保育のプロフェッショナルになる②「どこの保育園でも保育できる保育士になる」


こんにちは、クーミンこと眞田 久美(さなだ くみ)です。
保育士、園長を経て、保育サービス企業にてスーパーバイザーや教務関連業務や研修を行っておりました。現在は、フリーランスで保育士向けの研修やカウンセリングなどを行っています。
さて、今回から新しいテーマ「保育のプロフェッショナルになる」と題し、新年度に向け、どのような雇用形態の保育士でも、無理なく働けるキーポイントを3回に分けてご紹介してまいります。
第2回目は、「どこの保育園でも保育できる保育士になる」です。
第1回目の記事はこちら:保育のプロフェッショナルになる①「どの年齢でも保育できる保育士になる」
保育園いろいろ
前回の「どの年齢でも保育できる保育士になる」でも書かせていただきましたが、待機児童対策として、行政・民営の隔たりなく保育園運営が行われるようになった昨今、公立・私立(社会福祉法人)の認可保育園だけではなく、認可外保育園、幼保一貫の子ども園、幼稚園での年少未満のプレクラス、英語プリスクール、就園前の幼児対象教室など、民間レベルでの保育・教育サービス施設も大変多くなりました。
合わせて、保育士の条件も正職員以外のポジションも増え、非常勤保育士、派遣保育士、保育学生などの補助保育士も必要となるほど、保育業界は、人材確保に必死です。
東京都でも保育士資格を持つ方に、給与面や条件などを考慮し、現場復帰してもらおうと都をあげて対策を掲げています。
保育士の仕事
私は、認可保育園で正職員として働いていた経験の他、派遣保育士として一時期、様々な保育施設で就業していたことがあります。
公立認可保育園、私立認可保育園、児童館(預かり保育や親子広場など)、公立学童保育など、期間も3日間、10日間、1か月、3か月など、いろいろなパターンで働いてみました。
そこで気がついたことは、児童館の親子広場や学童保育を除いて、保育園の一日の流れはほぼ同じということです。
そして、一斉保育の内容を除けば、仕事の内容もほぼ一緒です。
リーダーの仕事、サブの仕事、その他、補助的な仕事・・・もやるべき事にさほど違いはありませんでした。
しかしながら、そのような保育の現場で、大きく違いを感じたことがあります。
それは、保育園の規模(施設設備)による安全管理の範囲でした。
安全管理を意識することで、どの保育園でも働ける
前述したように私は様々な形態の保育園で就業し、また自分自身も所謂、認可外保育の範疇になる施設の運営に関わっていたことがあります。
ご存じのように、公立や公設民営の認可保育園には、看護師が常駐しています。
そのため、保育士には、園児が急病やけがをした場合も、看護師に引き渡すまでの応急対応を要求されます。
また、登園時の視診で何か気になる点があっても、その時点で看護師に相談しておくことも可能ですので、万が一保護者に連絡するようなことがあっても、早い判断で対応ができます。
その分、保育士がたずさわる業務が変わってきます。
そして、待機児童の多い乳児クラス(0~2歳児)の待機児童解消策として、乳児を多く受け入れる認証保育園(東京都)や認可外保育園などもあり、建設時から大掛かりな安全対策を講じている保育園もあります。
余談ですが、私も以前、認証保育園の立ち上げに関わったことがありますが、建築資材や設備、備品の安全性(生活だけでなく、消防法に適格な資材の使用など)など、大変な数のチェック項目をクリアしなければなりませんでした。
このように、設備的な安全管理は保証できても、日々の安全管理は、やはり人の手によるもの。
施設の形態によって、気を付けるべき点をしっかりおさえておくことで、どこの保育園でも保育できる保育士になれるのです。
公立・私立(社会福祉法人)の認可保育園
基本的に時間帯がはっきりしています。そして、その時間帯に必要な人数(人材)を配していますので、保育本来の仕事に集中できるものですが、関わる人が多い分、申し送りが非常に大切になります。
例えば、早番の先生が受け入れの際に保護者から伝言されたことを、担任なり、主任(や園長)にもれなく伝えることが、その日、園児が安全に過ごせるか否かに関わることもあるのです。
遅番も然り。園で起こったこと(例えば、園庭で転んで擦りむいたなど)などを、保護者に伝えるべきことを忘れてしまうことのないよう、どう申し送りをしているかを確認しておくことで、保護者からの信頼度も変わってきます。
また、公立認可保育園の中には、クラスでの役割分担のうち、リーダー、サブなど以外の仕事、掃除や雑務のような補助的な仕事を専門に行う用務スタッフなどを配置している園もあります。
