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保育でも生かせる!障害者にとっての視覚支援~視覚的情報の有効性~

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「精神障害者保健福祉手帳」をもつ保育士、”たこぼうず”です。広汎性発達障害(アスペルガー症候群、ADHDの要素を含む)の診断を受けています。前回は、『障害をもつ保育士~たこぼうずの幼少期と現代~』という記事を書きました。今回は、障害者にとっての「視覚的情報の有効性」についてご紹介します。

前回の記事はこちら≫『発達障害をもつ保育士~たこぼうずの幼少期と現代~』

保育士の仕事をする上で困ること”口頭での情報交換”

発達障害_視覚支援_会話

発達障害をもつ子どもには、絵や写真などを見せる視覚支援などの、“視覚的情報”が有効であるとよく言われているのをご存じでしょうか。これは成人してからも当てはまることだと思います。なぜなら私自身、耳から得た情報を理解することが不得手なため、仕事をする上で視覚的情報がとても助けになっているからです。

保育士の仕事をする上で困ることの1つが口頭での情報交換です。例えば、早口の報告を一定時間聴いていると処理できる情報量を超え、理解が難しくなります。雑談も同じです。多くの人は、雑談をしながら重要な情報聞き流す情報を無意識に選択できているはずですが、私の頭は全ての情報が”重要”だと判断してしまうようです。

フォーマルな会議での情報交換は、論理的に整理されていることが多いため理解できるのですが、結論が明確ではないものは、なかなか理解できず難しく感じます。

情報交換の際に心掛けていること

発達障害_視覚支援_メモ

ただ保育に限らず、仕事をする上で人の話を聞くことは大切です。そこで私が心掛けているのは、とにかくメモをとること

耳から得た情報をその場でメモにとり、見えるように工夫することで理解が進みます。具体的には、何か用事を頼まれた時や、相談を受けた時、打ち合わせをする時にはすぐにメモをとるなどです。また、会議の時にはパソコンでリアルタイムに会議録を打ちます。口頭で伝えられた情報を、その場で要約して見える化することは理解の助けになります。

電話応対もほぼ耳からの情報のため、私にとっては大変不得手です。そのため、電話応対の時も必ずメモをとって情報を見えるようにし、相手に電話をかける時も、簡単な台本のようなものを書くようにしています。これでだいぶスムーズに仕事ができるようになります。

裏を返せば、メモをとれない状況での口頭報告や会議、電話応対は、大変厳しいものがあるということです。

周りの職員の協力

発達障害_視覚支援_保育者の協力

チームの先生方には、可能であれば報告はメモ書き文書でしてもらいたい旨を伝え、ご協力をいただいています。欲を言えば、結論から伝えていただくことで理解は随分スムーズになります。

おそらくこれらのことは、発達障害をもつ人だけではなく、多くの人にとって仕事をする上で重要なのではないかと思いました。『部下を定時で帰す仕事術』(佐々木常夫、Wave出版)には、文書で伝えることの効率性が記されています。

口頭報告のデメリットは、文書よりも相手を拘束する時間が長くなり、情報が正確に伝わりにくい点です。もちろん、コミュニケーションを交え、ニュアンスを重視したい案件は口頭報告が適していますが、正確に情報を伝えたい時や、複数の人に共有したい時には、文書による報告が適していると私は考えます。

“ながら”保育をしないためにも「見える化」は大切

発達障害_視覚支援_連絡帳

保育をしながら打ち合わせをしたり、連絡ノートを書いたり、教材準備をしたり、何か別の仕事をしながら保育をすることは、現場によくある光景ではないでしょうか。私はこれを“ながら保育”と呼んでいます。

“ながら保育”は適切ではないと私は思っています。なぜなら、目の前にいる子どもたちが置き去りになってしまうからです。一生懸命話しかけている子どもにしてみれば、先生が連絡ノート片手に、心そぞろに相槌を打つ状況は寂しいものがありますよね。

本当は先生方も”ながら保育”をせず、子どもと存分に向き合いたいのでしょうが、膨大な業務量ゆえに”ながら保育”にならざるを得ない側面があるのではないかと思います。

私は現在の職場に転職してから、真っ先に”ながら保育”の廃止を図り気づいたことがあります。”ながら保育”の廃止をする時でも、業務を見えるようにすることは重要だということ。

廃止する時には、チーム職員の動きが見えるように<資料A>のような表を作りました。この表は、打ち合わせをする時は打ち合わせに、連絡ノートを書く時は連絡ノートに、子どもとかかわる時には子どもに集中できるような働き方を考え、整理したものです。

▼ 資料A『保育士の動きを表した表』
発達障害_視覚支援_表

※画像をクリックすると拡大します。

こちらの表の詳細は、下記の記事に載っています。
≫『幼稚園・保育園でも残業しない方法はあるの?!』

この表があることで、一つひとつの業務に集中できるようになっただけではなく、子どもの満足感や安心感にもつながったように思います。

障害を利点に変えて!保育では視覚支援を取り入れよう

発達障害_視覚支援_絵カード
▲ 絵カードの例

発達障害をもつ私のハンディは、多くの人は「見えなくてもなんとかなる」点が、私にとっては「見えないと困ってしまう」ということでしょうか。しかし、ハンディを抱えていても、仕事が見える職場環境になることで、発達障害をもつ人が力を発揮しやすくなり、多くの職員にとっても働きやすい職場になると感じています。

これらのことを踏まえて保育について考えてみましょう。例えば子どもたちにも絵カードなどで、伝えることを見えるようにすると、発達障害をもつ子にとっての支援になるだけではなく、全ての子の理解を助けます。障害をもつ子にとってこれは、目で見て行動できるようにする“視覚支援”になるのです。

もちろん素話など、口頭の話を理解する楽しさもあるので、大事なこと、必ず伝えたいことは、見えるようにすると良いと思います。

この場合、絵カードのようにきちんとしたものを準備する必要は必ずしもなく、ホワイトボードなどに簡単なイラストや文字を書くだけでも効果があります。

私は喧嘩の仲裁をする時や話し合いをする時にも、ホワイトボードをよく使います。子どものお互いの言い分を書き、自分の思っていること、友達の思っていることを見えるようにすることは、お互いの理解につながると感じることがあるからです。

絵カードとは:子どもたちへの支援指導を念頭に作成された絵カードです。子どもたちがカードを見ることで、内容が伝わりやすいようになっています。

今回は「視覚的情報の有効性」についてでした。お付き合いありがとうございました。それではまた次回!
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たこぼうずさんのブログでは、障害についてだけでなく、ワークライフバランスについても書かれています。自身の実体験からの内容なので、参考になる部分が多くありますよ。
たこぼうずさんのブログはこちら≫『男性保育士の本音 たこぼうず』

たこぼうずさんのブログはこちら≫『男性保育士 たこぼうず』

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