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海外の保育とはどんなもの?池上彩音さん取材レポート(前編)

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海外で森のようちえんを体験!池上さんにインタビュー

園舎を持たずに森の中で過ごす「森のようちえん」を知っていますか?

1950年にデンマークから始まり、ドイツ、日本へと広まりました。
主に園舎を持たず森で過ごしていますが、その形態は様々で、園舎があり森へ出かける場合もあります。

今回、ほいくらいふではドイツで森のようちえんを体験してきた池上彩音(いけがみあやね)さんにインタビューをしました。
実際の森での過ごし方や、明日からの保育に活かせる考え方を伺いました。

前編と後編の2回に分けて池上さんの経験を紹介します。
前編では「なぜ海外の保育を学びに行ったのか」「海外と日本の保育の違いについて」をお伝えします♪

後編はこちら→森のようちえんとは?池上彩音さん取材レポート(後編)

保育に疑問を抱いて単身ドイツへ

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―――ドイツ森のようちえんに行くきっかけは何だったのでしょうか?

4年間保育園で保育士として働いていましたが、「保育」に疑問を抱くことがありました。

子どもに対して求められることが多く、押しつけがましい保育が多いと感じるようになったんです。口では「遊びの中で」と言っているが、結局「やらせている感」があったと思います。

そんな中、海外が好きで一人で旅行に行っていたので、海外の保育にも自然に興味が湧きましたね。森のようちえんにも元々興味があったので、今度は旅行でなく目的をもって海外に行こうと思いました。

調べると保育の体験ができるプログラムがあり、参加を決意しました。
シュタイナーやモンテッソリーも参加したかったのですが、プログラムの都合で参加できず、森のようちえんのみになりました。

森の中で遊ぶのが未知で、園舎を持たないことも興味深かったですね。

先生や子どもとの言葉の壁はあるの?

―――子どもたちや先生との会話・関わりはどうしていたのですか?

先生はドイツ語のみで英語が全く離せなかったので、ドイツ語の通訳を1日目のみお願いし、質問事項などはまとめてお聞きしました。あとは、ジェスチャーですね。

先生との会話には困ることがありましたが、子どもたちは言葉が通じなくても仕草などで言いたいことは何となくわかりました。トイレに行きたいとか…

あと、笑いのツボや喜ぶポイントは一緒でした!
ブランコを押したり、追いかけっこをしたり遊びの中でもコミュニケーションはとれましたね。

なので、”言葉の壁”はほとんど感じませんでした。

子どもたちの反応が日本と違う?!

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―――初めて会った時の子どもたちの反応はどうでしたか?

日本で実習などに行くと「遊んで遊んで」と甘える子が多かったですが、ドイツではほとんどなく、自分の遊びに集中していたことに驚きました。

初めて会った時だけでなく、全体的に人を気にしていないように思いました。

先生にもその驚きを伝えたところ、「普段から自分たちの遊びが十分にできるよう配慮をしているからだと思います」と教えてくれました。

子どもだけでなく、海外の人は良い意味で人をあまり気にいていないように思いました。

日本人は、周りを気にして過ごしていることが多いなと思いました。

―――他には日本とドイツの子どもに違いを感じる点はありましたか?

全ての子どもがそうとは限りませんが、やはり他人を気にしせず、自分の世界をしっかり持っていることに感動しました。

自分の世界をもっていると感じた理由は、自分のやりたい遊びを集中して行っていたためです。良い意味で、友だちに合わせていないんですよね。

幼児でも女の子は特にグループができてくるじゃないですか。
本当にやりたい遊びを我慢して、合わせてしまうこともありますよね。
それが全部悪いとは思いませんが、人を気にしすぎているところもあると思うんです。

ドイツの森のようちえんでは、そのように人に合わせている様子はありませんでした。

また、「普段から自分たちでやりたい遊びを考えて行動しているので、多少の困ったことがあっても先生を呼ばない」と言っていました。
本当に困ったときのみ先生を呼び、基本は自分たちで解決することが多いようです。

日本で働いていた頃は、保育士が1日の予定を決めていたので、自由遊び中も「これしていい?」など聞く子が多かったと思うので…。

その質問に罪悪感があったんですよね。
保育士が考えた一斉活動が多いのも原因かなと…。

ドイツでは、自分で考えて行動を起こすことが当たり前になっていましたね。

海外で新しく学んだ子どもとの関わり方

―――森のようちえんはのびのびと自由に遊ぶイメージがありますが、その中で先生は子どもたちにどのように関わっていましたか?

「初めて会った時の子どもたちの反応」でも答えましたが、自分たちの遊びが十分にできるよう配慮をしているそうです。

あと、印象的だったのは”叱り方”です。
例えば、子どもがわざと他児を転ばせようとした時や食事中にちょっかいを出した時などに、叱るのではなく、まずは場所を移動し、落ち着いた環境でいけない理由を伝えていました。

子どもも「やだー」と言って騒ぐことはなく、落ち込んではいましたが受け入れていました。

体験期間中も「やだー」など暴れる子はいなく、先生に普段の様子を聞いてみいたところ、「ごくたまにあるが、その際も怒って自分の考えを押し付けるのではなく、”私はこう思うから、こうがいいと思う”と気持ちや思いをあくまでも自分の意見として子どもたちに伝えている」と言っていました。

森のようちえんの体験前に事前研修でも、この考え方の重要性を教えてもらいました。

子どもにも、一人の人として同じ目線で気持ちを伝えるという積み重ねがあって、子どもたちも受け入れられているのだと思いました。

―――森のようちえんでは、様々な年齢の子が共に過ごしていますが、異年齢保育についてはどのような考えなのでしょうか?

主に幼児さん(3~6歳)が過ごしていますが、先生は年齢の概念を気にいていないと言っていました。年齢は気にせず、常にみんなが楽しめることを優先していました。

保護との関わり方は?

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―――保護者とはどのように関わっているのでしょうか?

森のようちえんはドイツで人気があり、入園できない子もいるようです。

自然の中での生活や遊びを通して子どもにも成長をしてほしいと考えている保護者が多いようです。

例えば、森で遊ぶので、毎日洋服は泥だらけになります。
それでも嫌な顔をする保護者はいないみたいです。

理解して預けているようで、その点は協力的な方が多かったですね。

園の活動にも協力的で、丸太などで作った「家」があったのですが、保護者が休日に作った遊具でした。

保護者の理解、協力があり、森のようちえんは成り立っているのだと感じました。

まとめ

子どもにも同じ目線で気持ちを伝えることや、年齢は気にせず、常にみんなが楽しめることを優先していることから海外では、”個”を大切にする関わりが多いと感じました。

また、子どもたちもやりたい遊びが十分にできていることや、遊びの中で自分で考え決める経験が多くできることから、保育者に甘えることも少ないのですね。

日々の遊びの中で培うものは多くあります。
行事前で忙しい時期でも、なるべく自由遊びの時間を確保したいですね。

後編では「森のようちえんの特徴」についてお伝えいたします。

後編はこちら→森のようちえんとは?池上彩音さん取材レポート(後編)

プロフィール

彩音
池上彩音さん

横浜市内の保育園に4年間勤務
退職後、保育の勉強を兼ねて海外へ
趣味は、海外旅行、手芸

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