公務員試験対策もバッチリ!保育士採用試験の内容とポイントまとめ


保育士を目指し、養成校に通ったり保育士試験を受けたり努力している方も多いですよね。
しかし、資格を取っただけでは保育士として働くことはできません。
実際に働くには、保育士としての登録を行い、公立か私立か勤め先を選び採用試験を受ける必要があります。
本日は保育士採用試験の内容と対策のポイントをご紹介します!
保育士の採用試験って何をするの?
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保育園は大きく公立と私立に分かれています。公立保育園に就職する場合は、各自治体が実施している試験を受けて合格し、採用されなければなりません。
私立保育園で働く場合は、各事業所の求人に応募し試験に臨む必要があります。
公立と私立の採用試験の流れを詳しく見てみましょう。
公立・私立保育園の採用試験までの流れ
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※自治体によっては3次試験まで行うこともあります。
保育士採用試験は毎年実施されるとは限らないので、試験を受ける前に就業したい自治体の試験の有無を確認する必要があります。公務員試験は6~9月に行うことが多いですが、臨時採用がある場合や欠員が出たら行う場合もあるので、こまめに自治体のホームページをチェックすると良いでしょう。
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各運営主体の求人に応募して直接選考に進みます。応募には、学校への求人案内の他、各自治体のホームページやハローワーク、人材紹介会社による紹介などさまざまな方法があります。
公立・私立保育園の試験内容
- 公立の試験内容
1次試験 | 教養試験 専門試験 |
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2次試験 | 論作文試験 面接(口述)試験 適正試験 適正検査 実技試験 身体検査 体力検査 |
- 私立の試験内容
1次試験 | 書類選考(履歴書・卒業見込み証明書・資格書) |
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2次試験 | 面接試験 実技試験 論作文試験 |
公立の保育士は地方公務員となるため、専門・実技試験に加え教養試験が行われるのが大きな特徴です。私立でも園によっては「教養」や「専門」などの筆記試験を実施する場合もあります。
自治体や園によって、1次と2次試験の内容が異なることがあるのでよく確認しましょう。
1次試験の内容と対策のポイント
教養試験の内容と対策
教養試験では、一般知能・知識に関する問題が出され、一般知能は主に4種類出題されます。それぞれの出題傾向を見てみましょう。
文章理解 | 現代文・英文・古文 内容把握や空欄補助、文章整序が出題されます。 |
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数的推理 | 時間や濃度を問う文章問題や確率、図形が出題されます。 |
判断推理 | 文章から判断できることを問う内容や暗号を解く問題、平面図形や立体図形を用いた問題などがあります。 |
資料解釈 | 数字や図形で書かれた資料を見て答える問題です。 |
一般知識では主に3種類出題されます。
社会科学 | 政治・経済・社会 【政治】基本的人権や内閣に関する出題が多い傾向にあります。 【経済】財政政策、金融政策の問題が多く見られます。 【その他】人口やエネルギー、社会保障、労働、環境、時事について幅広く出題されます。 |
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人文科学 | 日本史・世界史・地理・国語・思想・文学・芸術 【日本史】江戸時代、鎌倉~室町時代、明治以降の出題が多く見られます。 【世界史】イギリス・フランス・中国に関連する内容が多く出題されます。 【地理】主要国の主な輸出品、鉱山や農産物の主要生産国に関する問題が多く見られます。 【国語】読み・書き、同音・同訓や反対語、四字熟語、慣用句、ことわざなどが万遍なく出題されます。 【文学・芸術】作曲家や画家、古典・近代文学についての問題です。 |
自然科学 | 数学・物理・化学・生物・地学 【数学】中学で習う図形や高校の数Ⅰから出題されます。 【物理】等加速度直線運動、鉛直投げ、自由落下、水平投射、運動量保存の法則、電圧・電流・抵抗に関する出題が多い傾向にあります。 【化学】気体の状態方程式、コロイド、熱化学方程式、ル シャトリエの法則、ボイル シャルルの法則、周期表と元素の性質、ハロゲンに関する問題が多く見られます。 【生物】酸素、光合成、栄養分の消化と吸収、血液の成分、交感神経と副交感神経、脳やホルモンの働き、遺伝に関する内容が多く問われます。 【地学】太陽系の特徴、大気の構造、高気圧と低気圧や日本の気象、フェーン現象、地球の構造、地震波、火成岩の問題が多く見られます。 |
- 教養試験のポイント
範囲が幅広いので、基礎知識をしっかり学んでおくと良いでしょう。それにプラスし過去の出題傾向から出題の確立が高そうな内容を確認し、時事的な内容にもアンテナを張っておくと安心です。
専門試験の内容と対策
専門試験では、保育や子どもに関する専門的な内容が出題されます。それぞれのポイントをご紹介します。
保育原理 | 保育所保育の内容の理解した上で、少子化社会での保育所・保育士としてのあり方や専門性とは何か考えることがポイントです。 |
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教育原理 | モンテッソリーなどの歴史的な教育学者の考え方を知り、実際の保育現場との関連性をイメージできるようにすることが大切です。 |
