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発達障害をもつ人のこだわり・対処法とは?~1人の時間の必要性~

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こんにちは、アスペルガー症候群とADHDという発達障害をもち障害者手帳を所有する保育士、たこぼうずです。

今回は“こだわり”について書いてみたいと思います。

前置きとして…私は発達障害をもつ張本人というだけでして、お書きしたことが正しいとは限りません。私が経験している”事実”を書いていますので、体験記のように読んでいただけるとありがたいです。

こだわりとは…
“こだわり”とは、ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。という意味です
※アスペルガー症候群
知的障害を伴わないものの、興味・コミュニケーションについて特異性が認められる自閉症スペクトラムの一種

※ADHD(注意欠陥多動性障害)
多動性・衝動性と注意力の障害を特徴とする行動の障害

こだわりの行動例

発達障がいこだわり_行動例

“こだわり”というものは、多かれ少なかれ誰でももっていると思います。ただ、こだわりの種類や程度は人それぞれ違うものです。発達障害をもつ私もまた、いろいろなこだわりがあります。

例えば…

同じことを好み・変化を嫌う

・毎朝決まった時間に起きて必ず珈琲を飲み、同じ電車同じ車両に乗り、毎日決まったルートで出勤します。日々同じことの繰り返しを好み変化を嫌います。

・気に入った服は何着も購入するため、家には同じ服がいくつもあります。

興味の範囲が偏る

興味の範囲が偏っており、好きになったものはとことん追究します。子どもの頃は、大相撲の力士のしこ名を横綱から序の口まで全員覚えていました。ウルトラマンに出てくる怪獣は、全長・体重まで大方暗記し、6歳頃にはほとんどの漢字が書けるようになっていました。

位置にこだわる

ペンを置く時は、ペンを斜め30度にし、取手が右側になるように、またカカッと一定のリズムで音が鳴るように置きます。うまくリズムが取れなかった場合は、何度も置き直します。

ルールに関して敏感になる

社交辞令が通じず、1度取り決めたことが守られないことがあると大きな不信感をもちます。

例えば、近年自転車の左側走行が法律で義務化されました。それまでは右側走行している自転車は特に気になりませんでしたが、法律で義務化されたがゆえに、徹底されていない世の中の状態にイライラするようになりました。右側通行で来た自転車には、自分の体を当ててでも法律を通そうとします。(※真似しないでください)

範囲を明確にしたがる

自分と他者のテリトリー分けを明確にしたがります。電車では、フラットな長椅子にはうまく座れません。どこまでが自分のスペースかわからないからです。

また、小学校のような個人持ちの机は安心しますが、大きな机を複数人で使う場合には、どこからどこまでが自分の領域かわからず作業に集中できなくなります。

偏食の傾向がある

偏食の傾向があり、毎日欠かさず食べるものや決して食べないものがあります。10円ガムや蕎麦は、2年程ほぼ毎日食べていました。

発達障がいこだわり_アスペエルガー症候群

誰でもあるようなこだわりから、ちょっと変わっているこだわりもあります。

発達障害をもつ私が人と違うところは、こだわりの種類と程度に加え、「こだわれなかった時にどうなるか」ということです。

多くの人は、こだわれなかった時にも何らかの方法で気持ちの折り合いをつけることができるでしょう。社会生活を送る上でこだわりは、ある程度我慢するか目立たないようにして適応する必要があるからです。

しかし、私の場合は周囲からこだわりを過剰に制限されたり、周囲に気を遣ってこだわることを我慢しすぎたりすると大きなストレスがかかり、こだわりがより一層強く表れるようになります。

上述のペンの例の場合は、何十回もペンを置き直さなければならずペンが置けなくなることもあるのです。ルールに関することでは、1度取り決めたことを守らない人に対して攻撃的、好戦的になることもあります。

これを”わがまま””自分勝手”と捉えるか”発達障害”と捉えるかということだと思いますが、障害手帳を持っていても、世の中からは”わがまま”と捉えられがちな現実があります。

“こだわり”がある子に対し保育の中でできること

発達障がいこだわり_保育

適度なこだわりは、心の拠り所であり、安心感をもたらすものだと私は考えます。

そこで、私は保育士として担任をもっていた頃、こだわりのある子どもには、充分にこだわれるような環境を整えるようにしてきました。他の人からは”些細”と思うようなことでも本人にとっては重大なことだからです。

充分にこだわれることで結果的にこだわりが過剰に強くなるのを防ぎます。

唇を噛む、トイレの右端を使う、すぐにカッとなる、保育室を脱走する、くるくる回転する…。これらの表出するこだわりをむやみに止めると、本人に過剰なストレスをかけ、より強いこだわりとなって表れることがあるのです。

表面的なこだわりを制限するのではなく、こだわりをもたらすストレス源を拭うことが大事だと私は考えています。

とはいえ、集団環境が余儀なくされる園生活では、多かれ少なかれストレスはかかりますし、本人にとって必要なストレスもあります。このあたりは、慎重に本人の状態を見極めてストレスをかけていくことも重要でしょう。

ただ、どんな場合でも本人がホッとできる安全基地は必要ではないでしょうか。

実際に使用していたダンボール

実際に使用していたダンボール

クラスで設定できる安全基地としてオススメしたいのは”段ボールで作った小さな個室”です。それも、常時あって好きな時に入れる個室だとなお良いでしょう。

私もよく保育室に段ボールの個室を置いていました。気がつくと、たいてい決まった子が段ボールに入っているのです。入っている子をよく観察していると、一定時間段ボールにこもると満足するようで、再び集団の中に自分から入っていく子もいました。

安全基地で気持ちを調整し、外の世界に挑戦しようという意欲が生まれたのだと思います。

安全基地は大人になっても必要な場所

発達障がいこだわり_安心

ちなみに、私自身も保育園児の頃は段ボールの家にこもったり、保育室を抜け出して倉庫に隠れたりして1人になれる環境を自ら作っていました。大人になった現在も、1人になれる場所というのはとても大きな意味をもっています。

現在勤めている職場でも1人になれる環境を確保するようにしています。特に「休憩時間の自由利用の原則」(労働基準法34条)の『労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。また、使用者は休憩時間を自由に利用させなければならない。』ことが浸透している現在の職場は、私にとってありがたい環境です。

職場を離れて1人の時間を作ることで、1度神経にかかった負荷をリセットすることができます。1人の時間を確保することは、過剰なこだわりを解消し発達障害をもつ人が社会生活を送る上で重要だと思っています。

休憩時間の確保についての記事はこちら≫『保育士や幼稚園教諭にとって休憩時間とは』

発達障がいこだわり_関わり方

こだわりは、安心感をもたらすものでもあります。クラスの中にこだわりが強い子がいたら、まずはこだわりをもたらすストレス源が何か考えてみてくださいね。

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たこぼうずさんのブログには、保育に関する内容が載っています!

たこぼうずさんのブログはこちら≫『男性保育士 たこぼうず』

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