その場合、補助役になった際の仕事の領域を知っておくことで無駄な動きをする必要がなくなります。
認可保育園で仕事をする場合は、役割とその業務範囲をしっかり確認しておきましょう。
ちなみに東京都の認証保育園は、認可と認可外の両面をもっています。
したがって、次の認可外保育園もご参照ください。
認可外保育園
認可外保育園の規模は様々です。東京都認証保育のように、設備や備品の基準がとても高く、認可保育園と設備的な引けを取らない施設もあれば、避難経路が2方向確保でき、最少人数を受け入れられるスペースと設備が確保できていることで開園、開業している場合もあります。
しかしながら、看護師が常駐していないケースが多く、契約嘱託医という形態で最寄りの医院に依頼し園児の緊急時対応やの定期健康診断、歯科検診などを行ってもらいます。
看護師が常駐していない分、万が一園児が急病やけがをした場合、嘱託医に引き渡すまでの保育士の緊急体制が確立されていなければいけません。
例えば、園内でのアレルギー対応はどのように決まっているのか、万が一アレルギーのある園児が発症してしまった場合誰がどこに連絡をするのかなどの連絡フローを確認しておかないと、アナフィラキシーショックなどの場合園児の命にも関わる事態になるからです。
また、給食設備のある園ではアレルギーに対するガイドラインをどのように決めてあるかを確認しておきましょう。
栄養士が常駐の場合は入園面談時に相談が可能ですが、外部に依頼をしている場合や、保育サービス企業のチェーン展開をしている保育園などでは企業として栄養士を採用し、献立を一手に引き受けている場合があります。
その際に、アレルゲンの種類によって除去食の献立も変わりますので、園長と栄養士(や調理師)のコミュニケーションが非常に重要になります。
そして、担当するクラスの担任の保育士に除去食の配膳や園児への配慮事項を確認しておきましょう。
アレルギーだけでなく、園の安全管理体制を事前に確認しておくことは、緊急時に自分がどのように動くべきかを知ることになります。
乳児クラスだけの保育園
「安全管理を意識することで、どの保育園でも働ける」でも、少しふれましたが、乳児(0~2歳)の待機児童は、全体の4割を占めており、育児休暇が終了しても預けられない家庭が多く、認証保育園や認可外保育園に頼らざるをえない場合が多く発生しています。
そのため、乳児だけを受け入れる認証保育園や認可外保育園も増えており、その保育士必要配置数分の人材確保も非常に厳しい状況となっています。
私も派遣会社に登録をしていた頃、殆ど乳児クラスに入っていました。
特に0~1歳児が多く(待機児童数でも、0歳児が一番入りにくいようです)、園児数に対して保育士の人数が不足しないようにしなければならず、毎回0歳児または1歳児を担当していたものです。
保育園では、年齢の低いクラスほど保育士の役割が重要になります。
基本的生活習慣の確立を主な園生活の時間を費やす乳児クラスでは、リーダー、サブ、フォローやサブサブ(呼び方はそれぞれ)など、役割に応じて一人として同じ動きをしないことがポイントとなります。
また、保育士同士の声掛けや動きを察知するアンテナをはっておくことで、園児にもスムーズな導線を確保してあげられるのです。
登園→自由遊び→トイレ(おむつ替え)→午前のおやつ→遊び→片付け→トイレ(おむつ替え)→給食→トイレ(おむつ替え)→着替え→午睡→トイレ→午後のおやつ→遊び→トイレ(おむつ替え)→降園
どの乳児クラスの一日は、このような流れではないでしょうか。
このメインの活動に前後に、園の方針や年齢(月齢)によって検温があったり歯磨きをしたりするものです。
この流れの中でリーダーは何をするのか、サブは何をするのか、フォローは何をするのかを事前に把握しておくことで大人が無駄な動きをしなくなり、子どもたちの安全が確保されるのです。
乳児クラスは、保育士のチームワークがとても重要なのです。
どこの保育園でも保育できる保育士になる
保育の仕事は、どのような形態の保育園でも保育ができることで生涯の仕事になりえます。
男女平等の世の中にあって、このような表現はあまり歓迎されないと思いますが、女性がもつ天性の愛(母性愛)を十分に活かし、未来を担う子どもたちの成長のいっときをサポートしていきましょう!
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クーミンのブログはこちら
≫『言葉が心を育てる…保育・教育ティーチャーサポーターの思う”こころ育て”』
クーミンは保育者向けのセミナーなども行っています。
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