社会的養護 | 児童福祉施設や里親制度について把握するとともに、児童福祉法改正・児童虐待防止法改正の内容を理解することが大切です。 |
社会福祉 | 社会福祉の基本理念や目的を知り、制度や政策、実践方法も理解しておくと良いでしょう。 |
児童家庭福祉 | 現代の少子化社会と子どもを取り巻く環境を理解し、児童が最善の利益を得られるためのさまざまな制度を知っておくことがポイントです。 |
保育の心理学 | 各年齢の発達の特徴、人や環境との関わり、初期経験の重要性を理解することが大切です。 |
子どもの保健 | 病気や事故、障がいや不適応行動などを知り、保健指導や母子保健行政についても理解を深めておきましょう。 |
子どもの食と栄養 | 食や栄養に関する基本的知識を習得し、子どもの発達との関連について理解することが大切です。 |
家庭支援論 | 家族支援や子育て支援の意味を理解し、国の制度なども把握しておくことがポイントです。 |
保育内容 | 5領域について教育と養護の視点から具体的な内容を理解しておきましょう。 |
乳児保育 | 保育所保育指針の「ねらい・内容・留意事項」についてよく理解しておくことが重要です。 |
障がい児保育 | 障がい児保育の歴史やインクルージョンの時代における障がい児保育のあり方を考えておくと良いでしょう。 |
保育実習 | 実際の保育場面を想定し、保育の計画、形態、子どもとの関わり方などを考えられるようにすることが大切です。 |
2次試験の内容と対策のポイント
論作文の内容と対策
与えられたテーマについて800~1000字程度で記述します。よく出題されるテーマを知り、対策を立てておくと安心ですね。
出題されやすいテーマの例 |
●私の目指す保育士像 ●保育士の役割とは ●○○市の課題について ●公務員としての心構え ●少子化における課題とは ●少子高齢化の原因について ●現代社会のコミュニケーションについて ●最近の出来事で感じたこと |
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- 書き終わったら最終チェックをしよう
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□ 誤字脱字はないか
□ 制限時数の9割以上埋めているか
□ 文体は統一されているか
□ 段落や用紙の使い方は適切か
□ テーマと内容は合っているか
□ 自らの考えが書かれているか
面接の内容と対策
面接では筆記試験ではわからない、コミュニケーション能力や人柄、意欲などが判断されます。形式は個別・集団面接や集団討論などがありますが、個別面接を行う自治体や園が多いようです。
質問されやすい内容の例 |
●志望動機 ●社会人への抱負などの職業観 ●学生時代 ●自己PR ●社会問題などの一般常識 ●実習 ●専門知識 |
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- 面接前にチェックをしよう
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□ 服装や髪型は乱れていないか
□ 姿勢や表情は良いか
□ 業務に必要となる表現力は十分か
□ 話すことに一貫性があるか
□ 志望動機は曖昧でないか
□ 自信を持っているか
音楽実技試験の内容と対策
実技試験はピアノや読み聞かせなどの技術だけでなく、どのように子どもと関わるのか見られる試験です。内容は自治体によって異なるので、今回は選考に含まれることが多い内容をご紹介します。
音楽の実技試験では主に、「ピアノ」や「弾き歌い」「手遊び」などの課題があります。それぞれのポイントを確認しましょう。
ピアノ | 『課題曲』『自由曲』『初見』の3つの課題があります。どの課題も1番大切なのは、最後まで弾くことです。弾く時の姿勢を意識し、余裕を持って弾けるようにしましょう。 |
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弾き歌い | 弾く曲の声域を確認し、無理のない選曲をすることが大切です。 |
手遊び | いきなり手遊びをするのではなく、導入の言葉がけから考えておくと良いでしょう。 |
ピアノの楽譜選びに悩んだら、こちらをご覧ください。
≫『幼稚園・保育園で使えるピアノの楽譜集』
言語実技試験の内容と対策
言語の実技試験では主に、「読み聞かせ」「素話」などの課題があります。それぞれのポイントをご紹介します。
読み聞かせ | 題材は年齢に合わせて選び、読む時は大きな声ではっきりと声色は変えすぎないで読みましょう。 |
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素話 | 題材は絵としてイメージしやすい話を選び、内容をよく理解して覚えることが大切です。早口になってしまうことが多いですが、ゆっくりと語りましょう。 |
絵本の見せ方の基本で悩んだらこちらをご覧ください。
≫『おさらい♪絵本の読み聞かせのポイント』
造形実技試験の内容と対策
造形の実技試験では主に、「絵画制作」「工作」などの課題があります。それぞれのポイントを確認しましょう。
絵画制作 | クレヨン・クレパス、色鉛筆、マーカー、サインペン、絵の具などの画材の特徴を把握しておきましょう。また、色の三要素や混同についても理解しておくと安心です。 |
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工作 | 指定された材料をどのように使用するかがポイントです。限られた時間の中で完成させることも意識しましょう。 |
クレヨンとクレパスの違いについてはこちらをご覧ください。
≫『子どもと作る壁面飾り』
姉妹サイト「ほいくらいふ資格」では保育士資格の取得方法まとめを紹介していますので、併せてご覧ください。
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