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取材レポート「ホイクホンシツ会議」ってどんな会?

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「ホイクホンシツ会議」についてインタビューさせていただきました。

三輪ひかりさん中西エリナさん

「ホイクホンシツ会議」を主催する
三輪ひかりさん(左)と中西エリナさん(右)

オトナだって学びの途中。

“当たり前”と思って目を向けてこなかった事にこそ、
保育の本質があるのではないだろうか。

「そもそも、これってどうなんだろう?」に
目を向け、考えながら学びの場を作っていく。
保育者、そして子どもと関わる全ての大人に
新しい気付きと視点を。
それが“ホイクホンシツ会議”です。

⇒ホイクホンシツ会議はこちらから!

「ホイクホンシツ会議」ってどんな会議ですか?

中西さん
中西エリナさん

私と、一緒にやっているひかりちゃんとでなんとなく今後の保育みたいなものを話していた中から出てきた企画です。

つめこまれた知識や経験を沢山持っている保育者が、それを踏まえた上で、自分のオリジナルの意見をもってもいい、安心して発言できる場所が必要なんじゃないか。

という思いがありました。

それができるのが「ホイクホンシツ会議」というところかなと思っています。

三輪さん
三輪ひかりさん

うん、そうなんです。
それに加えて、今社会の中で“考えて行動する機会”“学ぶ場”がとても少ないのではと感じていたんです。

それはもちろん保育現場にも言えて。そこに強く違和感を感じていました。

なので、「ホイクホンシツ会議」は、とことん考え・学び合える場でありたいという思いで、開催しています。

中西さん
中西エリナさん

「ホイクホンシツ会議」にいらっしゃる方々の関係性は、サークルや職場の仲間が持っているような関係性とは違っているようにみえます。

もっと流動的でopen-endedなコミュニティであって、「所属」みたいな感じではないですね。

ほんとうに不思議なことですが、連続して参加下さる方が固まって話をしていることが少なくて、新しくいらっしゃる方をフラットに扱う感じが心地いいです。

保育者だけでなく、保育環境に興味がある人がみんな参加して考えられるような会が「ホイクホンシツ会議」です。

家庭でも、職場でもない、第三、第四の場所というイメージです。

ホイクホンシツ会議を始めようと思ったきっかけはなんですか?

中西さん
中西エリナさん

それまで色々な研修に参加してきて、「ただ聞いているだけの、知識インプット型の研修会が多いなぁ、と思っていました。

1時間も2時間もただ講師の人の話を聞くだけというものの多さに驚いていましたし、その知識は本当に役に立つのだろうかと疑問に感じていました。

寝ている人も多かったしせっかく日中仕事を抜けてこさせてもらってるのに、もったいないなと。

三輪さん
三輪ひかりさん

私は去年の秋頃カナダから帰国したのですが、帰国する前から「大人たち、特に子どもと関わる大人たちの学び場」を作りたいと思っていたんです。

そして共通の知人を通してエリナさんと会って、彼女とそんな学び場を作りたい!!!!!と(笑

中西さん
中西エリナさん

私もアメリカから帰ってきて保育の現場で過ごしていて、考えないで出来る仕事がおおいなぁという印象を持っていました。

それが全面的に悪いというわけではないとおもっていますが、衝撃的だったエピソードがあって…。

他園での保育経験の長い年上の先生が入職された時にトイレの掃除の仕方を「ここの園はどんな順番でどうやって掃除したらいいですか?」と質問してきたんです。

私にはそれが衝撃的で・・・その時は「道具はここにあります。元通りキレイになっていればいいですよ。」と答えました。

そうすると今度は相手の先生が驚いていて、「そんな風に言ってもらえてすごく気持ちが楽になりました。」「そういう園で働きたかった!」と言われました。

きっと掃除の仕方を細かく決めている園では、そうしないと物がなくなる、何かが抜けるなどの問題があったんだと思うんです。

でも解決方法は他にもあると思うんですよね。

今のは小さな例ですけど、このような「変なプロセスの重視」になってしまって思考を奪っているように感じました。

子どもに学びの場があるのに、大人の考える場所が保障されていないのはおかしいと思っていました。大人も安全に学べるところを作ろうと思い、「ホイクホンシツ会議」をはじめました。 

