森のようちえんとは?池上彩音さん取材レポート(後編)

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最終更新日:2015/07/14

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前半に引き続きドイツで「森のようちえん」を体験してきた、池上彩音(いけがみあやね)さんにお話を伺ってきました。

前半の記事はこちら→海外の保育とはどんなもの?池上彩音さん取材レポート(前半)

前半では「なぜ海外の保育を学びに行ったのか」「海外と日本の保育に違いについて」お伝えしました。
後半となる今回は「森のようちえんの特徴」を紹介します。

森のようちえんの環境

森のようちえん 道中

―――森のようちえんの形態は大きく分けて3つありますが、体験した園はどのような形態でしたか?

今回体験した園は、園舎をもたずにほぼ毎日森で過ごす「通年型」でした。
他の形態としては、年間に数十回森へでかける「融合型」
イベント的に森へ行く「行事型」がありますね。

―――森のようちえんの環境を教えて下さい。

雨の日も雪の日も森で過ごし、20人の子どもたちと保育士は1人に、森の管理人1人が基本だそうです。

保育士の人数 保育士1人・フォレスタ(森の管理人)1人
子どもの人数 20人の異年齢保育
集合場所 森の入り口・時間に遅れ、遊び場に向かっている途中や、遊びが始まってから来る人も多い
1日過ごす場所 雨の日も雪の日も基本的に毎日森で過ごす(安全のためテープで範囲指定をしている)・非常時用にコンテナが2つある・基本同じ場所だが週に1,2回普段と違う場所で遊ぶ
トイレ 森になるべく影響を与えないよう、場所を変えながら森の中で行う・トイレットペーパーはある
お弁当 お弁当は朝食用・昼食は外部から運ばれてくる

―――森の中で保育士は一人なんですね!不安などないのでしょうか?

私も森の中で子ども20人に対して、保育士1人ということに驚きましたが、フォレスタが、森の事を教えてくれるので心強いと感じましたね。
またフォレスタは必ず男性と決まっていて、人が変わることもあるそうです。

集合場所は一応森の入り口になっているが、森に向かう途中で合流したり遊んでいる最中に来たりする子もいて、比較的自由に感じました。

コンテナの中に、おもちゃや絵本があったことも驚きでした。
ただコンテナの中では遊ばず、森の中に机を出して絵本やお絵かきをしていましたよ。

森の中は安全確保のために、遊ぶ範囲をテープで囲っていました。
囲っているだけで、多少丸太などは置いてますが、ほとんど森に手は加えていないそうです。

――雨の日も雪の日も森で過ごすのですね!やはりレインコートを着るのでしょうか?

雨の日気になりますよね。
私も「体験中降ったらいいな」と思っていたらたまたま雨の日があったんですよ!
レインコートではなく、寒い日だったのでスキーウェアを着て長靴を履いていました。

長靴を履いていない子は、大きな水たまりで遊んではいけないという約束があり、履いていない子は少し残念そうでした。

―――お弁当は朝食用ということにも驚いたのですが…

そうですね。お弁当はドイツパンにハムが主流で、お弁当というより持ってきたという感覚でしたね。日本のお弁当のありがたさを感じました。

昼食も、パンにハムで簡単なものでした。

1日の活動内容

そこまで時間で区切って活動はしていなかったですね。
降園の際の片付けも、最後にはキレイに片付いていましたが、のんびり個々にしていたので時間はかかっていました。

8:00 順次登園・森へ向かう・自由遊び
8:45 排泄・朝の会
9:15 朝食
9:45 自由遊び
11:30 昼食前の集まり(みんなでゲーム遊び)
12:00 昼食
12:30 自由遊び・順次片付け降園

―――集まりやゲーム遊びもあるのですね。

想像していたよりも、集まりや一斉活動もありましたね。
一斉活動と言っても、食事前に行う短い時間なので、やはり基本は自由遊びが多いです。

集まりではくじ引きで当番を決め、当番の子が今日の歌や手遊びを決めていました。
歌はピアノがないのでアカペラでした♪

森の中での遊び方

森のようちえん 遊び

―――森の中ではどのようなことをして遊んでいましたか?

おにごっこや木登り、見立て遊び、絵本やお絵かきなどをしていました。

鬼ごっこですが、みんな走るのがとても上手でした!
森の地面が木の根などでデコボコしていたので、とてもじゃないけど思い切りは走れませんでした。
子どもたちは、全く地面を気にせず、思い切り走っていたんですよ!

あとは転び方が上手でした。手がすぐ出るので大けがは過去1度しかないそうです。
それ以前に転ぶことが少なかったですね。

―――森の中での約束はあるのですか?

・安全確保のテープから出ない
・見えないところには行かない
・お散歩のときは、曲がり角でみんなが来るのを待つ
・木は登ってはいけない木もある
・木の実やキノコは食べない
などの約束がありました。

お散歩の際ですが、日本だと2列で手を繋いで歩くことが多いと思いますが、森のようちえんではそれぞれが自由に探索しながら進んでいくんです。
迷子にならないように、曲がり角では一度みんなを待つという約束もありました。

―――探索しながらのお散歩は楽しいでしょうね♪

のびのびと遊ぶ子どもたちを見て…

―――森の中で遊ぶ子どもたちの様子を見てどのように感じましたか?

「友達にぶつかった」「おもちゃを取られた」などのトラブルが少ないと思いました。

また「集まりに参加したくない」と言う子がいなかったです。集まりの際は片付けをしていなかったので、集まり後に遊びが続けられる安心感や常にやりたいことができでいる満足感が影響していると思います。

子どもたちを見ていて、満足できるまで遊ぶことの大切さを実感しましたね。

また、転び方も上手なことや、体調崩す子も少ないようなので戸外遊びの必要性を実感しました。

―――小学校に入ってから、森のようちえんの子と他の園の子と違いはあるのでしょうか?

小学校までの目安があるそうなので、年長さんはコンテナの中で字の書き方などの活動も行うようです。

小学校の先生にお聞きしたところ、「森のようちえんから来た子はすごく集中力がくあり、多くのことに興味を示す、しかし椅子にじっと座るのが難しい」とおっしゃっていました。
徐々に慣れてくるので、そこまでの違いはないようです。

今後の目標

森のようちえん

―――ドイツで学び、日本に戻った今、何をしていきたいと思いますか?

退職してから、実体験や本から色々学べたのでいい経験になりました。
今後は、日本の「森のようちえん」の見学に行ってみたいですね。

また子ども一人ひとりの個々を大切にすること、大人が決めるのではなく、子ども自身で考え行動できるよう関わっていくことや遊びの必要性をもっと多くの方に伝えていきたいですね。

まとめ~ほいくらいふから~

私が園で働いていた時、運動会では筋力の低下や転び方の問題から組体操がなくなり、遊びの中では、手をついて転べない子が年々増え顔から転んでしまう子がいました。

近年では、小さい年齢から習い事をする子が増えてきていると思いますが、戸外で思いっきりやりたい遊びをすることが発達上いかに大切か、改めて感じさせられますね。
しかし、年々戸外で思い切り遊べる場が限られてきています。

これからも子どもたちが十分にやりたい遊びができる環境づくりや、時間設定をしていきたいですね。

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