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発達障がいと判断する前にしてほしいこと

こんにちは、クーミンこと眞田 久美(さなだ くみ)です。
保育士、園長を経て、保育サービス企業にてスーパーバイザーや教務関連業務や研修を行っておりました。現在は、フリーランスで保育士向けの研修やカウンセリングなどを行っています。

幼稚園や学校の夏休みも残り少なくなってきましたね。学校によっては、既に2学期が始まっていたり、幼稚園では、先生方がそろそろ2学期の準備に取りかかっていたりする頃でしょうか。

先日、知人の保育士からこんな話を聞きました。
その先生は、幼稚園教諭として10数年勤務し、その後、地元の保育園で非常勤保育士として数年になるベテラン・・・その経験もあって、園での生活や活動に支援が必要な園児を補助する役目(加配担当)を担っていました。

加配以外の要支援児

その先生は2年前にも加配を担当しており、担当していた園児に言語障がいと知的能力に遅れがあり、小学校は特別支援学校に入学することが決まっていました。
在園中は、保育園でできること、発達支援施設でできることなど、それぞれの機関での役割分担が決まっており、卒園後は、養護学校へ入学しました。

今年度は、2年前の要支援園児より軽い障がいではあるものの、集団生活においては、サポートが必要であり、小学校入学に向けて、普通学級への入学を目標に自立できることを増やしていくための要支援を行っているとのことでした。

しかしながら、その先生曰く、要支援がわかっている園児以外に、「※グレー(ゾーン)」と言われる園児が数人いて、小学校入学が心配だというのです。
※グレー(ゾーン) :自閉症スペクトラムや知的発達障がい等と診断されていないけれども、ある分野の発達が欠けている(または遅れている)ようなケースに使われる言葉

発達障がい?グレーと呼ばれる子どもたち

私も長年、保育や教育の現場で、「グレー」と言われる子どもたちに関わってきました。
しかし、グレーな特徴のある子どもを発達障がいらしい・・・としてしまっては危険だと思うのです。

一般的に言われるグレーな特徴とは、
*物事の理解力が乏しい、理解するまでに時間がかかる
*感情のコントロールができない、周りが見えなくなる
*一つのことに集中できない、反対に一つのことに執着し過ぎる
*文字が読めない、書けない
*他の子どもとの関わり方がわからない(必要以上に接近する、思いの伝え方が一方的など)

なぜなら、これらのことは皆、同じではないのです。
誤解を恐れずに言うと、程度の大小はあるけれど、健常児でもありうることです。

もちろん、生活に支障がある場合は、支障がない程度までサポートすることで子ども本人にとっては生活しやすくなると思います。
しかし、それを障がいと呼んではいけないと思うのです。

自閉症かもと言われていたKくん

実際に、私は派遣保育士としてある認可保育園で、発達障がいがあると言われた園児の対応をしたことがあります。

その園児、Kくんは「自閉症かもしれない」と聞いていました。
現に発達支援センターの先生とも園内で定期的に面談しているとのことでした。

Kくんは年長組でしたが、こんな行動がありました。

・一斉保育が始まっても一人で部屋から出てしまう(大体、決まった場所に座りこんでいる)
・給食を皆と一緒に食べずに(食堂に入ってこない)、部屋で遊んでしまう
・自分が遊んでいるおもちゃを触られただけで大騒ぎする
・午睡ができない

私は、Kくんの行動を観察しつつ、無理にクラス活動に入れたりすることをせずに、Kくんが参加しようとしまいと、言葉がけを続けてみました。

Kくんを観察する

そのうち、私はKくんが、私が話しかけていることを聴いているという確信がありました。
そして、理解していての行動だと・・・
その背景には、先生(またはママ)に甘えたい、見ていてほしい、自分に目を向けてほしい・・という思いがあるのではと思ったのです。(Kくんには、妹がいます)

そこで、Kくんが部屋の外に出ても、必ず、迎えにいくようにしました。
すると一緒に部屋に戻るようになり、活動中、私の傍らにいることが多くなりました。

次に、給食の時間は食堂まで来るようになりました。
すぐには、テーブルにつくことはできなかったのですが、一人の特定のお友だちと一緒に座れるようになったことをきかっけに、給食も少しずつ口にするようになりました(最終的には全部食べるようになった)

気が向いた活動から、徐々に一斉活動の時間への参加が増えてくると同時に、おもちゃへの固執が減ってきました

午睡の際に、常にKくんの見える位置に私が座ることで午睡をするようになり、横になることができるようになり、よく眠るようになりました。

観察から思ったこと

この観察から、私が感じたことは、発達障がいではなく、心を満たしてほしかったのでは、と思ったのでした。
もちろん、Kくんも初めは警戒し、また私を試すような行動をとったり(大きな声で怒る、逃げる、隠れる)していましたが、日々、向き合い、試行錯誤で折り合いをつけていくうちに、彼なりの安心を感じたのでしょう。

私は、この保育園に3か月だけいたのですが、最後の半月は、Kくんは他の園児とまるっきり同じように、「お当番」などの役割分担も含めて、日々の活動を一緒にすることができていました。
その様子に、発達支援センターの先生も大変驚いていました。

この出来事から、他の人から聞いたことをあてにしてしまうのでなく、自分の目で観て、どうすることがその園児にとって良いかを考えることが大切なのだと思いました。
先入観や偏見で見るのではなく、自分の目を信じて、考え判断すること、そのうえで、まわりの意見や考えを聞くことが大事だと思うのです。
また、「普通は・・・」という言葉で片づけてはいけないと思うのです。

保育・教育にたずさわる皆さんへ、人から聞いたことだけで、
「この子は○○なのだ」と判断することなく、
あなたが出会った一人一人の子どもたちを、あなたの目で観て、接して、その子どもの将来にとって、何が必要かを考えた保育を目指していただきたいと思います。

クーミンは保育者向けのセミナーやカウンセリングなども行っています。
≫『K.Sティーチャーズマインドサポート』
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クーミンのブログはこちら
≫『言葉が心を育てる…保育・教育ティーチャーサポーターの思う”こころ育て”』
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この記事を書いた人

クーミン
K.Sティーチャーズマインドサポートを主宰。元保育士、認証保育園園長としての経験を活かし、保育サービス企業や派遣会社の保育士研修、保育士個人向けのカウンセリングなどを行っています。保育士の皆さんが自分の保育観を持てるように、そしてコミュニケーション力アップにもフォーカスした保育のヒントをご紹介させていただきます。→ウェブサイトはこちら
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