三輪さん
三輪ひかりさん

うんうん。 私は保育の現場以外でもそういう気持ちになる事があって。

例えば、「日本とカナダの子ども達ってやっぱり違うの?」とよく聞かれたりするんですが、そもそも何に対して違いを知りたいのかにもよりますが、子どもに大きな違いがあるというより、私は社会や大人の在り方のほうがよほど大きな違いがあるなと感じていて。

時代はどんどん変わってきているのに、保育や教育ってもうずっと止まり続けていますしね。

そこにどうにかアプローチがしたかったので“本質を考える”ことを目的にした“ホイクホンシツ会議”にたどり着いたのかと思います。

中西さん
中西エリナさん

アメリカやカナダの保育が日本より優れているといいたいのではありません。

実際、これらの国でも沢山の問題を抱えています。

ひかりちゃんと私はラッキーな事に良心的な園で働いて、保育や物事の捉え方に関しての貴重な経験を持てたのだと思います。

そういう意味で、別角度からの視点を持って日本に帰ってきたと思います。

この視点を周りに伝えていきたいと思っています。

ただ、主宰者であれば必ずその場で大きな権限を持ってしまうものですから、この会でなにか発言するときは多少気はつかいますけどね。(笑)

「ホイクホンシツ会議」はFacebookだけで集めているのですか?

三輪さん
三輪ひかりさん

そうですね。基本的にはFacebookで呼びかけています。

あとは一度来て下さった方が更にお友達を連れてきてくれたりして。

最近では、二人とも全く知らない方もいらっしゃいますよ。

ロゴ
ほいくらいふ

そういえば研修会には幅広い年齢の方がいて、男性も多かったですね。

三輪さん
三輪ひかりさん

そうなんです。それ1つのホイクホンシツ会議の特徴かなと最近感じています。

もしかしたら、保育らしからぬかわいくないロゴとか(笑)、私たちの想いを書いているブログとかにびびびっときて、きてくれていたりするのかな?笑
本当にありがたいなと思っています。 

中西さん
中西エリナさん

参加して、ただワイワイ過ごす「楽しい」会というわけではなく、いろんな年齢いろんな人のどこかに引っかかって来てくれるのかなと思っています。

活動を始めてみて参加者から多<い感想は?

中西さん
中西エリナさん

おにぎりおいしい(笑)

おにぎり

三輪さん
三輪ひかりさん

確かに、多いですね(笑)。
おにぎり食べたりお味噌汁をのみながら皆さん真剣に参加してくれています。

あとは、ありがたいことににアンケートでの満足度を5段階で聞いているんですけど5をつけてくれる人も多いです。

中西さん
中西エリナさん

もやもやして帰る人も多いです。
今まで考えたことなかったということに直面して「思考のゆらぎ」を体験するからだと思います。
私もありますよ。

三輪さん
三輪ひかりさん

もやもやするけど考えたいって人も多いと思います。
リピーターの方がたくさんいて下さるのも、そこなのかもしれないですね。

中西さん
中西エリナさん

たのしいってだけの人はほとんどいないと思います。

考えることは辛いと思うし、中には苦しくなる人も多いと思います。

ただぼーっとしていれば終わる会ではないし、参加しないと終わらないので・・・

感想の中で「疲れました。」というコメントを見ると「よしっ」と思います。

少し期待に応えられているかもしれないという気持ちになるんです。

「ホイクホンシツ会議」で達成したい目標はありますか?

