保育実習でのねらいの考え方~保育のねらいとは?~


実習生のみなさん、こんにちは!保育士のぽっくる先生です。今回は保育園や幼稚園での部分実習や責任実習の内容を考えるときに、よく目にする保育のねらいについて解説していきます。
実習日誌や指導案を書いていると、目標とねらいという項目があり、どちらも似たような言葉なので何が違うのか悩んだことはありませんか?
私も学生のときに授業で指導案を書いていて、目標とねらいの違いがなかなか理解できずに困ったものです。実はこの2つの言葉、意味は違うけど同じように表現されることがあり、とても混同しやすいのです。実習を機に、保育の目標やねらいについてしっかりと理解しておきましょう。
保育のねらいとは?
まずは保育のねらいについて知っておきましょう。保育園での保育は、基本的に『保育所保育指針』に基づいています。ただ子どもを預かるのではなく、”子どもの最善の利益”を考慮するためどのような環境で保育をしたらよいか、保育の計画の立て方、育ってほしい資質や能力などが定められています。この保育の目標を具体的にしたものが保育のねらいです。
実際に保育所保育指針を見てみよう
保育のねらいについては、保育所保育指針に書かれています。0歳児にとってのねらいと5歳児にとってのねらいは当然違ってくるので、年齢の区分は大きく3つに分けて書かれていますよ。
〈乳児保育〉
・伸び伸びと体を動かし、はう、歩くなどの運動をしようとする
・安心できる関係の下で、身近な人と共に過ごす喜びを感じる
・身の回りのものに親しみ、様々なものに興味や関心をもつ
〈1歳以上3歳未満児〉
・明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ
・見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする
・言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる
〈3歳以上児〉
・健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する
・自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう
・生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ
このように保育の目標を達成するために経験してほしい、子どもにとっての目標が保育のねらいです。
保育実習日誌の”目標”は実習生にとっての目標
日誌を書いていると上の方にある目標は、実習生にとっての目標を書くところです。今日1日の実習で自分が何を学びたいかを考えて書きます。
保育実習の目標の例をあげます。
・保育者が製作のときにどのように説明しているかを注意深く聞く
・絵本の読み聞かせをするときに、声のトーンや読むスピードに気をつける
など、自分が頑張りたいこと、学びたいことを書きましょう。この実習生にとっての目標ですが、学校(日誌)によってはねらいと書かれていることがあり、混同しやすい項目でもあります。自分にとっての目標なのか、子どもにとっての目標なのかをよく理解して書きましょう。
すべての保育にはねらいが設定されている
以上のことを理解すると、保育園での活動にはすべてねらいが設定されていることがわかりますね。おにごっこをするにしても、ただ遊んでいるだけではなく、遊びを通して体を十分に動かすことや友達と一緒に活動する楽しさを味わうことなど、しっかりとねらいが設定されています。
実習を通して保育園で1日過ごしてみると、たくさんの活動が連続しています。保育士がどのような意図をもって子どもに声かけしているのか、活動を設定しているのかを考えると、実習での学びがぐっと深まりますよ。
部分実習・責任実習でのねらいを考えてみよう
部分実習や責任実習を行う際は、あなたの考える活動にはどのようなねらいがあるのか考えて書く必要があります。指導案の用紙には、『実習生にとっての目標』と『子どもにとってのねらい』両方書くものと、片方だけ書くものがあるので、2つの違いを理解して書き進めていきましょう。
たとえば絵本の読み聞かせをする場合、なぜ読み聞かせをするのか考えてみてください。
もしかしたら「絵本の読み聞かせくらいだったら、自分でもできるかもしれない!」というのが、正直な気持ちかもしれませんね(笑)しかし絵本の読み聞かせをすることによって、子どもにとって何がよいのか?を考えると、同じ読み聞かせでもまったく違うものになります。
「部分実習、早く終わらせたい!」という気持ちで読むのと、「子どもがお話に共感できるように…」「絵本の登場人物に興味を持てるように…」と考えながら読むのでは、読み方が変わってきます。子どもはとても敏感に読み手の雰囲気を感じとるので、読み手の気持ち次第で、子どもの反応も変わりますよ。
部分実習・責任実習でのねらいの例
「絵本の読み聞かせ」と「製作」を例にねらいを考えてみましょう。下記は、ぽっくる先生が考えた”ねらい”の例です。参考にしてみてくださいね。
・物語に親しみ、先生や友達と心を通わせる
・自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう
・絵本を通して、文字や数字に興味を持つ
・描いたりつくったりすることを楽しむ
・自分のイメージを形にして表現する
・友達と一緒に活動する中で、工夫したり協力したりする
このようにただ実習をするだけではなく、保育のねらいを理解しておくことで、見えること・学べることが増えます。保育士がどうしてそのような対応をしているのか、なぜその活動を設定したのかを考えると、日誌に書く内容も深まりますよね。
また自分が子どもたちと活動するときも、ねらいを意識することで声かけを変えたり、活動を発展させたりすることができます。たくさんのことを学んで実行してみて、実りある実習にしてくださいね。
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