいて客観的に物事を見る見方なのです。
そして、保育の中でこの観点をふまえて子どもをみることで、個々の成長記録(児童票や保育日誌)など、主観を入れずに記載する書類の書き方にも応用できるのです。

0、1歳児の保育観点

皆さんがイメージする0,1歳児とは、どんな年齢でしょうか?少々、漠然とした質問ですが、観点を知るには、ここから始まります。もう少し掘り下げてお尋ねすると、0,1歳児にとって、一番大切なこと、大きな成長が見られる点は、どんな点ですか?

人間の成長において、生まれてから満2歳くらいまでで一番大きな成長は、身体的な成長です。
そして、身体的な成長のために大切なことは、食すること、眠ること、排せつをすること、五感を働かせることです。それは基本的生活習慣、自己表現、それを助けてくれる大人との関わりです。

つまり、運動機能(体を動かす)、感覚機能(五感を使う)、認知機能(見分ける、聞き分ける行動を通して、身近な人、物、場所を認識する)、感情表現(泣く、笑う、声を出すなど)の成長の変化を基に、個々の成長の変化(速さは、基準にしないこと)をみることが保育士の仕事です。

そして、体を動かすための食、不要なものを排出する排せつ、動かした体を休める睡眠が、0歳児の生活の中心になります。
その点をふまえて、0歳児の保育に関わる保育士は、子どもが、気持ちよく過ごせるように一つ一つのケアを行い、表情と言葉がけを携えていくことで、子どもたちの自己表現や認知機能が成長するのです。

1歳児では、この段階に、さらなる運動機能の発達(歩行や目に見えるものと物との距離感など)が加わります。また、内臓や口内(吸う、しゃぶる、咀嚼する、飲む、歯が生えるなど)の機能が発達し、食することの充足感を得ることで、自分から食べ物を口に運ぼうとする意志が育ってきます。
その意欲は、様々な自発性や他の意欲につながるものであり、食事の補助をする大人(保護者や保育士)は、その意欲を尊重しつつ、食事の時間を過ごすことが大切なのです。
0,1歳児クラスでは、生活習慣の補助や遊びの相手をしてくれる人との信頼関係を作ることがもっとも重要です。よく保育士の方から、特定の先生以外とは、給食を食べない、午睡をしない・・・と聞くことがありますが、それほど気にすることではありません。
1対1の関係がしっかりでき、遊びの時に少しずつ関わっていくことで、周りの大人を認識していきます。お友だちへの関心が芽生える段階は、その後(2歳児以降)でも大丈夫です。

2歳児の保育観点 ~実はおもしろい2歳児クラス~

満2歳から3歳にかけて、ほぼ世界中で言われる「いやいや期」。英語でも、The Terrible Twos(問題の2歳児、恐るべき2歳児)」という言葉があり、世のお母さんたちを悩ませています。
しかし、別の言い方をすれば、2歳児ほど精神的に成長する時期はないのです。なぜなら、2歳児本人が自分と戦っている年齢なのですから。

運動機能、感覚機能、認知機能が、7,8割方整ってきた段階ですが、自分でやりたいこと、思っていること、考えていることと、実際にできることとは、まだ一致していないのです。
その悔しい感情や、葛藤をどう表現してよいかわからなくなり、パニックになることが2歳児には多いのです。そして、この年齢で、このような精神的葛藤があることは、発達のプロセスとして必要なことなのです。

保護者や保育士が、それを「問題視」することの方が、子どもに(自分は問題なんだ)と思わせてしまう要因になり、その後の成長にも影響があると思います。もちろん、生命の危機を関わることは、止めなくてはなりませんし、叱ることもあるでしょう。
しかし、自分で何かをしようとした時には少し放っておきましょう。(見放すということではありません)

「そんなことをしたら、一斉保育ができない」、「他の子も、真似したらどうするのですか!」と反論されることがありますが、そもそも2歳児で一斉保育を期待する方が危険です。また、2歳児クラス全員が、「嫌だ~」とパニックなることはありません。大丈夫です。3月までには、クラスで楽しいことが共有できるようになったり、自分の思いと行動とのバランスに、うまく折り合っていけるようになったりするものです。
2歳児までは、個々の興味、関心、自己表現の変化に観点をおいて、成長をみてください。そして、クラス全体で、子どもの自主性に対する対応や、パニックなった時の対応を共有しておきましょう。
先生方が、心に余裕をもって、子どもに接することで、2歳児は保育の中で一番、重要かつ遣り甲斐のある仕事になります。

幼児クラスの観点

年少クラスの保育観点 ~3歳児は、社会性発達の第一歩~

年少クラス、いわゆる3歳児は、保育園児と幼稚園児で大きく異なります。
保育園児の3歳児は、0歳児から在籍している子どもであれば、既に4年目となり、母子分離などの過程は通り過ぎています。しかし幼稚園児の場合は、入園して初めて母子分離を経験する子どもも少なくありません。それでも最近では、習い事などで、短時間ではありますが、ママと離れる機会も多くなっているので、ひと昔前ほど、新年度に泣いている子どもも少なくなりましたね。