中西さん
中西エリナさん

ないです。
学びはずっと続く螺旋だと思っています。

目標を立ててしまうと達成したら終わってしまう感じがあるし根が真面目なので(笑)

縛られる気がしてしまうので、目標は無くていいと思っています。今までずっとあまり目標を立てたりしないで生きてきたし(笑)。

三輪さん
三輪ひかりさん

目標ではないですが、その学び螺旋が大人から子どもへ、そして社会へ繋がっていってほしいなと願っています。

その螺旋や繋がりを私たちは見たいなと。

あとは、ホイクホンシツ会議でも気付きや学びを自分のものにして、実際に現場に持って帰ってもらえたら嬉しいですね。

中西さん
中西エリナさん

ホンシツを考えるって=なんで、を考えることだと思うんです。

今の現場の保育者には「なんで」を考える余裕がないのだと思います。

考えるスキルを磨く練習をしないまま、又その場を与えられないまま社会人になっている人がすごく多いようにおもいます。

でもそれは保育者ひとりひとりや、養成校のせいだけではなくて、子どもの時の先生や両親との関わり、社会の関わりが循環して起きていることだと思います。

私たちは保育者が考える訓練をできる場所を提供したいです。

物事を別角度から見て、解決策を探ることをやっていいんだ、と感じてほしいと思っています。

三輪さん
三輪ひかりさん

うんうん! 本当に、“なんでだろう?“からすべてが始まると思います。

それは大人達の世界だけでなくて、子ども達の世界も。

だからこそ、まず大人達が自分たちのなんでだろう?に向き合って欲しいし、向き合える様な場を提供したいです。

中西さん
中西エリナさん

「私たちが社会を変えてみせる!」とは全く思っていません(笑)

考えないことや、「はい、はい」って誰かに従うことは一見、楽なことかもしれません。

でも、それに完全に慣れないからストレスを抱えたり退職をしたり、第三第四の場所を探そうとしたりする。

一度「なんで〜?」と考える癖がついてしまったら、もう元には戻れません。考えることは辛かったり苦しかったりするかもしれない。

でもそれは前向きな苦しさなのかなと捉えています。

今後二人の活動予定は?

三輪さん
三輪ひかりさん

ホイクホンシツ会議に関して言えば、参加したいと思って下さっている方々にひとりでも多く参加していただきたいので、第2シリーズ、第3シリーズと回数を増やしていければと思っています。

中西さん
中西エリナさん

ホイクホンシツ会議は呼んでもらえればいろんな場所で開催したり、現場でも考える場をつくる研修という形でも重宝してもらえると思います。

三輪さん
三輪ひかりさん

私個人としては、borderless educator(国境なき共育者)として、他にも活動していることを大切に育てていければと思っています。

「UNDERMINE THE CONCEPT」 大人のための「考える」エンターテイメント。

⇒Faceboookページはこちら

「世界のほいく便り」
世界中で活躍する保育士さんからの情報を届けるFacebookページ。

⇒Faceboookページはこちら

中西さん
中西エリナさん

私は時々、普通の保育研修の他に表現活動のサポートをおこなっています。

さまざまな保育園に派遣され研修などをしています。

研修といっても、保育士に何か直接教えるということではなく、子どもたちが素材としての粘土を探求する様子を見てもらいながら、子どもたちが何を発見しているか、子どもたちのこういうところを見たら面白いかもという視点の提供をする活動をしています。

ロゴ
ほいくらいふ

お二人とも素敵なお話をありがとうございました。

プロフィール

中西さん
中西エリナさん

学びのパートナー 。
日本と米国での保育園勤務、保育者養成に関わる。

イタリアのレッジョ・エミリア的な保育の思想をベースにしつつ新たな展開を模索中

「こどもをナメない!」をモットーに活動中。

こどもの教育や創造活動の再構築、新しい保育者研修を考える会「AMONG INDIVIDUALS」主宰。

三輪さん
三輪ひかりさん

Borderless Educator-国境なき共育者-
日本で保育士を経験後、渡加しレッジョエミリアアプローチを中心に幼児教育を勉強、現地の保育園に勤める。

多様性を尊重し生きるカナダの人々との関わりの中で、改めて本当の幸せとは【みんなが自分らしく生きること】だと確信する。

また新たに “社会や大人のあり方によって子ども達の姿や未来は大きく変わる”という気付きを得て2014年秋帰国。

現在園に属さず、子ども・幸せ・本質というキーワードを軸に個や社会に向けた活動をしている。

「ホイクホンシツ会議」・「UNDERMINE THE CONCEPT」主宰。

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