そのような現代の子どもたちではありますが、幼児クラスになると乳児クラスとは、別の発達に対するねらいが増えます。それは、社会性です。
乳児までは、身体的な発達のために基本的生活習慣の確立がおおきなねらいでしたが、自分の思いと葛藤し、克服した2歳児を過ぎると、自分の世界の中の他の人(世話をしてくれる大人ではない)の存在に関心が向き始めます。

そこで、3歳児の保育において重要な観点は、以下が大部分を占めます。

*基本的生活習慣において、自分でできることは自分でする(物の管理、食事、トイレ、手洗いなど)
*自由遊びにおいて、先生と一緒に同じ遊具で遊ぶ(他の園児が加わっても、その場で遊べる)
*日常の中で他の園児の名前を呼んで関わりを持とうとする
*集団で過ごすための簡単なルールを理解して行動するようになる

子ども一人一人が、このように集団の中の自分を確立することが3歳児クラスにおいて、大切なことになります。
保育士は、このように子どもが過ごす、行動するために、どのような言葉がけが必要であり、保育活動に取り入れるべきかを考えて、日々の保育計画に組み込み、保育することが3歳児クラスの仕事です。

年中クラスの保育観点 ~4歳児は、自己抑制力を培う大切な時期~

年中クラスは、乳幼児教育の中で最も落ち着いて保育できる年齢と言われています。
保育園においては、乳児から幼児への移行期にあたる年少児とは異なり、幼児クラスとしての1年を過ごした気持ちの余裕があり、幼稚園においても新入園児だった年少クラスを終了した余裕があります。そして、幼保ともに年長クラスは、最年長クラスのプレッシャーや行事の多さ、小学校入学準備もあり、担任も含めて、あわただしい1年になります。

その点、年中クラスは、子どもたち自身も幼児クラスの生活リズムにも慣れ、行事についても保護者からの期待(全ての行事が園生活の最後!という重み)、小学校入学への不安などもない1年です。担任としても、精神的な負担は少ないはずです。
そのような落ち着いた時期だからこそ、お友だちとの関わり合いや、自己抑制力の成長に観点をおくことが重要となります。
具体的には、下記のようなポイントをふまえて、子どもたちの成長をみてみましょう。

*自己健康管理をふまえた基本的生活習慣を確立する
*自由遊びにおいて、複数の生徒と一つの遊びをしようとする
*日常の中で時間を気にして動こうとすること(ルーティンを理解し、次の行動を察して動く)
*遊びや日常の中で役割を持とうとする
*感情をコントロールするなど、抑制と発揮のバランスをとるようにする

これらの成長を促すために、保育士は言葉がけの仕方を考慮し、また保育活動に組み込み、行動させることが仕事になります。

年長クラスの保育観点 ~第三者との関わり合いと受容性を確立する~

保育園では0歳児から、幼稚園では3歳児(または2歳児プレクラス)から、積み上げてきた成長過程において、小学校入学前にもう一つ、成長を見るポイントがあります。

それは、個々の社会性の発達をより発展させた成長です。
具体的には、

*他者の行動・言動を聞いて、自ら(または先生に)提案されたことに対し、考え、行動する
*物事の良し悪しについて、自ら(または先生に)提案されたことに対し、考え、行動する
*小集団の活動で他者の話を聞いたり、自分の考えを言ったりする
*難しいと思うこともやってみようと努力する気持ちがある

など、第三者(他の子どもたちや先生、保護者や周囲の大人)との関わりの中で、意見の交換、違いを受け入れる(認める)気持ちを育てること、自己達成力の構築に対する取り組みなどを見ることも保育観点になります。
年長クラスの保育士にとって、年長児への言葉がけは、その後の彼らのコミュニケーション力にも関わっていくものです。クラス内、または園内で、言葉がけに対する考え方をしっかり共有しておくことが大切になります。

保育観点を知ることは、保育士にとっても自信につながる

 

 
これらの、年齢別の保育観点をふまえておくことで、どの年齢の保育(または、保育関連施設)に入っても、子どもたちへの関わり方に迷うことはありません。
しかし、保育観点を知ることで、勘違いしないでいただきたいことは、これらをできる、できないで評価しないことです。こうあったら、良いという目安としてみてください。

そして、保育士にとっては、保育観点を知ることで、保育士自身も自信をもって、保育に取り組めます。保育士自身が、子どもたちの成長に喜びをもって保育することで、子どもたちの心の成長につながります。

もっと、事例をあげた保育観点を学びたい方は、個別セミナーやグループセミナーを承っております。 下記、ホームページよりご連絡ください。

 
クーミンのブログはこちら
≫『言葉が心を育てる…保育・教育ティーチャーサポーターの思う”こころ育て”』

クーミンは保育者向けのセミナーなども行っています。
≫『K.Sティーチャーズマインドサポート』

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この記事を書いた人

クーミン
K.Sティーチャーズマインドサポートを主宰。元保育士、認証保育園園長としての経験を活かし、保育サービス企業や派遣会社の保育士研修、保育士個人向けのカウンセリングなどを行っています。保育士の皆さんが自分の保育観を持てるように、そしてコミュニケーション力アップにもフォーカスした保育のヒントをご紹介させていただきます。→ウェブサイトはこちら
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